「JUNO」

「SUPER」のボルティー役でエレン・ペイジを初めて知り、「スコット・ピルグリムVS.邪悪な元カレ軍団 」でマイケル・セラを初めて知ったのだが、両方の作品が大好きなので、この二人が主演の「JUNO」はいずれ観たいと思っていた。
遅ればせながらようやく観たが、このふたりの魅力が凝縮された、いい作品だった。
16歳で妊娠してしまった女子高生・ジュノの9ヶ月を描いた物語だが、アメリカの高校生事情もよくわからないし、妊娠した時にどういう行動を取るのが普通なのか、あまりためらわず里親を探すのが自然なことなのか、わからないことが多過ぎて、なかなか感情移入しにくいところはあった。
40過ぎたおっさんがジュノに感情移入するのはさすがに無理があるとはいえ、相手のブリーカー(マイケル・セラ)もぼやーっとしてて当事者意識に欠けるというか…、自分が父親になるということを考えなさ過ぎなので、ま、でも高校生ってこんなもんかと思ったりもして、少年側の目線にも合わせられない。
一番感情移入できたのは、里親になろうとする金持ち夫婦で、母親になることを熱望するジェニファー・ガーナーの旦那で、ジェイソン・ベイトマン演じる、まだ父親になる心の準備が出来ていないモラトリアム男。
CM曲の作曲家としてリッチにはなったが、実はまだ自分でバンドをやることを諦めていなかったり、ホラー映画を観たりという趣味に浸っていたいのだが、嫁さんの手前遠慮していてストレスが溜まっている…。ああ、なんかわかるなあ(笑)。
ただ全編通して淡々と描かれているので、そこまでそれぞれの主要人物の葛藤は見えず、ドラマとしては弱いといえば弱いが、そういうトーンなのが受け入れられやすかったのだとも思う。
なんとなくハッピーエンドな感じで終わるが、この複雑な状況が当たり前のこととして受け流される社会状況って、やっぱりアメリカという国は病んでるなあ。

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