「CDは株券ではない」

CDは株券ではない

CDは株券ではない

今週はラジオの聴取率調査週間ということで、TBSラジオでもスペシャルウィークと題打って、目玉プログラムを用意しているようなのだが。
菊地成孔の粋な夜電波」は、週刊文春での「考えるヒット」の連載でおなじみの近田春夫氏をゲストに迎えて、2011を振り返る年末放談を企画しているようで、とても楽しみにしている。
菊地さんは対談の名手でもあるので、お互いの音楽シーンの現状分析から言葉を交わし始め、やがてとんでもないところに話を飛躍させていきそうな気がする。
その今週の放送を聴く前に、ぜひ読んでおきたいと思い、急遽Amazonで購入した本が、「CDは株券ではない」。
2005年にぴあから出版されており、タワーレコードのフリーペーパーと連動したWebサイト「bounce.com」で連載していたものをまとめた一冊。そこに、特別対談として近田春夫氏と、当時の国内の音楽チャートについて語ったものが収録されている。
ふたりとも、データを基にした正確な分析とかをぶつタイプではないのだが、なんとなく流れているムードを掴んで言葉で表すのがうまい。勝手な妄想もふくめた予想を立てたら、今となっては実はかなり的確だったというような先見の明も見せ、短いが興味を惹く対談ページだった。
本編のCDの売り上げ予想企画も、今読んでも面白い。そんな曲あったっけ?って知らない曲もたくさんあったりして、連載当時にリアルタイムで読んでいたらもっと楽しめたかもしれないという残念な気持ちもちょっとあるけど。