「私的シネマランキング2014。」

今年はほんとに映画の当たり年だった。観る映画観る映画傑作続きで、振り返って順位を付けるにも付けられないぐらい。
「たまむすび」の町山智浩氏の解説と、ライムスター宇多丸氏の「ムービー・ウォッチメン」を聞いて参考にし、自分ならきっと好きそうだな〜という映画を選んで観に行っているので、ほとんとハズレが無いのは当然っちゃ当然だけども。
宇多丸氏の「シネマランキング2014」ともほとんどかぶるけど、今年はリスナーランキングともほとんどズレが無かったので、上位10作品ぐらいは突出していたということか。
新作公開を映画館に観に行ったのが28本。いちおう個人的な好き嫌いで順位を付けて並べてみた。
それぞれもう一度観たい映画は、2回目観た後だとまた順位変わってくるんだろうな〜と思ったり。


これは決して好きな作品とは言えないし、他の人にも薦めにくい。
けど、間違いなく、最も大きな衝撃を受けた作品。なので、あえてランキング外に置く。
これ観終わって1週間ぐらい、悪夢にうなされたもん、マジで。
でも観ておいて良かった。自分の価値観、善悪の判断に重い一石を投じられてしまった。


単純に好きな度合いで言ったら、やっぱぶっちぎり。
観てない人には全員に薦めたい。大人から子供までみんなが楽しめる、極上のエンターテインメント。
個人的には、サントラを聴き込んでから観たので、あの曲がどこでどう使われるのか?という期待に120%で応えてくれて最高。
オープニングでいきなり号泣しそうになり、「最高だ、最高過ぎる!」と身悶えしてしまった。


映画の完成度で言ったら、「ゴーン・ガール」の方が上なのだが、このゲス野郎に徹底したディカプリオの大熱演に、ものすごく元気をもらった。ひどい話なのに、なぜか痛快。


映画史に残る傑作になったんじゃないか。アカデミーなどの賞総なめの可能性もある。
ヒッチコックなど、過去の作品の引用も巧みだというのは、町山さんの「映画ムダ話」でのネタバレ有解説を聞いて知ったが、構成・演出など、最新作としての完成度の高さだけでなく、確かにこれは残る傑作だと思わせる深みと品の良さも感じる。
何度観返しても面白いだろうな〜。


Boyhood

Boyhood

予告映像とかも観ずに行ったので、カットが変わる毎に、メイソン君の成長ぶりにびっくり。
12年の歳月がぎゅっと凝縮された奇跡の一本。やっぱ実在感と説得力が違う。


「ムービー・ウォッチメン」の賽の目で当たらなかったので、意外に忘れられている良作。
今年前半は、「ウルフ・オブ・ウォールストリート」と「アメリカン・ハッスル」が年間ワンツーフィニッシュだと思っていた。その後、傑作が次々出てきて印象が薄れてしまったけれども。
クリスチャン・ベイルの役者魂には、毎回驚かされっぱなし。


モノクロの映像が記憶に焼き付いた。いくつかのシーンはこれから何度となく思い返されるだろう。
さりげないユーモアにグッとくる。


インターステラー (竹書房文庫)

インターステラー (竹書房文庫)

大仰な映画はあまり好きではないのだが、今作のノーランの大風呂敷にはすっかり巻かれてしまった。
力技に嫌悪感を感じないのは、宇宙にロマンを感じ、そこに人類の未来があると本気で信じる、監督の挟持に心撃たれるからだろう。


これも今年前半の傑作で印象が薄れているかもしれない。
実話ベースとは思えないほどのドラマティックな展開。どうやって撮影したのかと驚くほどの臨場感と迫力ある映像。
これぞ大スクリーンで観るべき作品。
言葉では語らない男同士の友情に説得力を持たせる二人の主演俳優の熱演にも感心しまくり。


リアリティのダンス

リアリティのダンス

ホドロフスキーという希有な存在について、完全に後追いでにわか知識を入れてから観たもんで、23年ぶりの新作ということのスゴさにはあまりピンときていないかもしれない。
ただ、一人の男の自伝として、かなり興味深いエピソードの数々だし、それを幻想的な映像でファンタジックに見せる演出にも魅了され、1本の映画として十分に楽しめた。


天才グザヴィエ・ドラン君の新作とあれば観ないわけにはいかない!と鼻息を荒くしてしまうほど彼のファンなのだが、この作品は、戯曲の映画化で自身の脚本でないということもあり、さすがに「わたしはロランス」を超える大傑作とまではいかなかった。
ナルシスティックなところが気に入らない人もいるかもしれないが、これはこれでドラン節全開という感じで、個人的には結構好きな作品。サイコ・サスペンスへの挑戦は新境地開拓ともいえる。

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千鶴さん、最高。

紙の月 (ハルキ文庫)

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りえさん、最高。

「ありがたみわかり機」で重力のありがたみを知ろうとしたら、とんでもないことになった?

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実は今年もマコノヒーの年だった!

ウェス・アンダーソン、オシャレ!

マッコールさん、最強!

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メラさん、最凶!

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いまだにチャン氏が神だということを飲み込めないでいます。

スノーピアサー [DVD]

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ポン・ジュノの新作ということで期待が高過ぎたか? 次作は韓国内作品で!

漂流もののシミュレーションとしてリアリティがあった。セリフがなくても退屈せずに観れた。

完成していたら世の中変わっていた「DUNE」について想像を巡らせるのも楽しかったが、ホドロフスキー本人の魅力にノックアウトされた。

重いテーマに誠実に向き合った名作。決して終わった過去の話ではなく、現在の自分とその環境についても考えさせられる。

サイモン・ペグとニック・フロストのコンビはとにかく最高。この二人であと100本映画作ってほしい。

GODZILLA ゴジラ[2014] DVD2枚組

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最後、錦鯉のようにスッと海に帰って行くゴジラが可愛かった。

食うことは生きることじゃ。

ドキュメントを超える風景美ってなかなかあるもんじゃない。

サード・パーソン [DVD]

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今年、明らかにハズレだったのは「GODZILLA」と「サード・パーソン」ぐらいだったな〜。
それでも観て損した!と思うほどではなかった。上映時間が長かったのと、思わせぶり演出にうんざりしたので、観終わった後の憤懣が最も大きかったのが「サード・パーソン」。
実は観落としているところや、理解が追い付いていないところもあるかもしれず、もう一度観たら印象変わるのかも。