究極のアルバム。

ロック音楽リスナーとしてある程度こだわりをもって長年経つと、どうしても自分の好みのサウンドというのが凝り固まってきてしまうわけで。
耳が古くならないように、なるべく新しいものも聴くように努めてはいるが、聴きながら「あー、ここはもっとこう!」という不満も覚えてしまうのも確か。
ざっくり言うと好みのジャンルは「ギターロック」ということになるのだが、アメリカンロックのカントリーくさいやつはあんまり好きでないので、UKもの、それもパンク〜ニューウェーブ以降になる。あ、でも米国音楽でもソウルとかファンクとかは結構好きなので、そういうグルーヴを取り入れた踊れるロックとかになると、だいぶ好みに近くなる。
ネオアコ好きなので、基本は歌モノで、アコギの音は全編に鳴っていて欲しい。テンション多用したコード感が好み。
ワウのカッティングとかが入ってもクール。
シンセを多用するのは好きではないが、鍵盤入れるならピアノかハモンドオルガンのみでいいね。
ベースの音はなるべく大きい方がいい。ベース中心で曲の構成が決まっているような、流れに澱みがないのが理想。
日本人アーティストなら、やっぱり歌詞は日本語で、中途半端に英語やカタカナ語を使わないでほしいな。歌詞カードだけ読んでもいい詩っていうのが理想だけど。
1枚のレコードとしては曲数は詰め込み過ぎないで、「ちょっと短いかな?」って思うくらいであっさり終わって、それでいて最後の曲を聴き終えると、また頭に戻って1曲目から聴き直したくなるっていうのが、いいレコードなんじゃないかな。
…とか勝手なことをずらずら並べてみたけれど、これら自分の好きな要素をすべて満たす究極のアルバムが1枚ある。
それは、小沢健二犬は吠えるがキャラバンは進むです!(「dogs」ではなくて。まして「LIFE」でもなく。)
フリッパーズ世代としてはもちろん小山田小沢両氏のファンではあるが、そこまで熱狂的なオザケンファンかというと、そういうわけでもない。
それでもこのレコードは完璧だな。何度聴いても心を揺さぶられる。(とはいえ最近、すごく久しぶりに聴いた。そしてこのレコードの良さを思い出した。)
もし無人島に1枚だけCDを持っていけるとしたら、自分はこれを選ぶかもしれないなあ。

犬は吠えるがキャラバンは進む

犬は吠えるがキャラバンは進む

それにしてもオザケンは今どこでどうしてるんだろう。
尊敬する伯父さんは、がんと闘っているぞ。
いつまでも引きこもって絵本とか作ってるだけではいかんだろう。
この暗い時代をひとすじの光で照らす、アナタのソウルが聴きたいぞ。