「アフリカのヤバさを再確認。」

「粋な夜電波」第321回放送はフリースタイル。
もう答えないと言いつつ、また人生相談のメールに名答を返し、久々の「ラジオ整体」も行った、癒しの1時間。
アフリカの伝説的イベント「ザイール74」について解説された部分を文字起こししてみました。

ソウル・パワー [DVD]

ソウル・パワー [DVD]

それでは早速、本日の一曲目であります。

(イントロ)

ザイール74〜ジ・アフリカン・アーティスツ

ザイール74〜ジ・アフリカン・アーティスツ

  • アーティスト: V.A.,Tabu Ley Rochereau,Abumba Masikini,Abeti,Franco & T.P.O.K. Jazz,Miriam Makeba,Orchestre Stukas,Pembe Dance Troupe
  • 出版社/メーカー: ライス・レコード
  • 発売日: 2017/05/28
  • メディア: CD
  • この商品を含むブログを見る
はい、このライブ演奏の話をするだけで、番組が3回特集できるというくらいの…「黒いウッドストック」と言われています。
「ザイール74」という有名なイベントがありまして、今まで「ソウル・パワー」という記録映画の形でDVD化されていたんですが、今回それのアフリカ側の音源の総覧がCDで発売されました。
「タブー・レイ・ロシュロー&アフリザ/イントロダクション」という曲をお聴きください。

(曲)

はい、キンシャサの奇跡」なんつってね、ボクシングファンには有名ですけども。
「フォアマン vs アリ戦」ですよね。モハメド・アリ vs ジョージ・フォアマン戦。ドン・キングが仕掛けました。
これの前哨としてですね、イベントとして、ジェームズ・ブラウンを筆頭に合衆国側のアフロアメリカンのミュージシャン、合衆国から来たラテンのミュージシャン、そしてアフリカ在住のアフリカのミュージシャンが…三羽ガラスっていうかね…ひとつにして、のちに「ブラック・ウッドストック」と言われるイベントを繰り広げたんですが。
いろんな都合がありまして、「フォアマン vs アリ戦」の前にきっちりやるって事が出来ずに、何週間か空いちゃったおかげで、「ブラック・ウッドストック」自体がイベントとして伝説のイベントになっちゃったのね。
で、「キンシャサの奇跡」として「フォアマン vs アリ戦」は有名になりましたが、このイベント「ザイール74」…ザイールは現在はコンゴ民主共和国ですけども、当時ザイールって名前だったわけですね…は、幻のイベントとして、現在は「ソウル・パワー」というDVD作品、私これが日本公開になった時にちょっと解説書かせていただいたりしましたが。
この伝説の音楽祭、映画版に編集されたものだとですね、全貌が明らかになってないんですけども。これが全貌が明らかになりまして。
アフリカンアーティストだけね。もっかい言うけど、3つの派閥が集まってるわけ。合衆国のアフロアメリカンの人達…そこのチームのリーダーがジェームズ・ブラウンですね。我らがジェームズ・ブラウン。そして合衆国の…まさに翌年が「アワ・ラテン・シング」ですからね、75年が。「アワ・ラテン・シング」の前年に…つまりもう「今から行くぞ!」って感じのファニア・オールスターズですね。つまりアフロアメリカンではなくて、ラテンアメリカンの人々によるサルサですね。生まれたばっかりの音楽です。このサルサ、そしてアフリカ側からの人達…アフリカの、民族音楽だけでなくてアフリカの都市音楽があったわけですね。
彼等の音楽とジェームズ・ブラウンの音楽とどういうふうに相関関係があったのか、そして74年という年にはどこが一番元気があったのか。これは言うまでもなくサルサなんですけども。
ファンクを代表とするアフロアメリカンの人々の音楽というのは、この時かなり…ジェームズ・ブラウンの、ここの映画の主人公としてのジェームズ・ブラウンのパワーの失墜ってのは画面にかなり映っちゃってるんですけど…ヒップホップが出来るまでしばらく元気ないですね。合衆国のブラックミュージックは。
それに対してラテンミュージックは…もう何て言うか…「お前ら少し黙れよ!」っていうぐらい盛り上がってて(笑)。ファニアが飛行機の中でも会場でも大暴れっていうのがね、映ってるんですけど。今回ファニア・オールスターズの音源は、当たり前ですけど入っておりませんで、アフリカ側からです。
タブー・レイ・ロシュローは早々と音楽引退して政治家になった人ですけども。今のはイントロダクションなんですけど、例えば…これね。

(曲)

この曲、「セリシア」っていうんだけど(笑)…楽しそうな曲じゃないですか。
でね、さっきのがイントロダクションで…出て来たんですよ、タブー・レイ・ロシュローが。で、1曲目が「セリシア」。これ一人で歌っておりますが、自分の両脇に…結構可愛いって言って問題ない…問題あるも無いもないんですけど…今見ても結構可愛いって言っていいアフリカの女の子を二人連れてんの。衣装もヤバいんですよ。ぜひ「ソウル・パワー」で…いろんなもんで、DVD買っていただいてもいいですし、動画サイトで観ていただいてもいいんですけど。
「今日、ロシャレットの身体を持つ…」…これ意味わかんないんですけど。
今日、ロシャレットの身体を持つ若い女性に一目惚れした。愛に年月は要らない。だから行かせてくれ。人間の思考はいつも愛の奴隷だ。愛は人生というゲームの一部。私はセリシアに恋している。」…という、ここまでしか歌詞が無いの。
これを歌った後、演奏になるんですけど、両脇にいる女の子のうちの一人が、この楽しそうなサウンドに合わせて失神するんですよね(笑)。本当に失神するの。本当にトランスして、本当に失神するんですよ。で、もう一人の女の子がその子を抱きおこすってパフォーマンスが、当時のザイールの人がめちゃくちゃに盛り上がるんですけど。この曲だけ聞いてても全然わかんないですよね(笑)。絵見ないと。
この曲で踊りながらトランスして失神するんだっていう、そのヤバさですよね。アフリカのヤバさっていうものを、いろんな形で…この番組でも再確認していきたいと思いますけどね(笑)。

ライヴ・イン・ザイール’74 [DVD]

ライヴ・イン・ザイール’74 [DVD]