「ハチクロ」について語る。

たまたまテレビを観ていたら、NHK BSで「BSマンガ夜話」という番組をやっていた。
マンガ作品についての討論番組のようで、この日の回は御題が「ハチミツとクローバー」だった。
いつまでもデブではなかった岡田斗司夫氏や、いまでは孫の肩書きがいらなくなった夏目房之介氏らがコメンテーターとして並んでいた。
まあ、普通に「あの場面いいよね〜」「泣けるよね、笑えるよね」的なことを言っていても、討論にならないからだとは思うのだが(そういう意見は若い女性のゲストにまかせて)、結構無理矢理な理屈をつけては、もっともらしいことを語っていた。
「あれは芸術にとりつかれたモンスターの苦悩の話だ」とか、「天才にふりまわされる犠牲者の話で、『アマデウス』ですよもはや」とか、「いや『ケインとアベル』的要素も」…などなど。
確かにあの作品は深読みしようと思えばいろんな読み方が出来るのであって、優れた表現作品はおしなべてそういう要素がむしろなければいけないのかもしれないが、やっぱり作品に対するリスペクトありきで、その解説を聞いたらもう一度読んでみたくなったと思わせるような評論をしてほしい。
まあ、いい歳したおっさんが、少女マンガの恋愛ストーリーについて、正面から語るのは照れくさいというのもあったかもしれないけどね。