「エグザイル/絆」

エグザイル/絆 スタンダード・エディション [DVD]

エグザイル/絆 スタンダード・エディション [DVD]

ライムスター宇多丸のシネマハスラーでも頻繁に名前の出てくるジョニー・トーという監督。町山智浩氏は「香港の三池崇史」と異名を付け、「とにかく多作で当たり外れが極端だけど、たまにものすごい傑作を撮る」と評していた。
どうしても観てみたくなったので、まずは最も評価の高い「エグザイル/絆」から。
何度もこの作品の批評を聴いていたので、だいたいのストーリーは知っていて、ヤクザ映画的な感じでお話的には何も難しいことはないと、油断して観始めたのだけども、冒頭の銃撃シーンでいきなり驚かされた。
「何?…この…」
…これが噂のジョニー・トー様式美に貫かれたガン・アクションシーンか!
…変なの!…でも面白いじゃん!
なんか昨年のM-1で初めてスリムクラブのネタを観た時の衝撃を思い出した(笑)。
たっぷりと時間をかけて、「くるか?くるのか?…まだか?…あれ?…どうすんだ?」と不安になりだしたころに一斉に拳銃をぶっ放す。いい意味でタメが効いてるというか。しかしカット割がかなり緻密に計算されているのか、あらゆる角度から観せるアクションシーンは、せき立てるようなスピード感はないけれど、ひとコマひとコマがいちいち面白くて、ついつい画面に観入ってしまう。笑っちゃうくらいのやり過ぎ感はあるけども、これにハマった人がたまらなくなるのもわかる。
ストーリーでの特長である「男同士の友情が少年のようにイノセント過ぎる」ところも十分に堪能した。
非情なバイオレンス映画なのに、どこかじんわりと心の奥が熱くなる、不思議な感触を残した映画だった。
確かにこれを機にジョニー・トージョニー・マーじゃない)にもハマりそうな予感。はずれを引かないように選びつつ、他の作品も観ていこう。(ほんとは最初に「ザ・ミッション 非情の掟」を観たかったんだけど、近所のTSUTAYAには置いてなかったんだよね。)