「大儀見さん、登場!」

「粋な夜電波」第281回放送は、菊地先生の盟友、大儀見元氏をゲストに迎えての放送。大儀見さんがリーダーを務めるバンド「サルサ・スウィンゴサ」の新譜を紹介されました。
長い付き合いということもあって打ち解けた雰囲気の中、様々な思い出話なども語られましたが、ミュージシャンとしてお互いをリスペクトし合っている、いい関係性が垣間見えました。
番組冒頭の大儀見さんを紹介された部分を文字起こししてみました。

Cantando

Cantando

菊地 はい、どうも。「菊地成孔の粋な夜電波」。ジャズミュージシャンの菊地成孔TBSラジオをキーステーションに全国にお送りしております。え〜…今宵はですね、ワタシの盟友…つーか、まあ…日本を代表するパーカッショニストと言って…ま、世界を代表するパーカッショニストかもしれないですね(笑)。はい、ワタシ今バンド3つ動かしてるんですけど、そのうち2つのバンドにメンバーとして入ってくださってもおります。テレビなんか観てても、知らない間に顔見てるっていう方も多いと思います。パーカッショニストの大儀見元氏がゲストでございます。よろしくお願いします。
大儀見 はい、よろしくお願いします〜。
菊地 はい。どのぐらいになるかね?…出会って(笑)。
大儀見 おわ〜っと!…長い。20年…超えてるんじゃないですかねえ。
菊地 20年…ゆうに超えてるよね。
大儀見 超えてますねえ。
菊地 30年近いでしょ。下手したらね。
大儀見 そうっすね。ええ。
菊地 なんか…(笑)…ずっと一緒にバンドやってるんで、あらためて二人で喋るってのは、ちょっと照れくさいところありますけどね。
大儀見 (笑)。
菊地 いろいろあったよね、やっぱね。30年もやってると。
大儀見 そうですね。そもそも…ティポグラフィカの頃…
菊地 ああ、そうね。
大儀見 ですかね。
菊地 そうそう。ティポグラフィカの後期…が一緒だったけど。でも、その前に…一番最初に会ったのはあれだよね。
大儀見 デ・ラ・ルス。
菊地 デ・ラ・ルスのライブにサックスが…っつって。
大儀見 ああ〜。マンボを演りたいっつって、サックスセクションの中にいた…という。
菊地 そうそうそう。オルケスタ・デ・ラ・ルスですね。それだよね。
大儀見 それが最初。
菊地 その日オレは…山台から落ちて、足怪我したんだよ(笑)。
大儀見 それ俺…バタバタしてて、全然知らずに終わったっていう。なんか申し訳ない。
菊地 いやいや、とんでもない。それで…これ医者行って「これ、労保下りますか?」とか言ったの憶えてるけどね(笑)。
大儀見 (笑)。
菊地 それから、もっと一緒に演るようになって…
大儀見 そうですね。
菊地 ああ、そうそうそう。今はワタシ個人と大儀見の話ばっかりしましたけど、ワタシだけじゃなくて…そうですね、一番…何だろ?お茶の間で…ドリカム?
大儀見 やってましたね。もうここ何年かはちょっとやってないですけど。6〜7年前までは、ほぼ…ツアーいちいち呼んでいただいて。
菊地 いましたよね。
大儀見 ええ。
菊地 相当長くやってましたよね。
大儀見 やってました。
菊地 後は…そうだな、矢沢永吉さん
大儀見 矢沢永吉さん!…矢沢さんはついこないだ…あの…スタジオお持ちじゃないですか。
菊地 はい。
大儀見 それで、別件でリハーサルをしてたら、「おう、元さん!」っつって(笑)。
菊地 (笑)。
大儀見 「元気そうで!」なんて言って、いまだに憶えてくれて。そうですね、彼もやりましたね。
菊地 やったよね。矢沢永吉さんって、どんな人ですか?」って聞かれるでしょ、みんなから。
大儀見 聞かれますね。
菊地 でも答えられないでしょ。
大儀見 いや、でもね、あのまんまでしたよ。
菊地 あのまんま。
大儀見 一番印象的だったのは、ほんと最初のリハーサルの時に、白いジャージ姿で上から入って来て…もう開口一番、「オッケー、じゃ…フロム・ザ・トップ、ヨロシク!」って言ったっていう…。
菊地 (笑)。
大儀見 これはビックリしました(笑)。
菊地 驚くと同時に納得するっていう。言いそうなことだって。
大儀見 そうです、そうです。
菊地 なるほど。後もう…キラ星の如く、オーバーグラウンダーからアンダーグラウンダーまでね。ミクスチャーの…いろんなクラブでやってるミクスチャーの音楽から、お茶の間対応…沢田研二さんとかも。
大儀見 やりましたね。これはデ・ラ・ルスを辞めてすぐの時だったんですけれど。やっぱ結構ドキドキしました。彼のドーナツ盤なんかを、僕持って聞いてましたからね。「勝手にしやがれ」とか…
