「アート・オブ・ラップ」


サービスデーの火曜日に、以前「スプリング・ブレイカーズ」の時に予告編で気になっていた「アート・オブ・ラップ」を観にシネマライズへ。
ヒップホップには全く疎い自分だが、菊地成孔先生の最近の活動を通じて興味を持つようになり、ペン大で「トラックメイクの現場の様子が映っていて参考になる」と薦められたDVD「BEAT KINGS」も視聴したので、少しずつ有名なMCやDJの顔と名前が一致するようになってきた。
有名ラッパーのアイスTが監督を務め、自身がインタビュアーとしてHIP HOPシーンを黎明から支えた伝説的なDJやMCから、今まさにトップのスターまで、総勢47人のアーティストに話を聞いていくドキュメンタリー作品。

カニエ・ウエスト、エミネムスヌープ・ドッグドクター・ドレーKRS・ワン、チャックD、RUN DMC…。ヒップホップに詳しくない自分でも知っているラッパーのトップが出演し、影響を受けたラッパーや、お気に入りのライム、歌詞を書くときのインスピレーションの元などについて語り、その場でフリースタイルまで披露してくれる。
ニューヨークからデトロイト、西海岸まで訪ねて行くが、その都市その地域ごとの特徴もあり、影響を与えた音楽も異なってくる。
そもそものヒップホップのルーツが、奴隷市場で1ダース単位で扱われていた黒人同士が、直接的なケンカを回避するために、強い自分をアピールし、言葉での罵り合いで勝ち負けを決めた「ダーティー・ダズン」という風習が元になっているといわれ、そういう背景をふまえてシーンを俯瞰して見る面白さがあった。
個人的に、日本のヤンキーメンタリティーがすごく苦手で、ヒップホップもギャングスタ・ラップとか、なぜあんなにイキがって直接的な抗争にまで繋がるような暴力的な音楽をやらなければいけないのか、理解できずに毛嫌いしていたところがあったのだが、ルーツをふまえ、そういうルールの下でゲーム的に行なっているバトルから、新たなスターが生まれてくるというシーンに対して理解が深まったので、だいぶヒップホップへの興味が積極的に沸いてきた。
歌詞はほとんど理解できないのだが、K-DUB SHINE氏監修の日本語字幕は、臨場感も伝えるいい訳だったと思う。

アート・オブ・ラップ オリジナル・サウンドトラック

アート・オブ・ラップ オリジナル・サウンドトラック

Beat Kings - Respect the Architect - [DVD]

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