「007/スカイフォール」
今週で公開が終わってしまうというので、急いで観に行った「007/スカイフォール」。
ジェームズ・ボンド役がダニエル・クレイグになってからの2作品、「カジノ・ロワイヤル」と「慰めの報酬」も予習しておいたし、町山智浩氏が「『スカイフォール』観る前に、この1本だけは観ておいた方がいい」と薦められていた初期作品「ゴールドフィンガー」も観ておいて、万を持して映画館へ。
サム・メンデス監督の美しい映像が評判なので、IMAXで鑑賞。
ライムスター宇多丸のシネマランキング2012のベスト1作品ということで、否が応でもハードルは高くなっていたわけだが、観終わってその期待をまったく裏切らなかった大傑作だったことに感動した。
最初にひと事件あってからのタイトル・シークエンス…というのはシリーズ共通の定番らしいし、タイトルバックのそのデザインや音楽も含め、トータルで「007」の世界観を凝縮させなければ、古くからのファンも納得しないといわれる、その重要な冒頭部分だが、もう最初からアクション全開だし、スピード感溢れるハラハラドキドキの展開だし、美しい風景を壮大なスケールで映し出しているし、「この後どうなるんだ?」という絶妙な惹きからの〜タイトルとアデルの歌ドーン!
いや…完璧に掴まれた。
ピンチに次ぐピンチの連続で大興奮なのだが、時折ちょっと肩すかしをくらうようなところもあり、この適度なユーモアと突っ込みどころの余地を残すあたりの絶妙なバランスが007シリーズならではのところなのかもしれない。
その絶妙なバランスを、敵役のハビエル・バルデムが見事に体現していた。この人は…その巨大な顔面だけでも、持ってくなあ。
その前であらゆるチェイスをやり尽くしたからか、最後の対決の場面に賛否両論があるようだが、ボンドの生い立ちに迫り、シリーズ全体を総括するのに必要な展開だったと思う。
これでジュディ・デンチが「M」役のシリーズはひと区切り付くわけだが、ダニエル・クレイグがボンド役ではあと2本作る予定になっているそうだ。次の展開が楽しみだ。