「ロイホのメニューに原点回帰。」

今週の放送から、日曜日の18時30分から1時間半の番組としてリニューアルした、TBSラジオ菊地成孔の粋な夜電波」。昨年番組スタート時の日曜20時のタームを通称シーズン1、前回までの金曜20時からの2時間生放送がシーズン2と呼ばれており、2年目に突入した今回からシーズン3となったわけですが。
初回(通算第51回)は、前半こそ低く落ち着いた声で話し始め、アッパーなフライデーナイトの時とは変えて、日曜の夜は落ち着いた雰囲気でいくのかな?…と思わせる感じでしたが、だんだんエンジンかかってくると、いつもどおりの爆笑の回になりました。
すっかり番組恒例となった「ロイホ話」も久しぶりに飛び出したので、その部分を文字起こししてみました。

SECOND REPORT FROM IRON MOUNTAIN USA

SECOND REPORT FROM IRON MOUNTAIN USA

え〜…後はですねえ…特に…まあ…ロイヤルホスト…。まだロイヤルホストなのか?というお声を頂戴するかもしれませんけども。…ま、ロイヤルホストですね、やっぱねえ…。
あの…いろいろワタシも、「ロイホで待たれてますよ。」ってメールがきて(笑)、ま、「ロイホに4人組みたいなのがいて、「山崎恵子ってヤバいよね…」って言ってる奴らがいます。今ロイホに来ないで下さい。」っていう(笑)…番組の選曲補佐をやってくれてる中村君からのメールがきまして、それで危うく…なんてんですか…ね、虎穴に入るところでしたけどね。虎穴に入らずんば虎児を得ず…なんだかわかりませんけども。…ほいでまあ、行かなかったということがあり、しばらく、あの…ジョナサンとかね、いろんなとこに回ってたんですけども。ま、それなりに面白いことはあったんですが、やっぱロイホ…の…やっぱ原点回帰ですねえ…。シーズン3はシーズン1に…あの…回帰してる側面がある、というかねえ。
やっぱ今はねえ…やっぱり…最初からお聞きの方…オールドファンの方…ま、オールドっつったって1年前ですけどね、お馴染みだと思うんですけども、だんだん話がこうWBOの方に伸びてきましたけど、最初はね、ロイホメニュー自体が面白いって話だったんですよね。
で、やっぱメニューの事は全部読み尽くしちゃったんで、ワタシもうロイホのメニューは暗記して夢に出てくるんで、こう…頭ん中でパッとめくったら、この角のところに88サラダがくるとか、もう頭に入ってるんですけど(笑)。
…まあ、メニューは変わりますね、グランドメニューとシーズンメニューが変わるたんびに、こう…鵜の目鷹の目で面白いとこ探してるわけなんですけども。…もうやっぱり…そこに戻るしかないんだなっていう…全部覚えちゃうとデカダンがきますから…もう、メニューじゃなくて、客の会話だっていうふうになったんですけど、やっぱりメニューだっていう…。思ったのは、まあ…今ちょうど、黒×黒…あの、ロイホには黒×黒バーグっていう、黒×黒ハンバーグっていう、黒豚と黒毛和牛の肉を半々にした…こう…ハンバーグが…なんていうか、主力商品なんですけど。その黒×黒ハンバーグにも、2004〜5年からですね、ワタシがウォッチングし続けた数々の素晴らしい歴史があるんですね、ロイホの黒×黒ハンバーグには。
ま、その集大成というか、いろいろなことがあったんです、ほんとに。あるページに「ぐつぐつ」って書いてあって、次のページに「くつくつ」って書いてあったりして、どっちなんだろう?煮えてる音は…って思った時とかね、そんな2007年とかがあったんですよ。そいで、ま、そういうの全部乗り越えて、黒×黒バーグ…上に粒コショウがのってるんですけど、脇にキャプションで、「粒コショウは要らない方はおっしゃって下さい。取る事ができます。」って書いてあって(笑)、そりゃあそうだろう…っていう2008年があったり。ま、大きな手、小さな手含めて、あの…黒×黒ハンバーグに我々はこう…なんつったらいいんですか…、転がされてきたわけですけど、コロコロコミックだったんですけども。
え〜、とうとう黒×黒ハンバーグが、「王国」になりまして。え〜「黒×黒ハンバーグ王国」が、ロイヤルホストのメニューの中にバーン!とこう…ですね、なってるんですよね。で、まあ…王国っていうか、ま、あれを直訳っていうか、意訳すれば…「ユナイテッド・キングダム」だと思うんですよね。ま…ね、イギリスもイングランドスコットランドウェールズアイルランド…ユナイテッド・キングダムですから。ま、黒×黒ハンバーグ王国もですね、6つの料理からなる一つの王国…なんですよね、黒×黒ハンバーグも(笑)。
…で、その…「オニオングラタンハンバーグ」…ま、ハンバーグは黒×黒ですよ、もちろんね。で、「ビーフストロガノス風ハンバーグ」。で、ハンバーグの外側に衣付けて揚げやった、「メンチカツ」。それから「ハンバーグ きのこソース」みたいなのがあって、…で、エビとホタテの…なんていうんですか、レモンバターみたいなのでソテーしたのが添え合わせにくっついたハンバーグ。これで5か国ですよね。…でさらに(笑)、エビホタテだけ…ってのが…入ってんです、そこに。これがアイルランドかな?…とか(笑)思うんですけど、ハンバーグが無いの!そこだけ(笑)。だけど、黒×黒ハンバーグ王国を形成してんですよ。…やられたなあ…って思って。…「えげれすぜよ!」っていうね、思ったんですけど。

