「クリスマスに歌舞伎。」

「粋な夜電波」第189回放送は、フリースタイル。
ジュリー・ロンドンのシングル集『I'll Cry Tomorrow & Rarities』1枚から選曲するというシブイ内容…ですが、テレビを観ていた時の雑感や、レンタルビデオ屋で見かけた親子のエピソードなど、ゆるくも面白い話満載の1時間。
年が明けて1月ぐらいは、のんびりいきましょうよ…という、これもまた大人の嗜みか。
クリスマスに歌舞伎を観に行かれた時の、ちょっとしたエピソードの部分を文字起こししてみました。
この小咄、自己紹介の途中に挿んでます(笑)。

I'll Cry Tomorrow & Rarities

I'll Cry Tomorrow & Rarities

はい、「菊地成孔の粋な夜電波」。
え〜…ジャズミュージシャン、そしてですね…ま、昨年のクリスマス…には、歌舞伎座で歌舞伎を観てたんですけども、ま…「クリスマスに歌舞伎なんて、乙だね〜、リア充〜!」…(笑)。リア充〜!」とかって、人が口に出して言うのかどうか、よくわかりませんけども。あの…言われかねない感じですけど(笑)。
実際はその…そんな格好のいいもんではございませんで、歌舞伎は今、チケット取れませんから…11月中旬の段階で、チケットの状況見たら、「12月25日だけ、1枚取れますよ。」という…(笑)、もう、とんでもない状況ですね。
田中康夫先生がこの番組にいらっしゃった時に、1時間話したわけですけども、そのうち59分40秒ぐらいは、どっかで聞いた話(笑)…すでに、康夫ちゃんファンとしてはですね、もう何度か聞いた話ばっかりだったんですけど。
本当にフレッシュな、「さすが田中先生!」っていう金言があって、それは、何の衒いも無く、松竹…という会社の名前を言う時に、「あ、歌舞伎の松竹ね。」って言った(笑)…あれは、さすが千両!と思いましたけども。
ま、それはともかく、今、歌舞伎は非常に人気がございまして。
特に12月大歌舞伎は、成田屋さんが…海老蔵君ですね、…が…歌舞伎の話止めましょうか。長くなっちゃうんでね。
まあ、海老蔵君が、自分でこう…歌舞伎ってのはスピンオフが多いんですけど、スピンオフでバラバラになった、スピンオフってのは長い大きな物語の挿話ね。難しい言葉で言うと、「アネクドート」なんて言いますけども。
挿話がこう…独立して、歌舞伎十八番とかの…要するに名演の…演目の中に入ったりするんですけど、それをもう一回、3つの演目を一つにまとめた、一人五役のですね、大芝居ってのを観に行って。
ま、それはともかく、歌舞伎の話、全部端折りますけど、まだ自己紹介の途中でしたが、ワタクシ…ジャズミュージシャンですが、昨年のクリスマスはそういうわけで、チケットがその日しか無いという…さすがの歌舞伎もクリスマスには1枚余りが出るんだなって…。
これは考えてみれば、いろんな興行や芸能に関するプロダクツが売れなくなってる現在、もの凄い事だと思うんですけどね。アイドルと並んで、凄い勢いですが。
ま、そんな歌舞伎座でですね、中国からの富裕層の方がたくさん見えておりまして、ま…ワタクシ、新宿に住んでおります新宿者…もう12年目になりますけども、新宿の…しかも伊勢丹中心世界に生きている男ですので(笑)、日常的に中国人富裕層の方とのふれあいは多いんですけどね。
ただまあ…銀座も縄張りでして、銀座・新宿が専門なんで、自分では「銀宿系」なんつってるんですけど。
で、まあ…歌舞伎座なんかに行っても、だいぶ増えましたね、ほんとにね。
で、歌舞伎座ってのは、お土産屋さんや食堂である側面も兼ね備えているんですよね、あれね。銀座の歌舞伎座の話ですよ。あの…いろいろ演芸場…歌舞伎役者さんが出る小屋はいっぱいあるわけですけども、ワタシは銀座の歌舞伎座専門で。
で、まあ…お土産がいっぱい売っている、例えばこれが伊勢丹だと、もう店員さんが北京語・広東語・韓国語…3ついけちゃうなんていう方も、だいぶ増えてるんですけども、歌舞伎座の対応はね、さすがにまだそこまでいっておりませんで。さすが歌舞伎座っていうところもあるんですけどね。
中国語ダメっつんで、英語で会話されてまして。
で、日本人…ま、当たり前ですけど、日本人が(笑)…歌舞伎座で英語で買い物してたら、ちょっと面白い人ですけどね。ルー大柴さんになっちゃいますけど(笑)。ま、日本人じゃないんで、英語で買い物すんだけど。
