「礼儀正しいヒシダさん。」

「粋な夜電波」第70回は、キラースメルズの末端構成員・菱田エイジさんをゲストに迎えての「テキーラ特集2」。
何を言い出すか危なっかしい菱田さんは生放送では出演させられないという判断のもと、収録で行なわれた今回の放送でしたが、声だけ聞くと、菱田さん…すごく礼儀正しい好人物ではないですか。
これがお酒が入ると悪魔のように人が変わるんでしょうか…。それはそれで見てみたいけどコワイです。
菱田さんがまだ緊張してかしこまっている、登場から最初のトーク部分を文字起こししてみました。

菊地 え〜…というわけでですね、もう6時半から煽りに煽っておりますけれども、この時間からはいよいよ、本日「テキーラ特集2」。番組からスピンオフしましたバンド、「キラースメルズ」の菱田エイジさんをお招きしまして、9月1日の土曜日、逗子海岸・海の家ピレキーニョで行なわれるイベントについて、あるいはそもそもイベントもさることながら、まだキラースメルズを知らないという、シーズン3から聞き始めた皆様などなどに…、まあなんというんですかね…キラースメルズにちょっと触れるっていう…触れただけで多分、感染するので…触れていただくという時間に(笑)…なると思いますね。
…というわけで、あらためまして、菱田さん、どうも…こんばんは。
菱田 こんばんは!

