「ゴーストライター」
仕事帰りに早稲田松竹に寄り、ロマン・ポランスキー監督の「ゴーストライター」を観てきた。
昨年公開時に観たいと思っていつつも逃してしまったので、二番館でかかるのを待ち望んでいた。今度の週末のシネマハスラーの賽の目映画が、ポランスキー監督の新作「おとなのけんか」に決まったので、今週中に前作「ゴーストライター」を観ておこうと思っていたのだった。
早稲田松竹は名画座二本立てだが、もう一本の「「ザ・ウォード/監禁病棟」はホラーっぽいのでスルー。ラスト上映1本のみだと800円で観れた。
主演はユアン・マクレガー。もういい年になって、落ち着きも出て安定感のある主役級俳優になっている。
陰謀うごめく政治の世界の裏側を知ったことによる、巻き込まれ型サスペンスだということは知っていたが、内容については何も知らずに観たので、謎解きの部分でも主人公と一緒になって疑念や不審を抱きつつ、同時進行でストーリーに入りこんでいけた。
ポランスキー監督の作家性についてもほとんど知らなかったが、わりとオーソドックスな作風なのではないかと思い込んでいた。
実際、画面の基調がやや古い時代のサスペンス映画を思わせる感じになっており、2010年ぽさは稀薄。派手なアクションやどんでん返しはないが、じわじわと謎に迫っていく感じがスリリングでいい。
作品のトーンはいい意味でオールタイム感があるが、話運びは意外なほどスピーディで、観客の予想の半歩先をいくぐらいの速さで、テンポよく進んで行く。冗長なシーンがほとんどなく、説明過多にもならない。このあたりは見事。
謎解きとしては、そこまで凝った話ではなく、特に驚かされたというようなこともないのだが、ラストまでまったく退屈せずに観ることができた。
内容が政治的な背景を知っていた方がより理解できたのだろうと思われるが、特にすべての辻褄を合わせられなくても十分楽しめる。
「今すぐに観るべき映画」というよりも、数年経ってから観てみても、いつでも面白い良作になっていると思う。
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