「カラオケの時の沙良さんとベーアー。」

「粋な夜電波」第282回放送はスペシャルウィーク。マンスリー・ガールフレンドとして月1ゲストにも来てくれている〈ものんくる〉の吉田沙良さんが、聴取率調査で数字を取りに取りにいくスペシャルウィークにも登場。
女性ヴォーカル限定で菊地さんと沙良さんが名曲ジャンケン?
その際に語られた、みんなでカラオケに行った時のエピソードの部分を文字起こししてみました。

菊地 はい。行きましょう、スペシャルウィーク
沙良 はい。
菊地 え〜…今、相当な緊張感にスタジオが包まれておりまして。本日はですね…要らぬ緊張感ですね、これは(笑)。
沙良 すごい。
菊地 菊地成孔の粋な夜電波」シーズン12、ジャズミュージシャンの菊地成孔TBSラジオをキーステーションに全国にお送りしておりまして、今週はマンスリー・ガールフレンド、〈ものんくる〉のヴォーカリスト吉田沙良さんをお迎えしての「J-POP限定 女性ヴォーカル品評会」ということなんですけど…。
沙良 はい。
菊地 これは事前に…何で緊張感が漂っているかというと、まだクローズカードで、何を抜くかお互いわからないという状態で抜いていくっていうことですよね。
沙良 はい。
菊地 で、まあ…あんまり普段、J-POPの女性ヴォーカルの話をした…つーか、そもそも普段音楽の話したりしないですけど。ていうか、普段…何もしてないですけど。
沙良 (笑)。
菊地 「吉田さんだったら、これを持ってくるのかな?」とかね。
沙良 うん。
菊地 「菊地さんだったら、これを持ってくるのかな?」…こう、ね。牽制関係っていうんですかね。あと、予想もありますよね。
沙良 はい。
菊地 僕、「吉田さんだったら、これを持ってくるんじゃないかな?」っていうの、いちおうあります。
沙良 ふんふんふん。
菊地 あの…前も番組で話しましたけど、一回…大晦日かなんかにみんなで、小田朋美さんなんかも一緒に、ベーアー…「ソウルBAR」のベーアーも一緒に…
沙良 うんうん。カラオケ!
菊地 カラオケ…行った時に、まず着席して、誰が何歌うって…
沙良 はい。
菊地 カラオケってさぁ、すごい迷うじゃないですか。
沙良 はい、はい。
菊地 で、もう座るなり、吉田さん全然迷わずに「はーい!あたし最初に歌いまーす!」っつって(笑)。
沙良 えーっ…そうでしたっけ?
菊地 そうだった。あん時ね、沙良さんのあまりの速さにみんなビックリしたんですよ。
沙良 ウソ〜!…そうですか?
菊地 ほんと。みんな、「さあ…」…ま、僕とベーアーは男性ですし…あん時ね、ICIもいたの、たしか。
沙良 そうでしたっけ?
菊地 ICIがいたかいなかったか忘れたんだけど。いずれにせよ…ICIって市川愛さんね。
沙良 市川さん、いなかったと思う。
菊地 いなかったか。そいで…歌上手が集まってたんで、「これは結構…女子ヴォーカル、マウンティングとかなるの?」とか思って、オレもドキドキしてたんですよね。
沙良 (笑)。
菊地 そしたら、沙良さんがすごく楽しそうに…カラオケボックスに座って(笑)。
沙良 えっ…何歌いましたっけ、ONE OK ROCKとかでしたっけ。
菊地 違います、あれです。えーと、ドリカムの…
沙良 そんな…ガチなものを、最初から(笑)。
菊地 うん。ドリカムの…何て曲だっけな。
沙良 ドリカムの?
菊地 自分だったら何歌う?
沙良 ドリカム…何歌うかな。「LOVE LOVE LOVE」じゃないな。
菊地 違います、違います。比較的もっとグルーヴィーでね…難しいやつ。
沙良 「♪雨だって〜、晴れだって〜」
菊地 あ、それ。
沙良 それ?…あ、ほんとですか。
菊地 それをね、あっという間に選んで、みんなが飲み物をストローとかコースターとかを準備してる間に、もうイントロが始まったんですよ。
沙良 いやいやいや、盛ってますよ。菊地さん、それ。
菊地 盛ってない、盛ってない。
沙良 えー、ほんとですかー。
菊地 うん。「コースターを準備してる…」は盛ってるけど。いずれにせよ、「じゃあ、誰から行く?」とかいうの何にもなかったの。
沙良 ほー。
菊地 そいで沙良さんが「じゃあ、あたしこれで。」っつって、いきなり歌ったんですよ。
沙良 いやー…すごいな〜。
菊地 そしたら、すんげえ上手さでビックリして、みんな。あん時、カラオケのほら…カラオケって中継?…何っつったらいいの…
沙良 採点?
菊地 そうそう。採点プラス通信みたいなのがあって、おんなじ…
沙良 あ、全国で…何位か。
菊地 全国で何位って出るじゃない。
沙良 はいはい。
菊地 そん時ね、沙良さんが歌い終わったら96点か98点か出て、一瞬全国で1位になったの(笑)。
沙良 そうでしたっけ!
菊地 だって、オレ…あまりの事に、写真撮ったんだもん。デジカメで、画面を。
沙良 えー。でも小田さんも、1曲目で1位とって…100点取ってましたね、小田さん。
菊地 そうそう、あん時の小田さんのね…(笑)。
沙良 (笑)。
菊地 あんまりこんなこと番組で煽っちゃいけないんだけど。あん時の…無駄な煽りになっちゃいけないですけど、あん時の小田さんの暗い眼は忘れられなかったです(笑)。
