「TABOOレーベルの2014年を振り返る。」

「粋な夜電波」第187回は、今年最後の放送。
TABOOレーベルから2014年にリリースされた作品を紹介しながら、今年1年を振り返るという回になりました。
自身の2つのバンドをフル稼働させ、1枚の完全新作を完成させ、楽曲提供を含むプロデュースを2組、しかもそのうちのひとつは音楽活動すらほぼ初めてという女優のアーティスト活動の立ち上げから関わるという難儀な仕事を通年並行させながら、結果的に5枚の作品をリリースするという、今年も尋常ではない仕事ぶりを発揮された菊地先生ですが、この勢いは2015年に入っても落ちるどころか、ますます加速しそうな感じです。
昨年デビュー作のプロデューサーとして関わった3組のアーティストを、TABOOレーベルにヘッドハントした時の裏話の部分を、こっそり文字起こししてみました。

LE KEMONO INTOXIQUE

LE KEMONO INTOXIQUE

シャーマン狩り

シャーマン狩り

あとはもう…今年は…[ものんくる]ですね。
えーと、1枚目が「戦前と戦後」。で、まあ…それに合わせた形で2枚目で「夜の歴史」っていう、ペペ・トルメント・アスカラール…おかげさまで来年は10周年記念コンサートを大々的にやらしていただくことになってまして、是非ご来場いただきたいんですが…ペペ・トルメント・アスカラールのベスト盤、というのがTABOOレーベルの2枚目。
で、もうすぐ3枚目が「cure jazz reunion」。で、4枚目が[ものんくる]ですよ。
まあ…[ものんくる]はね、まだまだいきますよ。今ガンガン、ライブなんかもね…ワタシは今んとこ、リリース後の[ものんくる]のライブ、全部行ってますけど。行ってるってのはゲスト出演したりもしてるんですけども。DJやったり歌唄ったりなんかしてね。
ま、どんどんバンドとして…やっぱり若いですから、成長曲線もすごくて。現状ですごいとこにもってきて、さらに上に昇ってますから、圧倒されるわね、嬉しいわで…ほんとに。
おかげさまで非常に盤の講評も良く、「南へ」というアルバム。
で、その前の前作の時はパッケージ作るだけで忙しくて、ワタシあんまり介入できなかったんですけども、「南へ」は全面的にガッツリ介入して、ミックスやアレンジも口出させていただいたんですけども。
去年の暮れにね…これは今でこそ時効って話ですけども、ものんくる]、[けもの]、小田朋美さんを、新宿のあるホテルの有名なバーに招集しまして。
その当時、彼らは全部、ワタシのプロデュースでファースト・アルバムを出したばっかりのアーティストで、「Airplane(エアプレーン))」ていう…ま、この番組で〈ソウルBAR〉をやる時に、ワタシが一人二役でやってる、あのバーテンの…「Yo-Yo-Yo!」ってアイツの…実在するんですけど(笑)…彼(ベーアー)が在籍、勤務してたレーベルから出てたんですね。
で、彼のもちろん合意の上で、彼もエアプレーン・レーベルを辞しましたので、自分で「APOLLO(SOUNDS)」っていうレーベルを今立ち上げてがんばってるんですけども。
で、小田さん、[けもの]、[ものんくる]…にバーで招集して、個室借りて…人に話聞かれないようにして、「実は来年、SONYで自分のレーベル立ち上げるので、みんなに来て欲しいんだけど…。」…あ、こんな言い方はしませんでしたよ。「みなさんに是非…もしよろしかったら、ワタシのレーベルでワタシのプロデュースで一緒に音楽を続けられたらと思うんですが…。」
要するに、そういう話ですよね。ヘッドハントです。
で、音楽家としての信頼関係は築いてますんで、やってはくれるだろうと思ったんですけど、やっぱりね…みんな1枚目のアルバムに全精力を注いじゃいますから。若さってのはそういうもんなんで。
そんなね…20代の新人がね、「ファースト・アルバムは、ま…このぐらいにして、とっとこうか〜。」とか余裕ぶっこいてたらダメですよね(笑)。
だから、全力で作っちゃったんで、来年もう2枚目を作りませんかって言われた時に、やっぱりみんなね…どんな才能があってもたじろぐの、すごく。
あの才能の塊の小田さんと、あのオーラとアーティストの輝きの塊の[けもの]の青羊さんが、二人で顔見合わせて不安な顔したんですからね。よっぽど不安だったんでしょうね。
2枚目が1枚目超え出来るかどうかってのが。
2枚目がメジャーから出て、1枚目よりショボかったってなったら、もうとにかく最悪じゃないですか。だから、2枚目は1枚目を超えなきゃいけない。だから、大変なプレッシャーだったと思うんですよ。
その時にね、へーもう…平気の平左って言葉が…落語から転じた言葉ですけども(笑)、平気の平左で、「誰からやる?」って、ま…こんな言い方もしませんでしたけど。「もし、自己申告あったら優先しますから、行けるって方、手挙げてください。」っつったら、角田君が平気で「あ、やります!」っつって。
角田君は1枚目に相当力入れたんですよ。出がらしになっててもおかしくないって状態だったのに、もう全然!…「これから、今から曲作って、絶対に世間の方もSONYの方も菊地さんも納得させられるアルバムを作りますんで。」って。
それを大した意気込みもなく、半笑いで言ったんですよね。で、「ヤバいな、コイツは!」って思って(笑)。
まだ角田君って23とかですよ、確か。だから、「オレの23だったら、あんなこと言えただろうか?」って思った時に、震えがきてですね(笑)。
そいで、「もうガッチリやろう!…角田君と沙良さんとは!」って思って、もうガッチリスタジオ入って。
で、まあそれでおかげさまで「南へ」という素晴らしいアルバムが出来まして。そっから1曲聞いていただきたいと思います。
ものんくる]…来年はツアーもありますし、ツアーファイナルで、実質上のリリースパーティも行いますので、[ものんくる]への応援お願いしますという感じなんですけども。
今日は、アルバムのタイトル曲ではなく、この番組でもオンエアしましたけども、ワタシが…[ものんくる]の世界は結構ガチンコなんで、「こういう感じの曲もやってもらいたいな。」っていう感じで、「EVE NO LUCKEY DAY」という…ま、アダムとイヴのイヴですね。イヴが「私にはもうラッキーな日はない。」っていうふうに思っているっていう歌なんですけども。こちらを聞いていただきたいと思います。
この曲はワタシの曲ですから、作風違います。[ものんくる]の他の曲も是非チェックしてみてください。素晴らしい作品世界が広がっています。

南へ

南へ

※文字起こしの「NAVERまとめ」あります。