「SUPER8」


SUPER8」は、その予告編を観ただけで、「もう、絶対面白いっしょ!」と期待していた作品。
しかし大人から子どもまで楽しめそうな作品ということで、公開されてすぐは常に満員でなかなか観に行けないだろうと思い込んでいた。
しかし、今週末のシネマハスラー賽の目映画に決まったことで、出来れば今週中に観ておきたいという気になった。
するとちょうど自宅に最も近いTOHOシネマズで、仕事が終わってからでも間に合う時間でレイトショーをやっていることが判明。空いている状態で観れて、しかも1200円。…レイトショーいいね!
町山智浩氏も解説していたように、この作品はJ.J.エイブラムス監督のスピルバーグに溢れたオマージュ作品でありつつ、自身の少年時代が投影されている。
時代設定も自身が主人公と同じくらいの年齢だった80年代になっており、フィルムの質感、色合いも当時の映画っぽさを再現するくらいのこだわりよう。
ワタシ個人は最近になって映画を意識的に観るようになった「にわか映画好き」のため、スピルバーグ作品に限らず、超有名作品ですらろくに観ていなかったりするのだが、それでも80年代にティーンエイジャーだったことによる共通体験がうっすらあるからなのか、なんとなくあの当時の流行った映画、特にスピルバーグ作品のあの感じ…っていうのはわかるような気がする。
少年達がつるむ、冒険する、恋をする、親に反発する、現実から逃避する、大人は信じてくれないものを夢見る、勇気を振り絞って大胆な行動に出る、友情の絆を強くする、成長してひとつ大人になる…という王道の物語だ。
この時代にその夢と希望が詰まった作品を正面から描くのは難しいが、そこにチャレンジしている。
前半、それぞれの少年、少女たちの抱えている悩みなど、キャラクターをはっきりさせるためのドラマを丁寧に描き過ぎたせいで、クライマックスからエンディングにかけての展開がちょっと早急過ぎるようなところは気になったが、それも単なる絵空事にせず、きちんと主役に感情移入して観てもらいたいという、テーマの重心がどこにあるかによるところなのだと思う。
日常を丁寧に描いてはいるが、ときどきドンとスイッチが入って非日常的な展開にさっと切り替わるなど、メリハリの効いた演出で退屈することがなかった。
いろいろなメッセージが詰まった感動的なラストでも、意外にあっさりしているというか、押し付けがましくなかったあたりも自分好み。
ネタバレしないように語ろうとして、抽象的な物言いになってしまったが、この作品は2011年を代表する傑作だと思う。
いろんな人に薦められるね。