「ポストモダン・アルゼンチンタンゴの決定版。」

「粋な夜電波」第275回はフリースタイル。
番組の最後に、身内の不幸があったばかりの今の心境を語られてシリアスなムードにもなりましたが、いつも通りの楽しい話と最高の音楽を紹介する回でした。秋以降の番組の継続も決定し、嬉しい限りです。
ディエゴ・スキッシの新作を絶賛とともに紹介された部分を文字起こししてみました。

ティンバ

ティンバ

  • アーティスト: ディエゴ・スキッシ・キンテート,DIEGO SCHISSI QUINTETO
  • 出版社/メーカー: UNIMUSIC
  • 発売日: 2016/07/13
  • メディア: CD
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まあ、どっちかっていうと今の話は…大阪の話ですね。
あの〜…来たる…これ、番組の最初のブロックで告知するのって、すごい珍しいんですけど、ま…せっかくのフリースタイルですから、珍しくてもいいかって感じなんだけど。
えーとね…6日ですね、9月の。大阪で…ま、詳しい事は検索して下さい(笑)。
大西順子さんと菊地成孔さんのタンデム…タンデムというのは双頭…二つの頭と書きますが…双頭セクステットっつって、大西順子さんのジャパニーズトリオと、ワタシのダブセプテットからホーン…ワタシと駒野逸美ちゃんと類家心平君。で、類家心平君がこの日仕事で出れないので、大阪で結構ブイブイ言わしてる名トランぺッターの方がいて、その方に合流してもらって、大西さんのナンバーとワタシのナンバーと、チャールズ・ミンガスのナンバーと、えーっと…あれですよ、名前ど忘れしちゃった。ま、ま、いいや。
…あ、そうそうそう(笑)。今サブから「ジョージ・ラッセル?」って、信じがたいツッコミが入りましたけども(笑)。ジョージ・ラッセルですね…の曲しか演らない。要するに、アルバム「Tea Times」のレコ発ではない、というライブをやります。
というのは、アルバム「Tea Times」のレコ発の日程が決まりまして。これはまだ言っちゃいけないのかな、言ってもいいのかな?…ま、10月ですよ。10月にあるんですね。
それが…ま、何てことはない…「何てことはない」って言っちゃいけないな(笑)…当然至極の如く「ジャズの歌舞伎座」、ブルーノート東京青山で3日間にわたって行われますので、これに関する情報に関しては後ほどという感じで。直前になったら大西さんに来てもらおうかな…と思いますが。
なにせ演奏で大阪に行くのが久しぶりということで。
内容はともかく、大西さんと、前の日も次の日もせっかくだからっつんで、新譜の販促のためのキャンペーンとかやったりすると思いますし、終わった後サイン会とかも、大西さんと二人でさせていただく予定ですので。関西方面の方で、なかなかライブに…「東京でばっか、あなたライブやってるので、ライブが聞けないわ。」っていう方は…「聞けへんわ。」って言うんですかね(笑)。よくわかりませんけど。
大阪弁は…UA大阪弁しか知らないんで、ワタシ(笑)。あれが大阪弁なのかどうかもよくわかんないですけどね(笑)。
「去ねさらします〜。」とか言いながら帰りますね、UAは。
ま、それはともかく(笑)…そんな事もありますので、久しぶりで大阪でライブやりますので是非お越し下さい。