沙良 暗い眼(笑)。そうですかー。いや、100点はあたし出した事ないですもん、逆に。
菊地 ですよね。あれはね、すぐ100点出したんじゃなくて。「頑張って、100点出すんだ!」って会になったの。
沙良 そうでしたっけ(笑)。
菊地 そう。わかった!…沙良さんが96点で1位になって…
沙良 なんでこんなに記憶が無いんだ…。
菊地 その後、小田さんが負けじと歌って。椎名林檎歌って。
沙良 うんうんうん。
菊地 そいで98点にしたのよ。
沙良 はい。
菊地 だけど、変なもんですね、あれ。96点で1位になったのに、98点だったら12位だったの。
沙良 ほう、ほう。
菊地 で、「これはヤバい!」っつって。何だ…あの時、すでに1軒目でみんなベロンベロンに酔っ払ってたじゃないですか。
沙良 はい。
菊地 で、「とにかく100点を出すまでは帰れない!」って事になって(笑)。
沙良 (笑)。
菊地 みんながトライ&エラーを繰り返して。
沙良 はい。
菊地 もうワタシとベーアーは早々とリタイアして。最後の最後に小田さんが100点出したんですよね。
沙良 そうか。最後でしたね。100点出て「すごい!」ってなって。
菊地 で、「これでもう帰れる!」ってなったら朝だった、という。
沙良 でも、その次に最後にベーアーさんが締めませんでしたっけ?
菊地 締めた。それを聞いて…それ聞いて吉田さんが泣いたんですよね(笑)。
沙良 そこだけは憶えてますね。何を歌ったのかは憶えてないんですけど。
菊地 岡村靖幸です。
沙良 ああ、そっか〜。
菊地 うん。あいつね…あいつ(笑)…
沙良 最高でしたね、ベーアーさん。
菊地 あいつ、自分が…ベーアーって、この番組をお聞きの方は、架空のキャラクターだと思ってるかもしれないですけど、いるんですよね、本物が。
沙良 本物がいます(笑)。
菊地 で、モノマネしてんの、僕が。その本人はね、あいつねえ…自分がGLAYのTERUさんに似てると思ってるんですよね。
沙良 ええっ!
菊地 ルックスが(笑)。あいつ結構なナルシシストで、自分の顔がGLAYのTERUさんに似てると思ってるうえに、大学のサークル時代にヴォーカルやってたんですよ、バンドで。
沙良 ええっ!…初耳です。そうなんですね。
菊地 そう。ピアノ弾きながら。
沙良 ええ〜、ほう。
菊地 その時のレパートリーを歌ったの。
沙良 はあ〜〜。
菊地 そしたら、沙良さんが泣いたの(笑)。
沙良 いや、あれはほんとに…
菊地 「心が洗われる!」っつって(笑)。泣いたのよ!
沙良 なんか…歌ってこういうもんだったなって、思い出させてもらって。
菊地 ああ、そうですよね。曲名…ちょっとわかんないんだけど。
沙良 何でしたっけね〜。すごい良かったんですよ。
菊地 良かったですよね。
沙良 ねえ〜、歌ってほしいですね、また。
菊地 また歌ってほしいですよね。あの時の、「沙良さんが泣いた!」ってのが、しばらくニュースになってて(笑)…俺たちの中で。
沙良 いやいやいや(笑)。
菊地 ま、そんなこんなで…その日もずいぶんいろんな人…平原綾香さんとかね。
沙良 ああ、はい。
菊地 みんな歌ったじゃないですか。
沙良 はい、歌いましたね。
菊地 僕なんかほら、年齢的に松田聖子さんとか薬師丸さんとか…ま、のちに自分のバンドでカバーしたりする曲ばっかりで、なんかガツガツしてたんですけど。まあ、そういうのもあって、今日は事前に「じゃ、吉田さん何持って来ますね?」とか、全然打ち合わせてないじゃないですか。
沙良 はい。
菊地 で、今クローズカードで、ワタシは今1曲目で辺見マリさん抜きましたけど、これはJ-POPではないですから、昭和歌謡なんで。
沙良 うん。
菊地 これは…なんでしょうね、前座ということで。辺見マリさん前座にしちゃいけないですけど。1枚目ということで。
沙良 はい。
菊地 なかなかな緊張感が走ってるんですよね。「二人ともまったく同じ曲を持って来たらどうしよう。」ってなりますよね。
沙良 そうですね。
菊地 この場合、2曲プレイします。
沙良 おお!2回…
菊地 あ、2回プレイします、1時間の中で(笑)。どっちも持って来たってことでね。
沙良 はい。
菊地 で、全曲…この番組4曲なんで今日4曲ですけど、全曲同じ人だった場合…この場合もプレイします。とにかくいかなる例外的なアクシデントが起こっても、持って来たものをプレイします。
沙良 公平ですね。
菊地 はい、公平に。というわけで、吉田沙良さんの1曲目は何でしょうか。
沙良 はい。椎名林檎さんで…
菊地 ドキューン!(笑)
沙良 椎名林檎さんの「平成風俗」っていうアルバムから1曲お届けしたいんですが。
菊地 はい。何曲目でしょうか。
沙良 12曲目ですね。
菊地 はい。まあ…じゃ、解説や椎名林檎さんに関するお話などは、曲を聞いてから、ゆっくり伺わせていただくということで。
沙良 はい。
菊地 じゃ、曲紹介をお願いします。
沙良 「夢のあと」。

平成風俗

平成風俗