で、まだそこはいいんですよ、そのぐらいはロイホの…なんていうか、あの…ポテンシャルからみたら、驚くべきことじゃないんですよ。…「1個これ、ハンバーグが無いけど…」っていうのは、もういいんです、別に。あの…関係諸国が…諸侯が、ユナイテッドされたわけでね。そいで、ひとつひとつの皿にですね、こう…想像つきますよね?…料理の写真があって、左脇にね、…そうですね、1.5cm直系ぐらいの輪…円がこう、ポンッて押してあって。そこに、ロイヤルホストって、料理の…コピーともいえない…料理を押すひと言みたいなのが書いてあるんですよね。
で、ハンバーグって、黒い鉄板にのってジューって出てくるじゃないですか。ロイヤルホストに限らず。そいで、例えば、さっき言った「きのこソースハンバーグ」とかには、その脇の枠にね、「あつあつ鉄板」って書いてあんの。…で、まあまあ…「あつあつ鉄板」だなあ…と思いますよね。…そんなこと全部やってたら大変だと思うんですけど、まあ、とにかく、ハンバーグに「あつあつ鉄板」って書いてあるわけですよ。で、エビホタテがくっついたハンバーグにも「あつあつ鉄板」って書いてあるんですよ。
…ん?全部「あつあつ鉄板」なのかな?…と一瞬思いますよね。それだと全部、王国だからっつんでいちいち書くのだろうか…とこう…思いかけて、全部見てみたんですよ。ワタシ、これ一枚一枚写真とって保存してますからね。あの…暗記するために。
で、エビホタテは「あつあつ鉄板」、きのこソースも「あつあつ鉄板」、そいでオニオングラタンスープ…式ハンバーグ…、これも折衷料理ですけど、いちおう側がオニオングラタンスープのスタイルなんで、「あつあつ鉄板」じゃないじゃないですか。そこにはね、「オーブン焼き」って書いてあるんですよ、同じ枠に。違う色で。
…まあ…、うん、いいや。バリエーションだな…って思って。そいで、ちょっとさっき気になる、ハンバーグが無いエビホタテだけのやつ…は、どういうのかっていうと、これも最近、もともと懐石の手法ですけど、ああいうお店にも取り入れられた、紙皿で焼いてんの…ご存知ですよね。あの、紙皿で直火当てても紙焦げねえっていう、あれを使った紙焼になってるのね。で、そこには「ぐつぐつ紙焼」って書いてあるんですよ。
「あつあつ鉄板」「あつあつ鉄板」「ぐつぐつ紙焼」「オーブン焼き」って書いてあるんですよね。…(笑)そんで、メンチカツはどうなんのかな?と思ってパッと見てみたんですよね。そしたら、「洋食スタイル」って書いてあってですね(笑)。だんだんもう…この後何があんだろな…後は…「あつあつ鉄板」「あつあつ鉄板」「ぐつぐつ紙皿」「オーブン焼き」「洋食スタイル」…ストロガノフはなんだろな〜。…ちょっともうドキドキしたんですけど、目の前に指きて、パッとこう…指開けたらですね、1センチ四方の丸の中に、料理長の写真が書いてあって「料理長オススメ」って書いてあったんですよね(笑)。…もう、やられた〜っていう…。
ヤバいもう…ユナイテッド・キングダム・オブ・ハンバーグ…ですよね。黒×黒ハンバーグですからね。…ユナイテッド・キングダムなのに、ハンブルグだってとこが、もうヨーロッパ史を超えたね…、ひとつの超歴史的な王国が今(笑)、ロイホのメニューの中にありますので、どれか選んでいただいてね。
他の料理は料理長薦めてないのか?っていう気持ちもあるんですが…、そういうことじゃないんですよね。全部オススメなんですよ。全部オススメ…だって、料理長の写真がですよ、直径1センチの円の中に、こう…ギュッと濃縮されて「オススメ」ってカタカナで書いてあって、その隣に「ぐつぐつ紙皿」しか書いてなかったら、これどう考えたって、ストロガノフの方を押してるように見えちゃうんじゃないの?っていう問いは、ロイホには無駄、もしくは野暮なんですよね。全部薦めてるんです、これ。…だから「あつあつ鉄板」のところを、こう…消しゴムでゴシゴシって消したら、下から「料理長のオススメ」出てくると思うんですよね、全部…これね。全部が下に入ってる…と思うんですよ。そういう情熱であの……なんでワタシが声を荒げて説明してんのかよくわかんないんですけど(笑)、ひとりで。…ま、あの…ロイホのメニューってのはそういうことですよね。はい。
…ですので、まあ、皆様、「王国」に遊びに行ってはいかがですか。

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