お土産屋さんで、「プリーズ、ビッグワン。ボックシーズ!」…ね。要するに「大きい方の箱を幾つかくれ。」って意味でしょうね、これきっとね。…が聞こえてきたんですよ。「プリーズ、ビッグワン。ボックシーズ。…トゥー・ボクシーズ!」かなんか言ったの。
いったい何の箱かな?と思って。いろんな都市伝説があるじゃないですか…都市伝説じゃねえな、あれ、ホントの話だな…耳かきが非常に貴重だからね、耳かきを山ほど買って行かれるとか、あるいは抹茶が大変な人気で…「松っちゃん」じゃないですよ、抹茶が大変な人気で(笑)。
ま、これ、今年(笑)…「民は…」っつって「奥田民生さんじゃありませんよ。」ってのが、去年で使えなくなりましたから、今年から「抹茶が人気で…松っちゃんじゃありませんよ。」っていうのを、使おうかな、どうしようかなっていうね。ま、いずれにせよ、吉本さんとの…ね。
まあ、今、歌舞伎の話をしてる中で、吉本さんの話をチラッと出すという…松竹芸能、吉本…今はなんだ?「よしもとクリエイティブ・エージェンシー」でしたっけ?…この二つがね、日本語における第二公用語大阪弁にしていくサーガっていうね、大河物語があるわけで、いつか本に書こうと思ってますけども。
…なかなかオチに行きませんよね。
「ビッグワン、ボックシーズ」が何だったか?っていって…ワタシは期待しながら(笑)、ジッと見るわけにもいかず、横目でチラ見して、ほぼ背中で見ていたんですけど、店員が運んで来たのは、心臓に効く、あの「救心」でした(笑)。
歌舞伎座で…あの「救心」は、いろんなね、醤油屋さんとかと並んで…ワタシ、相撲と歌舞伎が好きなんで、相撲と歌舞伎にどの企業がお金出してるかって事について熟知してるんですけど(笑)。
ヒゲタ醤油」と並んで、「救心」は、歌舞伎にお金払ってます。…ので、当然これは、お薬屋さんでも買えますけども、歌舞伎座でも「救心」は買えるわけなんですよね。ちょっと安かったりするのかしら?
ま、とにかく…「プリーズ、ビッグワン。トゥー・ボクシーズ!」っていうのが、「救心」のデカい箱持って、着物の方がね…「お待ちどうさまでした!」って「救心」持って来た…ってのが、去年の暮れのワタシの…何て言うか、心温まる風景だった、菊地成孔TBSラジオをキーステーションに全国にお送りしております。
本日はですね、先週までの放送を聞いていただければ分かると思いますが、本日が今年最初の収録でございまして(笑)、「明けましておめでとうございます。」と、改めて「リアル・明けましておめでとうございます」が、今日、炸裂しまして、番組の方にも、たくさんの年賀状…そして年始のお便り…ね、メールをいただきまして、ありがたい限りでございますが。
まあ、そのほとんどが、「やめないでください!」という(笑)。
今、見事な…「シンクロナイズド・スイミングのチームですか?」っていうぐらいの、見事な呼吸で、ヤジマ君と戸波Dが天を仰ぎましたけどね。同じポーズでね。
北京オリンピック以来の感動ですね、これね、やっぱね。ピタッと一緒に上を見たっていう…上を見て笑ったっていうね。あれがあたかも、水面から顔を出したシンクロナイズド・スイマーの方みたいなね。
え〜…そんな、やめませんよ〜。何か変なこと言いましたっけ?
先週何か言いましたね(笑)。自分からね…「フラれる前にオレからフッてやる!」って(笑)。
そうすると、意外と、肩叩こうと思ってた人と円満に行くんだっていう、ずいぶん大人な話をね…させていただいたんで、戦々恐々としている方もいらっしゃるようですけど。
そんな…肩叩かれるまでは働く…昭和の企業戦士のようにですね、クビになるまでは頑張ろうと思ってますけども。
とはいえ、前回が、番組を通して1曲だけ(笑)。そして、今回が番組を通してCD1枚だけっていうね。
どんなにゆっくりゆっくり試運転してくんだ!って話なんですけど。

ライブ・アット・ニューラテンクォーター

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【第2類医薬品】救心 310粒 ×2

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