菊地 勝手にしやがれ」とかね。「アナタに今夜はワインを振りかけ…」(笑)。
大儀見 それを聞いて盛り上がってましたから。いや〜、もう半ばお客さん気分で、「うわ、本物だ!」みたいな…
菊地 「本物だ!」みたいなね。
大儀見 いや、でもすごいアーティストとしては…ぶれない方でしたね。
菊地 他にも「誰と演った」って指折り数えてると、もう切りないぐらいなんですけども。ま…とはいえ、今日来てくれたのは…
大儀見 はい。
菊地 大儀見が…もう何年目?スウィンゴサ…
大儀見 スウィンゴサ…20年超えてますね。
菊地 スウィンゴサ自体がもう20年超えてるんだ(笑)。
大儀見 超えましたね。
菊地 なるほど。で、アルバム…新譜が出たのね。
大儀見 はい。4作目になりますね。
菊地 20年で4作…なるほど。亀の歩みではありますが。
大儀見 (笑)。これ9年ぶりですね。今回のが。
菊地 なるほど。9年ぶり!
大儀見 9年ぶり。
菊地 SALSA SWINGOZAサルサ・スウィンゴサ)」ですね。
大儀見 はい。
菊地 これは…お茶の間の皆さんに、名前の由来を説明していただけますか。
大儀見 由来…サルサ、これは音楽のサルサなんですけど。スウィンゴサ…これは英語の「swing」、要するに音楽がスウィングしてる…のと、「ゴサ」ってのはスペイン語の「gozar(ゴサール)」っていう動詞で、「enjoy」ですね、楽しむという意味があって。それをくっ付けて。
菊地 なるほど、なるほど。
大儀見 リズムのグルーヴ、スウィングを楽しむサルサだ、ということですね。
菊地 はいはいはい。その新譜、最新譜…サルサ・スウィンゴサの9年ぶり4枚目のアルバムですね、「Cantando(カンタンド)」。
大儀見 「Cantando」。
菊地 「カンタンド」は…これも説明してもらえますか。
大儀見 はい、これはね。これもスペイン語で…
菊地 スペイン語、今でも…あのさ、例えばスペイン人でもキューバ人でも何でもいいんだけど、入って来て…バッと今でもいける?
大儀見 いけます。ちょっと速いとあれですけど。まあまあ…いけますね。
菊地 いける。英語とどっちが?
大儀見 どっちかっていうと英語のほうが、ボキャは多いかもしんないですね。
菊地 なるほど。
大儀見 スペイン語のあの…キューバの方とかね、あの辺の速い…
菊地 速いもんね(笑)。
大儀見 あれで来られると…ま、言ってること分かっても、返すのが…。
菊地 返すのがね。
大儀見 そう。で、「Cantando」は…
菊地 「カンタ」。
大儀見 そう、「歌」。英語で言うと「singing」ですね。「歌っている」とか「歌いながら」とか「歌そのもの」とか、そういう意味ですね。今回のは。
菊地 なるほど。ま…基本的にサルサは歌モノではあるんだけども、とはいえ今回はゲストヴォーカリストも入れつつ。
大儀見 そうです。
菊地 あと、初めてかな、これは?…大儀見元本人の弾き語りもありつつ
大儀見 あっ!…そうですね、2曲も歌っちゃいました(笑)。
菊地 歌っちゃいました(笑)。なので、それを聞いていこうと思うんですけども。
大儀見 はい。
菊地 全8曲か。全8曲入り、そして10月26日オンセール。
大儀見 はい。
菊地 1曲とりあえず…なにせ聞きましょうか。
大儀見 そうですね。
菊地 はい、じゃあ1曲目。これ、じゃあ曲解説と…。ヴォーカルはこれはメンバーのあの人だよね。
大儀見 そうです、マニー・メンデスです。
菊地 「Timbalero」、アルバムの1曲目ですね…を聞いてください。

スィンゴサンド ライヴ アット クロコダイル

スィンゴサンド ライヴ アット クロコダイル

  • アーティスト: SALSA SWINGOZA,Eddie Palmieri,D.R.,Cortes Gonzalez,Ray Barretto,Marvin Fisher&Jack Segal,Charlie De La Rosa,Pablo Luky Castillo,Alain Rodriguez,Eddie Palmieri&Robert Gueits,Emillio Rios
  • 出版社/メーカー: ewe records
  • 発売日: 2006/06/07
  • メディア: CD
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SWIN’PA’GOZAR

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