「凛子さんのビッグマウス。」

「粋な夜電波」第186回放送は、先週に引き続き、女優の菊地凛子さんがゲスト。
Rinbjöとしてのデビューアルバム「戒厳令」の試聴会も兼ねながら、制作秘話などさまざまなエピソードを語ってくれました。
1年間にわたる制作期間のうちに、凛子さんのことは何でもお見通しになった菊地先生。いろいろぶっちゃけるプロデューサーに照れまくりながらも、音楽活動への情熱を高ぶらせている凛子さん。
とても良い関係性の二人の様子が、トークから垣間見えます。
世界で活躍する国際派女優の自信が裏付けた、凛子さんから飛び出したビッグマウスについて語られた部分を文字起こししてみました。

戒厳令

戒厳令

成孔 まあ…さっきの、今日の1曲目の「MORNING」、それから今の「sTALKERs」聞くとわかりますけど…
凛子 うん。
成孔 まあ、やっぱりHIP-HOP史始まって以来のですね、まだ100年経ってない音楽ですけど…
凛子 はい。
成孔 HIP-HOPってのはまだ50年ちょっとの歴史しかない音楽ですが、そん中で初めて出た、舌が足らない(笑)…舌っ足らずのラッパーていうね。
凛子 (笑)。
成孔 「ついに出ました!」っていうね、感…大爆発ですよね。
凛子 (笑)。
成孔 これに関してね、まあ…お叱りの意見もございますでしょうし…
凛子 そうですね〜、ありますね〜。
成孔 「たまらん!」という人もいるでしょうし。そこら辺は信を問いたいですよね。
凛子 そうですね。
成孔 はい。「イブに発売予定の「戒厳令」。もうAmazonで予約しちゃっていいでしょうか?」…いいですよ〜。いくらでもしてください。
凛子 お願いしまーす。
成孔 「発売イベントなどありますか?」…まあ、ft.アイランド…フィーチャリングしたラッパー達は全員やる気ですから。
凛子 あ、ほんとに?
成孔 ギンギンになってるんで。
凛子 いや、いいですね〜。もう、ありがたいです。みなさん、豪華で。
成孔 もう、何て言うか…「ムービースターは俺が蹴散らしてやる!」っていう勢いで、「マイクで蹴散らしてやる!」の気概で来てます。
凛子 (笑)。
成孔 みんな若いですからね。
凛子 ね。
成孔 このアルバム、すごい若いの。
凛子 そう、みんな…だって、21〜2とか?
成孔 そうですね。ラッパーはみんな20代。
凛子 そうですよね。
成孔 ビートメイカーも半分は20代ですからね。
凛子 うーん。若い!…ツルツル!
成孔 ツルツルですよ。凛子さん、年下ばっかりですよね。
凛子 うん、ありがたい。
成孔 ある意味、妹であるべき凛子さんにアウェイな現場になってしまったんですけども。
凛子 うん。
成孔 そこでアウェイながらも、足掻いていただいたというか。
凛子 そうですね。意外と泳げました。
成孔 泳げましたよね。
凛子 うん。ツルツルっと。
成孔 そうですよね。結構…妹としての醍醐味満載の時間ってのもあるじゃないですか。
凛子 (笑)。
成孔 なんか…ジャケット(撮影)とかそうじゃないですか。
凛子 そうそうそう。まさに!
成孔 ジャケットは…ずっと(笑)…これもねえ〜、話がハイブロー過ぎっかな?
凛子 うん。
成孔 ずーっと、録音の現場…音楽のほうの現場では妹としてのキャラを解放出来ずに泳いでいただいたんで…
凛子 そう。はい。
成孔 もう最後のご褒美として、ジャケットはもう妹として、妹が好きなようにするっていう喜び全開を味わっていただいて…
凛子 もうね、全部成孔さんにわかられている感じ(笑)。
成孔 (笑)。
凛子 ほんとに、怖いんですよね〜。
成孔 怖くないですよ、全然。怖い男じゃないですよ。
凛子 そうですね。素直に出たところを、成孔さんがね…
成孔 そうそうそう。
凛子 拾っていただく…愛を感じますね、やっぱり。
成孔 ほんとに、愛そのものですよ。愛のために生きてますんで(笑)。
凛子 そうですよね(笑)。あったかい話になりましたね。クリスマスイブに向けての。
成孔 (笑)。…凛子さんがね、正直過ぎるんですよね。
凛子 (笑)。
成孔 全然あの…仕事柄、女優さんとかね…誰がなんとかって話じゃないですけど、仕事柄、女優さんともだいぶ会いましたし、モデルさんとも会いましたし…
凛子 はい。
成孔 まあ、それぞれ女優さんとかモデルさんとかやってられる方ってのは…
凛子 うん。
成孔 簡単に言うと、シンプルに穏やかな方ってのは一人もいないですよ。
