「ビールからワインへ。」


「ビールが主食!」と公言して憚らなかった自分が、最近ワインなんぞを飲み始めた。
といっても、スーパーで売ってるペットボトルの安〜いやつ。
それも、ワインそのものはあんまり美味いと思って飲んではいない。
ただ、飯食いながら飲むのにいいんだな〜と実感しただけ。
先週風邪ひいてたので、身体を冷やさないようにビールをひかえていた間、ちょっと飲み始めてみたら、酔い方がわりと上機嫌になる感じだったので、ちょっといいかもと思って。
村上春樹愛読者としては、いつまでもビール!のつもりだったし、実際ビールをジョッキで2〜3杯飲んで、腹ふくれた後に切り替えるのに、自分にあったいい酒がなかなか見つからずにいたのだった。
日本酒をゆっくりちびちび飲むような長い酒は性に合わないし、鹿児島県人なのに芋焼酎を飲むとお腹をこわすし、ウイスキー飲むと翌朝頭が痛くなる。
ワインなんて、みんなこだわってるけど、高いやつはほんとに美味いのかね?と訝しく思っていた。


ところで、ペン大でブルースについての菊地成孔先生の講義を受けていて、その中で「ブルースに無教養主義で当たった白人の音楽がロックンロールになり、ビール・ウイスキーのパブ文化で定着していくのに対して、フランス植民地だったアメリカ南部の売春街で欲情を喚起させる音楽として発達していったジャズは言って見ればワイン文化…」というような喩え話をされていたのだが、ずっとUKのギターロックが好きで、ジャズなんて全然わからなかったのだが、最近ちょっとずつ聞き始めた自分に、ちょうどわかりやすい話で、腑に落ちるというか、実感を伴って理解出来たところがある。
四十路も過ぎて、ストレスの発散のさせ方も、ビール飲んでスカッと解消!っていうのではなくなってきたのかもしれず、今後はワイン飲んでまったりする方を好むようになる気がする。
ワインに妙に詳しくなって、今さらスノッブ気取ると恥ずかしいことになりそうな気がするけど、「ボジョレー・ヌーボー解禁!」というスーパーのコーナーに置いてあった中から、一番安いやつを手にとったら、去年のチリワインだった…というぐらいの無知さなので、まあ…ビールがワインに変わったところで、自分自身は何も変わらないのかもしれないな。

至福のワインつまみ

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