【MAGAZINE】「Pen 7/1号」

rockin' onなどの音楽誌以外のいわゆる一般誌を買って読むことなんてすごい久しぶりだな。しかもこの「pen」とゆー雑誌はこないだまで仕事でやっていたやつではないか。いつも建築とかの特集が組まれているので建築雑誌かと思っていたが、ファッションやインテリア、など様々なジャンルにおける「こだわりのある」スタイルを紹介している総合誌だったようだ。
なんでまた急に買ってみたかとゆーと、今回の号の特集が「いま世界を席巻するブラジルデザインのすべて。」とあったから。思わず手にとって「なんだ〜やっぱりブラジルって今キテルんぢゃん!」と独り言を呟きながらレジに持っていきました。
元々12年程前にブラジルを放浪したことがあって、ブラジルが発信する独自の文化には興味を持っていたのはもちろん、渡航時に一番期待していたのも、「ノスタルジーと斬新さが混在するあの地には、未来の世界の姿があるのではないか」ということだった。なんとなく「世界大戦で滅びた後に復興し始めた都市とその人々」というイメージを頭に描いていて、それを自分の目で確かめたかったとゆーのもあった。だが実際にブラジルで一年近く暮らしてみて、どうしても日系移住者のお世話になることが多かったので、その狭いコミュニティの中に閉じこもって暮らす人の姿が強く印象に残ってしまい、その時は「なんだ、やっぱり単に遅れているだけなのか?ブラジル」という乱暴な結論を持つに至ってしまった。(帰国直前にカーニバルを体験するために向かったサルバドールとゆー都市は自分のイメージに近くて強烈だったけれども)
考えてみたらブラジルだってかなりの大国だし、音楽やサッカーや建築やファッションやカーニバルを中心にした生活スタイルまで、様々な文化を発信している重要な拠点であるにもかかわらず、世界のリードしていくまでには至らないとゆーのは不思議な気がするんだよね。アメリカ至上主義に覆われた世界では、いちエスニックとして片づけられてしまうのか、グローバルなスタンダードにはなりえないのかなあとゆー歯がゆい気持ちも多少あった。
少々話が大げさになってしまったが、とにかくようやくブラジルキターって感じなのかな?なんか流行ってる?やっぱし。
ちょっと前に首都ブラジリアをデザインした建築家のオスカー・ニーマイヤーのDVDが発売された時も結構話題になっていたし(今号の表紙もニーマイヤーの建造物)、原宿のミツハシスポーツで「Osklen」とゆーリオ発の新しいブランドも紹介されていたし、「ハワイアナス」とゆービーチサンダルが世界中で売れにうれまくっているらしいし、もちろん日本でもATHLETAのTシャツやサッカーシャツを着ている人が大勢いるしねえ。さらにブラジル製の物だけでなく、NIKEとか大手のブランドなんかも露骨なほどにブラジルのデザインをどんどん取り入れてアピールしている。
今号のPenではその他にもインテリアやアートなどについてもいろいろ紹介されていて非常におもしろい。
また大げさなことを書いてしまうが、やっぱり「文物は思想」なんだよね。(確か柄谷行人が言っていた、とゆーのを村上龍が言っていた)同じ人種のるつぼでありながら、USAのように独善性を振りかざさない、かなりテキトーではあるが陽気で平和的なブラジルの国民性の影響って、この殺伐とした世界にもっともっと波及していいと思う。それは具体的な言葉などのメッセージでなくていい。ハリウッドセレブの生活にあこがれるよりも、カラフルなビーサンを履いて浜辺でボサノバでも聴いてくつろぐ時間を持ちたいなーとか思う人が増えていくことでも、確実に世界は変わっていく(??)
世界中の人がブラジリアン・ライフスタイルを選ぶようになったら、それこそ自分が想像していた未来世界のイメージに近くなるとゆーことなのか?・・・いや、みんなブラジル人のようになってしまったら、それはそれで困るしなあ。連中働かないし。
なんとなくそんなことを考えながら、この雑誌をパラパラめくっている今日このごろでした。