「TOKYO TRIBE」



仕事帰りにレイトショーで「TOKYO TRIBE」を観た。
原作のコミックは読んだことがないのだが、まあ…園子温監督だし、ラップ・ミュージカルを試みたというし、全く独自の映画になっていることは予想された。
おそらく原作原理主義者すら、呆れ果てるようなとんでもない作品になっていることだろう。
しかしキャスティングが見事なので、コミックのテイストは十分に生かされているのだろうとも思った。
園子温監督の過剰性が大爆発!
むちゃくちゃ過ぎて、映画としての完成度がどうとか、脚本にツッコミどころが多いとか、そんなケチ付けるのもアホらしくなるほど。最高!

ラップのクオリティに関しては、正直もうちょっと音楽的に聞かせるものまで持って行けなかったかとも思ったが、いちおうストーリーに則って、リリックがセリフとしても機能しなければならないので、かなり頑張ったのだろう。
役者さんが教えてもらったラップを一生懸命披露するのは、かなり危うげなところもあったけど、それでも染谷将太君はキャラにあったクールなスタイルが様になっていたし、鈴木亮平君もあの顔と声の表現をしながら感情を載せてラップしつつ、さらにアクションまで見せるという凄技で魅了した。
でもやっぱり主人公の海役に、現役のプロのラッパーで、ここまで原作のイメージにピッタリのYOUNG DAISという人を見つけてこれたというのが、この作品の成功を決定付けた。
彼のラップはさすが。いい顔してるし役者としても今後大きく注目されるかもしれない。

公開前から噂になっていた、ヒロインのスンミ役の清野菜名さんのアクションは確かにすごい。こんな若くてきれいでアクションも出来て、しかも脱ぎっぷりもいいとなったら、これは園監督手放せないんじゃないだろうか。今後の作品でも重宝されそうだ。
それはヨン役の坂口茉琴さんについても同様で、少年のようなそのルックスと、アクロバティックなアクションで強い印象を残した彼女も、これから大活躍するだろう。
こんな逸材どこから発掘したのだろう?と驚いたが、園監督の前作「地獄でなぜ悪い」で主役の一人で、ラストアクションを見せた坂口拓さんの弟子なんだそうだ。まだ現役高校生だとか!
その他のくせ者揃いの役者陣も、みんなアクが強いがそれぞれに見せ場があって、ひと晩の出来事に集約したシンプルなストーリーなのに、もう内容てんこ盛りでお腹いっぱい。
相変わらずの狂気を発していた窪塚洋介氏や、もはやマンガの世界を飛び越えた竹内力氏の怪演、中川しょこたんの夢が叶ったブルース・リーアクション、ついには「アウト×デラックス」繋がりで縁が出来てしまったのか、サイボーグかおりというギリギリの飛び道具までぶちこまれたこの作品…まともに評する言葉が見当たらない。
ムチャクチャだけど、面白かった。
やっぱ園子温だなあ…と笑うしかない。

Tokyo Tribe-Original Movie Soundtrack-

Tokyo Tribe-Original Movie Soundtrack-

TOKYO TRIBE2  第1巻

TOKYO TRIBE2 第1巻