「良い客としてふるまう。」

「粋な夜電波」第301回放送は、「タイニー・ストレンジ・センス特集」と題して、世界中のちょっと変わった不思議ないい歌を紹介。
韓流ドラマにハマって寝不足の菊地先生が、「寝てないとトークのクオリティが下がるのか?」という問題を一蹴するかのようなドライブのかかったトークを繰り広げられました。
番組後半のイベント告知のトーク部分の一部を文字起こししてみました。

SELEBEYONE

SELEBEYONE


[rakuten:hmvjapan:15299500:detail]

はい、「菊地成孔の粋な夜電波」。ジャズミュージシャン、そして…
まあ…ね、テレビのCMの話になりますけど、「PROMISE(プロミス)」のCMありますよね。あれ、もうずーっと続いてるシリーズになりますけど。あの…何て言うのかな…「ゆず」とかがモデルになってるんだかなんだかわかりませんけど(笑)、ギターを持ったフォークデュオのお二人と、それを売り出そうとする事務所の社長さんと秘書、4人で繰り広げられるドラマですよね。竹中直人さんの「モビット」と並ぶ(笑)…大河CMになってく予感がする「プロミス」ですけど。
あそこの事務所の社長と秘書を、ずっと芸人の相席スタート」だと思っていた菊地成孔(笑)、TBSラジオをキーステーションに全国に…ヘトヘトになりながら、お送りしております。
来週あたりはね、少し「韓ドラ」断ちしてね…。てか、全部観ちゃやいいんだ、観ちゃあ。今日、今から観ちゃやいいんだ、全部。もう一睡もしないで。ねえ?…明日仕事無いから。明日休みなんで。
だったら「明日の昼から全部観ろよ!」って話ですよね(笑)。このクソ忙しい日の、いろんな…
まあ、ワタシはそんなに仕事でストレス溜まるタイプじゃ無いんですけど。仕事は遊んでるようなもんですから。
それでもやっぱりねえ…この歳になってねえ、代表取締役なんて言っちゃうと、まあまあ…らしくもない事もしなきゃいけなくなって
で、さほど…一般の企業で働いている方々は…ワタシ、ほんと尊敬してるんですよね。そういう方々に本当に頑張っていただきたくてやってる…とこもありますよね。
うちら音楽屋なんてのは、好きなもんやって食ってるわけなんで。ねえ?…ほんとに…よくそんな事が仕事になるなと、いまだにふと思いますけどね。まあ、それはともかく…


(中略)


というわけで…何の話してたんだろう。何の話してたか忘れるぐらい面白かったですけどね、今ね。
そうそうそう…だから、そんな遊んで暮らしてるようなワタシでも、多少のストレスが溜まったりした時にね、だいたい真夜中ですけどね。ワタシの真夜中って早朝のことですけどね(笑)。
ワタシが「真夜中だな〜。」って思うの7時とかなんですよ。完全遮光カーテン…100%、あれ下手するとね、100%って言ってますけどね、計測したらね…300%かもしれないね。ほんとに全く光通さないから。で、ビッチビチに囲ってるんで。
あれやってないと、自然の流れとともに生きることになりますから…良い事じゃないか!(笑)…と思うんですけど。完全に一回隔離してですね、「朝と夜は自分でコントロールします!」っていう、飛行機の中で生きてるような人間ですから(笑)。朝になっても朝が来ないですよね。
だから、だいたい「あ〜…もう夜中だな〜。」って思って時計見ると7時なんですよね。だから夕方の7時あたりに「あー、もう夜だな。」って思う人がいると思いますから、その人と12時間ずれてるわけですから。
まあまあまあ…おかしな奴になっても仕方ねえな…と思いますけど。
そんな奴でも告知があったりします!


(中略)


(「ペペ・トルメント・アスカラール」のライブ会場の)ブルーノート青山」…敷居高いな、行きづらい…と思うかもしれないですけど、別にそんな事無いですよ。今、どこが敷居高い、どこが敷居低い…とか無いですよね。
歌舞伎座だって、別にね…ワタシ、B-BOYみたいな格好で「♪フンフーン〜」って言いながら入ってますからね。別に歌舞伎座行くのに際して、紋付羽織袴で行くとかですね(笑)…あるいはそこまでしなくてもスーツで行くとか、ないですよ別に。野球帽かぶって行ってますよね、普通に。だから全然大丈夫です。
ただね…だからっつって何したっていいわけじゃないんでね。
「金さえ払えばいいんだろ!」ってのは、やっぱり客側に嫌われますからね。ウチは代々客商売ですから。
ワタシの人生哲学なんて別に無いですけどね。野垂れ死にが夢ですけど。唯一それらしいもんがあるとしたら、「どの店でもいい客でいたい。」と思って生きてますね。料理屋でも、床屋でも、本屋でもね。
どこでも自分が客として行った時には、「ああ、あの人良い客だな。」って思われたい…ってのはありますね。
やっぱり客商売は「良い客、悪い客」って思ってますから。
良い客も悪い客もいましたよ。ほとんどが悪い客でしたけどね、ウチの店はね(笑)。9割8分、悪い客でしたけどね。
もう2分のいい客…良客の皆さんが光り輝いちゃってね。マリオが変な星取っちゃってピカピカしちゃって…あれと一緒、あんな感じでしたよ。もう入ってくるなりピカピカしてましたからね、良い客の皆さんはね。
9割8分悪客ですから、「もうどうせコイツ喧嘩になるな。」とかね、「どうせ暴れるに違ぇねえ。」とか思ってると、ほんとに暴れますからね(笑)。
で、最後は暴れた果てに、暴れた勢いでゲロを吐く…っていうね(笑)。
「ああ、だんだん気持ち悪くなってきた。どうしよう、どうしよう…ああっ、ゴメン!…うぅっ!…」って言う人なんかいないですよ。銚子の飲み屋で喧嘩してゲロ吐く奴は、喧嘩して「馬鹿野郎、てめえ、この野郎!…ゲエエェッツ!」って吐きますからね(笑)。
怒った勢いで噴出しますからね。頭からぶっかけられる身になってほしいですよ。子どもの頃からね、ほんっとにね。それをオフクロとせっせせっせ拭いてね。まあ、生き証人も誰もいなくなりましたけどね。あ、一人生きてるか…ま、それはどうでもいいや(笑)。
はい、ライブあります。そんなワタシが作った、夜の音楽ですので…ぜひお聞きいただきたいですね。
あと…何だっけ?…あ、「HOLIDAY」だ。あとね、ワタシがやってる「TABOO」ってレーベルがあるんですよ、SONYでね。
告知ばっかりですいませんね(笑)。後半、告知の大行進になっちゃいましたけど。
ま、でも「怒鳴りながらゲロ吐く人の話」したからいいでしょ?(笑)
なんだろな…「いいでしょ?」って(笑)。


イミーラ・タイーラ・イピ・タイグアラ

イミーラ・タイーラ・イピ・タイグアラ