「ガールズトリップ」


ブラジル映画祭で観た「ガールズトリップ(原題: Muita Calma Nessa Hora)」は2010年にブラジルでヒットしたコメディー映画。
観終わった後、シアターから出てロビーにいると、この作品を観た女性2人組が、
「やっぱガールズムービーは万国共通だね!」
と言って頷き合っていた様子を見たのが強く印象に残った。
確かに、それぞれ悩みを抱えた幼なじみの3人の女性がリオのビーチへバカンスへ出かけ、恋愛にときめき、友情に涙するというストーリーで、ちょっとどぎつい下ネタも満載のコメディ作品で、いわゆる「ガールズムービー」というジャンルの典型なのだろう。ブラジル映画祭の中でなかったら、この手の作品を自分が進んで観ることはまずなかったはずだ。
しかし、「ああ、いわゆるガールズムービーね…」と思いながらも、こういうタイプの作品はほとんど観ることがなかったので、自分としては新鮮に感じて、楽しく観ることができた。
ハンサムガイとファッションアイテムと、リゾートの美しい風景と、ちょっと過激なセックス描写が入っていて、それこそ「SEX AND THE CITY」的な感じ?…現代的なテーマだし世の女性ほとんどの共感を得るだろうから、別にブラジル特有の作品というわけでもないのかもしれない。
それでも、ハリウッド製の洗練されたガールズムービーとひけをとらないクオリティの作品がブラジル国内でも作られ、普通に大ヒットするという2010年のリアルが感じられて面白かった。
ただ、中で使われる音楽やダンスなどのカルチャーが、どうしたってブラジルらしさを映し出す。
軽口の叩き合いから早急に肉体を求め合う男女関係の描写もブラジル人らしいだろうし、自虐的なネタが多いあたりもブラジル人独特の笑いのツボかもしれない。
男性目線から観ると、主役の3人組をナンパしようとしてつきまとってくる、バカ丸出しのイタイ男連中が、最後に「俺たちってほんとどうしようもねえな…」っていう思いを共有しているところが、なんとも憎めない感じに描かれていたのがよかった。

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