「アイアン・フィスト」


「アート・オブ・ラップ」を観終えた後、向かいのパルコPART3の8Fへ。シネマライズとシネクイントをはしご。「アイアン・フィスト」を観る。
ウータン・クランのRZAが監督・主演・脚本・音楽の4役をこなした、カンフーアクションムービーということで、この日はHIP-HOP映画祭りとなった(?)。
これも予告編を観て「なんじゃこりゃ?…面白そう。」と思って、どういう映画かよく分からずに観に来たが、この作品の面白さと異色さを保証するかのように、「クエンティン・タランティーノpresents」のクレジットが大きく入っている。
タランティーノがどれぐらいの関わり方をしているのかはよくわからないが、黒人であるRZAが19世紀の中国で鍛冶屋として暮らし、部族抗争に巻き込まれるという、人種間を超えた設定に、「ジャンゴ 繋がれざる者」との類似点がある。
虐げられてきた黒人の復讐劇という点で、この二つは兄弟のような作品といえるかもしれない。

ちょっと「びっくり顔の大泉洋」のようなRZAが、多分自身が大好きなカンフー映画の主演を努めるという、自己満足度の高そうなノリについて行けるか?と、やや不安でもあったが、なかなか面白かった。
ラッセル・クロウルーシー・リューも出演し、なかなかの豪華キャストで、極彩色が眩しいド派手な絵面、ワイヤー・アクション満載で、まったく退屈はしないエンターテインメント作品になっている。
まあ、確かにツッコミどころ満点だが、こういう映画に目くじらを立ててあれこれ指摘することもないだろう。
ただ、この辺がタランティーノ印なのかもしれないが、暴力描写があまりにも残虐でエグ過ぎる。多少だったらいいけど、ちょっとやり過ぎなところがあって、あんまりにも血みどろで人体破壊描写が多いので、「気軽に楽しめねえよ!」とイラっともした(苦笑)。
音楽はさすがにカッコよかった。まあ、長いPVみたいなものなのかも。

アイアン・フィスト オリジナル・サウンドトラック

アイアン・フィスト オリジナル・サウンドトラック