「バッド・ルーテナント」

バッド・ルーテナント 刑事とドラッグとキリスト 【デジタルリマスター版】 [DVD]

バッド・ルーテナント 刑事とドラッグとキリスト 【デジタルリマスター版】 [DVD]

ニコラス・ケイジ主演で2009年にリメイクもされたらしいが、観たのは1992年のオリジナル「バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト」。
ハーヴェイ・カイテルが演じるニューヨークの警部補LTは、ドラッグと酒に溺れ、職権濫用も甚だしい汚職刑事。野球賭博で危ない橋を渡っている。
そんな時に教会の若い尼僧が暴行されるという事件が起こり、その事件の懸賞金を目当てにしたLTが真相に迫っていく…。
観る前に予想していたのとはかなり異なる雰囲気の映画だった。バイオレンス描写もほとんどなく、不穏な空気のまま実は大きなことはあまり起こらずに淡々と進んでいく。
駄目な男の駄目っぷりを徹底して見せるハーヴェイ・カイテルの演技はさすがだったが、お話の部分でいまいち入りこめず。
手段を選ばず犯人逮捕に向かうのかと思ったら、後半は己の悪行を神に懺悔し、せめてもの贖罪を…という展開になっていった。
破滅へ向かう大きな原因の野球賭博についても、あまりメジャー・リーグについての知識がなく、当時の状況とかニューヨーク市民にとってのドジャースvsメッツのプレーオフというのがどれほどの意味を持つのかといったことが理解できず、7戦あるシリーズの進行と並行して主人公の行動が描かれていても、その関連によっての意味の膨らみとかが実感できないのだった。
感情移入できなかったもんだから、泣き崩れるハーヴェイ・カイテルの顔がちょっと面白く見えたりして…。
これ日本でリメイクしたらどうなるかな。
多分、「日本のハーヴェイ・カイテル」こと、平泉成主演で土曜ワイド劇場っぽい話で収まってしまうんじゃないだろうか(笑)。

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