はい、次の曲いきましょうか。
ディエゴ・スキッシの新譜がヤバいです。
この番組のある程度の階級の方ならば御存知だと思いますが。Diego Schissi Quinteto…「キンテート」は英語で言うと「クインテット」=五重奏団ですね、日本語で言うとね。5人で演奏しているわけですけども。
簡単に言うと、ポストモダンアルゼンチンタンゴの覇者ですね、ディエゴ・スキッシはね。
もう活動歴長いですけども、ディエゴ・スキッシの日本でのブレイクスルーから、ずーっとこの番組は追い掛けてますので。
最新譜が出ました。これはほんっとに素晴らしいです。決定的じゃないですかね。
ワタシはまあ…勝手に、こう…ラテンミュージックをポストモダン化させていくというミュージシャンシップの中で、自らがやっております「ペペ・トルメント・アスカラール」という楽団の活動をやりながら、ディエゴ・スキッシを始めとしたポストモダン中南米音楽のグループには目を光らせているつもりですが、今回は本当に「やられた!」という感じですね。
是非アルバムのほうもチェックしていただきたい…というか、今、ワールドミュージックというのはタコツボ化してますから、むしろこういう物に興味なくて初めて名前聞くっていう方で「やられた!」って思った方に手を出していただきたい…っていうのが、この番組の狙いですよね。もうすでにディエゴ・スキッシをチェックしてる人は、これ買って「すげえ、すげえ!」って言ってるに違いないですから。
はい、ではディエゴ・スキッシ・キンテートで、最新作より1曲目を聞いていただきましょう。大変な素晴らしいサウンドです。「Pelea 82」という曲です。
(曲)

はい。もう一回申し上げます。Diego Schissi Quintetoで、アルバム「TIMBA」より1曲目の「Pelea 82」という曲ですね。「はちじゅうに」は日本語ですけどね(笑)。はい。
まー、やっぱ凄いですね。とうとうディエゴ・スキッシ…というか、まあ…そうですね、同時多発的なんですけど、ディエゴ・スキッシも…と言いましょうか。
ノイズとノイズじゃない音っていうのを、アコースティック・オルケスタで混ぜて使う…という時代に入りましたね。
普通の楽器は演奏するけど、脇にノイズ出す機械がいてピーとか言ってるってのは、もう20世紀の話ですから。アコースティック楽器でノイズ出して、ノイズじゃない譜面に書ける楽音出して…っていうのが、ガッツリ混じってて、それがこう…押しては引き、引いては押しっていうふうになるのがね、ワタシこれから来ると思ってたんですけど。
このクオリティがね、この曲がいいだけじゃないですから。このクオリティがほぼ全曲にわたって…14曲入りなので。是非このアルバムはチェックしていただきたいと思いますね。
はい。


そうですね…こないだ骨董通りを(笑)…青山に「骨董通り」ってのがあるんですよね。で、ブルーノートに向かってく通りなんで、まあまあ…よく通るんですけども。
女性2人…別にギャルとかじゃないんですよ、「ポケモンGO」をやりながら…もう「ポケモンGO」ブームってのも下火になってきたのかな?…よくわかりませんけど。ま、ワタシの観測定点では…新宿御苑では下火になってきたんで。全国的に下火になったかどうかは知りませんけども、そん時はまだ「ポケモンGO」流行ってまして。
信号待ちの所でね、骨董通り骨董通りって言うけど…。」…あ、女子2人ね、「ポケモンGO」やりながら…骨董通り骨董通りって言うけど、骨董屋無いよね?」って言ってて(笑)。
ま、心の中で「昔、いっぱいあったから『骨董通り』って名前になってる…っていう想像力が無いのかな?」って思いながら聞いてたんですけど(笑)。
「ひとつも無いよねえ。」とか言って。「うん、そうだね、無いよねえ。」って言ったら、一人が…
骨董通りに今…悲しむべきというか現代的なことと言いましょうか、「コメ兵」があるんですけども。
「あっ、『コメ兵』のことだ!」っていう事で、2人で納得して…青になってね、信号が。
で、納得したわ青になったわで、意気揚々と「ポケモンGO」をいじりながら、骨董品屋っていうことを「コメ兵」と…。
「コメ兵」は質屋なんですけども(笑)。
そんなことを青山の辺りでね、見ている菊地成孔がお送りしておりますけども(笑)。

Xl Middleton & Eddy Funkster

Xl Middleton & Eddy Funkster

ALEKE [Analog]

ALEKE [Analog]

(※追記:「見慣れない服を着た君」、そして「雨のハイウェイ」が、こんなにも違う意味に捉えられ…目から鱗の時、音楽の魔法に再びかかった瞬間でもありました。「輝いた季節は君の瞳に何を映すのか」…故人に思いを馳せる言葉として、こんなに愛の込もった言葉はなかなかないと思いました。)