「樋口毅宏さんとの邂逅。」

甘い復讐 (単行本)

甘い復讐 (単行本)


いやあ…ファン冥利に尽きる一夜でした。
2009年に「さらば雑司ヶ谷」でセンセーショナルにデビューを果たし、その後5年間に次々と話題作を発表してきた樋口毅宏さんは、文壇にとどまらず様々な方面からも注目を集める気鋭の小説家。
世間的には、大ヒットしたあの「タモリ論」(新潮新書)の著者としても有名だろう。
自分は、水道橋博士Twitterで激押ししているのを見て、気になって買ってきた「さらば雑司ヶ谷」を読んで衝撃を受け、以来すべての作品を愛読してきたファンなのだったが。
なんと今回樋口さんを囲む宴席に同席させていただくことができた。
本業のDTPオペレーターとして、樋口さんの作品の組版作業に関わらせていただいたので、仕事上無関係ではないとはいえ、いちファンがお邪魔してよいものかと恐縮した。
しかし、どうやら同い年だし、小沢健二やGreat3など音楽の趣味もかなり共通しているし、だって作品中に出てくるオマージュされた元ネタもほとんど分かるし、昨年のベストワン映画に「わたしはロランス」を挙げてたのなんかスーパー同意だし!…つーので、樋口さん本人への興味を大量に抱えて、「絶対友達になれると思うんだよなあ!」と、イタイまでの思い入れを漲らせて、のこのこ会いに行ったのだった。

そんな馴れ馴れしいファンに対して、すごくジェントルに接してくださった樋口さん。
持参した著書に、丁寧にイラスト付きのサインも書いてくださった。
料理もたいへんに美味しい上品なワインバーで楽しい時間を共にすることができ、ほろ酔いになってくると、次々に面白い話を聞かせてくれ、思っていた通り、本人自体が魅力的な人物だった。ますますファンになった。
ご自身の作品に影響を与えてくれた小説や映画や音楽やプロレスなどについての愛が溢れているので、トークが自然と熱くなるのだが、目の前でセリフをスラスラと引用したり、場面を再現して伝えたりと、その記憶力の確かさにも驚いた。
やはり自ら発信される方が放つエネルギーはすごい。
すごくポジティブなヴァイヴスに触発されて、なんだか元気出た。
これがいい縁になって続いていくと嬉しいなあ。またお会いできる日を楽しみに待ってます。
さらば雑司ヶ谷 (新潮文庫)

さらば雑司ヶ谷 (新潮文庫)