凛子 (笑)。
成孔 全員、なんか抱えてるんですよね。
凛子 うん。
成孔 その出方の感じなんですけど、凛子さんが一番素直でボーイッシュだったんで…
凛子 (笑)。
成孔 すごい音楽に向いてると思いますよ。
凛子 まあ〜…嬉しい〜。もうね、音楽これからほんとにやっていきたいんでね〜。
成孔 はい。神楽坂で飲んでて、酔っ払ってね…凛子さんがね…
凛子 うん。
成孔 それも海外で活躍されてる方の、一種の…日本語で言うと聞こえ悪いですけど、大口っていうかビッグマウスっていうの?
凛子 ヤバい、ヤバい(笑)。
成孔 憶えてないと思うんですけど。
凛子 絶対憶えてないです。
成孔 「もうRinbjöはこれから世界中のクリエイターが欲しがるから!(笑)。
凛子 (笑)。
成孔 「もちろん、成孔さんもね!」って言われて(笑)。
凛子 (笑)。…もう、どうしよう〜。ほんとすいません。
成孔 あ、オレ、ワンノブゼム(one of them)なんだって思って(笑)。
凛子 違う、違う〜。うーん、わんわん(泣)。
成孔 1年間身を捧げてきたのに…
凛子 ほんとひどいですよね。
成孔 最後の日にワンノブゼムに降格されたんだ、オレ…って思って。
凛子 ほんとごめんなさい。
成孔 「言うわぁ〜!」って思ったんですけど。
凛子 もう〜。
成孔 いやいやいや、もちろんわかってますよ。そういう…本気でおっしゃってるわけじゃないというのはわかるんですけど…
凛子 もう、成孔さんのファンの方にも謝っておきます。ほんと申し訳ございません。
成孔 全然大丈夫ですよ(笑)。そういうのが都度都度出るんで、日本の社会だと、そういうの嫌われる…とこじゃないですか。
凛子 ほんと、そう。だから…嫌われちゃうの〜。
成孔 (笑)。…それって帰国子女が嫌われたりとか…
凛子 そうそう。
成孔 …あるのと同じですよね。
凛子 ほんと。
成孔 あのね…ワタシは凛子さんほどのインターナショナリストじゃないけど、あっちこっちで演奏したり…あるじゃないですか。
凛子 はい。
成孔 向こうで音楽…簡単なレクチャーやったこともあるし。
凛子 うん。
成孔 そうすると、全然違うの、とにかくね。
凛子 (笑)。
成孔 日本人はおとなしいし、奥ゆかしいし、優しいしね。日本人には「もっとオマエら、来いよ!」っていう感じ。で、外国人には「オマエら、静かにしろ!」っていう感じじゃないですか。
凛子 (笑)。
成孔 何やっても(笑)。
凛子 そうね。
成孔 だから、向こうが長い人は、そのノリで日本来ちゃうと、もうそれだけでイタイんですよね。
凛子 もうイタイ部類なんですよ。だけど、向こうって、何でも正直に…とかが好きじゃん、みんな。
成孔 好きですね。
凛子 正直に。HONEST…みたいな。
成孔 そうそう。そうですね。
凛子 そういうのがあるんで。
成孔 まあ、せっかくね…これも録音の途中でしたけど、ローマ映画祭までね…
凛子 うん。
成孔 ものすごい頑張って行ったのにね。
凛子 行った(笑)。
成孔 日本の地上波が抜いたのは、福士蒼汰さんの英語のスピーチだけでね。
凛子 (笑)。
成孔 凛子さん、行ったこともなんだか…あったんだか無かったんだか、わかんない。
凛子 うん、無かった(笑)。
成孔 あの不遇な(笑)…感じを、このアルバムでアップセットすべくですね…
凛子 (笑)。
成孔 音楽…「ステージに立ったらこんなに楽しかった!」っていうのを、思いっきり言っといたほうがいいですよ。
凛子 いや、ほんとにね…楽しかったんですよ〜。
(中略)
成孔 とはいえ、やっぱり…デカい音でライブやると相当きますよね。
凛子 もう…楽しい。これは続けて行く…もう、ほんと許される限り。
成孔 なるほど。
凛子 やり続けたいです。
成孔 はい、ワタシもSONYさんが許す限りは、続けますんで(笑)。
凛子 お願いします、成孔さん!…ほんと。
成孔 (笑)。
凛子 もう次の感じも考えていただいて…
成孔 もう考えてますよ。こないだメール送ったじゃないですか。
凛子 そうそう。あれカッコ良かったです〜。
成孔 カッコ良かったでしょ?
凛子 ね?…うん。
成孔 もう、ちゃんと考えてますからね(笑)。
凛子 そう。急に乗り気になっちゃってたんで、私。
成孔 これが例えば、地球上で500枚しか売れなくても!(笑)。
凛子 (笑)。

※文字起こしの「NAVERまとめ」あります。