菊地 ありがとうございます(笑)。
菱田 はい。
菊地 今日は6時間収録して、録れ高が45分っていう感じで(笑)…。
菱田 すいません。
菊地 とんでもないっす。…ま、菱田さんの場合は1年間多分密着で取材しても、地上波オンエアは録れ高15分ぐらいだと思うので(笑)…まあ今日はいい調子に…。ことの次第から…最初から説明しますか、ちょっと野暮ったいですけど。菱田さん…は元々、ワタシが学校やってまして…学校やってるっていうか、アテネ・フランセがやってる学校があって、そこで音楽理論ずーっと教えてるんですけど、もう10年ぐらい先生やってるんですけど、そこのクラスの生徒さんだったっていうね。
菱田 そうですね。最…年長に近かったですね。
菊地 最年長ですよね。
菱田 はい。
菊地 何年いましたっけ、菱田さん。
菱田 2年いさせてもらいましたね。
菊地 2年だけだっけ?
菱田 はい。
菊地 そうですか。今日、この番組聞いて、キラースメルズの盤がまだ買えるんですね…盤出てるんで。ま、デビュー盤(笑)…「TARADO & TARADO2」っていう盤が出てて、これ買うと…だいたい今から話すようなことはライナーに書いてあるんですけど。
菱田 (笑)。
菊地 とはいえ、繰り返しますけど。菱田さんって、入学してきた時っておいくつでしたか。
菱田 多分38か9…とかだと思うんですけどね。
菊地 ああ…在学中に40代になったということですね。
菱田 そうですね。
菊地 まあ、最年長だってのは、あの学校、年齢制限ないんで、下はもう17、8の子から上はそれこそ…菱田さん、40歳の人まで…ま、昔はもっと年配の人もいましたけど。…そんな中でですね、年の最後に「卒制」があんのよね。卒業制作が。
菱田 はい。
菊地 卒業制作があって。菱田さん、1年目出しましたっけ?
菱田 1年目出しましたね。
菊地 出しましたよね。「TARADO」より前…ありましたよね。
菱田 ありましたね。
菊地 うん、ありましたよね。…その時はそんなに騒ぎにならなかったですよね。
菱田 っていうか、多数決じゃないすか、あれ。
菊地 はいはいはい。
菱田 …で、ほとんどの人が「大嫌い」に挙手…しましたね。
菊地 (笑)。まあ、卒制っつって、みんなが1年間勉強したことをね、こう…作品に吐き出して、ま、よくある…アートスクールではよくある卒業制作ってのがあって、1年目は賛否両論にも分かれなかったっていう感じですよね。
菱田 そうですね、ほとんど「大嫌い」。
菊地 (笑)。
菱田 先生がフォローしてくれて…ようやく泣かずに済んだっていう…。
菊地 ああ〜。
菱田 涙目になってたんですけど。
菊地 めちゃめちゃ真面目な授業態度でしたよね。
菱田 そうですね。
菊地 なんかその…みんな多分ね、「TARADO」なんか聞いてる人とか…、菱田さんがもの凄いワイルドな…学生で。
菱田 はい。
菊地 いるじゃないですか、ガム嚙みながらろくに授業聞いてない奴とかさ(笑)。でっかいマックシェイク持って来て、倒す奴とか…ああいう奴だと思っている人とかいると思うんですけど、全然違いますよね。
菱田 そうですね…いちおうあの…講義録とかをかなり読み込んでから行ったんで(笑)。…なかなか働きながらなんで…その…予習復習に割いてる時間があまり取れないんで…。
菊地 あまり取れない、確かに。
菱田 …なので授業中、集中しないと…ってので…。
菊地 なるほど。
菱田 はい。
菊地 で、2年目になったじゃないですか。
菱田 はい。
菊地 2年目に、卒業制作の場に…卒業制作なんて普通1曲ですよね。
菱田 そうですね。
菊地 基本的にね。
菱田 はい。
菊地 だけど、菱田さんが持ち込まれたのは…卒業制作として提出したのは、アルバムだったじゃないですか(笑)。
菱田 はい。
菊地 「TARADO」ってアルバムが、ジャケももう出来てて(笑)、歌詞カードもあって卒制に納品されてたんで…。
菱田 はい。
菊地 ま、それ聞いて、あの時は半分に割れましたよね。「大好き」と…「もうたまんねえ」って奴と、「これはキツイ」ってのと。
菱田 そう…ですね。ただ、あの時点では…もうわりと先生が僕のことちょっと褒めてくれたりとかしてたんで。
菊地 (笑)…ええ。
菱田 あとまあ…生徒数が高等科は少なかったんで…。
菊地 少なかったんですよね、はいはい。
菱田 だからその、軋轢を避ける…という大人の判断で、…皆さん結構好意的でしたけどね(笑)。
菊地 いやいや(笑)。
菱田 …初年度はもうボロクソでしたけど(笑)。
菊地 (笑)…いや、まあ、なんていうのかな、そんな軋轢を避けるためにみんな気を遣ったわけじゃないと思いますよ。…「TARADO」の段階で吐きそうになった奴もいたんで(笑)。…でも「TARADO」は教室をまっぷたつにした、というかね。いまだに世論をまっぷたつにしてると思うんですけど(笑)。
菱田 (笑)。
菊地 あの…「生理的に耐え難い」って奴と、「もうヤバイ。これがないと生きていけない」ぐらいの奴にバーンと分かれるっていう…、ま、強い作品にありがちな…パターンですよね。
菱田 ありがとうございます。
菊地 とんでもない。…そんで、さっきもちょっと再放送したんですけど、11年にこの番組始まるんですけど。
菱田 はい。
菊地 11年4月、ま、震災直後に始まって、それでね…あれ何回目だったっけな…何回目かにちょっと仕事の都合で、選曲してる時間が無くなって(笑)。
菱田 はい。
菊地 そんで…どうしようかな?っていう…これはもう進退ここに極まって、なんか曲かけなきゃ…だけど、選曲する時間がねえって時があって。
菱田 はい。
菊地 …あ、そういえば、卒制の「TARADO」があった!って思って。
菱田 ああ〜(笑)。
菊地 夏だし(笑)。…で、「TARADO」を全部かけるっていう。で、それはまあ、番組をあるバンドがジャックしたんだっていうイメージで。
菱田 はい。
菊地 まあ…「TARADO」全部かけて、テキーラ特集ってやったんですよね。そしたらまあ…まず最初に、視聴者の反応よりもサブの反応が凄いことになっちゃって。
菱田 (笑)。
菊地 (笑)…サブがね…ロック魂…サブのロックの心に火が点いてしまって…。
菱田 はい。
菊地 サブっつっても3人しかいないけど(笑)。
菱田 (笑)。
菊地 プロデューサーとディレクターと、ワタシのマネージャーしかいないんですけど。…なんだけど(笑)、全員…いややっぱりわかるんだなっていう感じで。まあ、やっぱり自分がいいと思ったものは通じるんだな…という感じを新たにしたんですけど(笑)。
菱田 ああ〜。
菊地 ま、とりあえず1曲聞きますかね。菱田さん自薦で、どれでもいいんでなんか…。
菱田 はい。
菊地 1曲…。たいていかかってんですけども。
菱田 はい。じゃあ…月並みですけど「GoldenFinger」で。
菊地 「GoldenFinger」いきますか。
菱田 はい。お願いします。
菊地 これはあの〜…そうですね、差し支えない程度に、どういう由来を持った曲…ですか?
菱田 これは…ですね。ある…伝説の指を持った人…
菊地 (笑)。
菱田 …に敬意を表して。
菊地 …表したね。
菱田 はい。そうですね。
菊地 ゴールデン・フィンガーですからね。
菱田 社会を変えましたからね。
菊地 はい…(笑)。
菱田 今時、ど素人でもみんなやってます、みたいなね。
菊地 そうですよね。まあ…リスナーの若い方とか、なんだかわかんないまま話進めますけど…、まあ、我々が若い頃は知らなかったですもんね。
菱田 はい、そうですね。
菊地 知らなかったよね。だけど…あの方のゴールデン・フィンガーの映像を何回も何回も観るうちに…誰でもやるんだと…。
菱田 そうですね。
菊地 …ということですよね。
菱田 特異体質の人だけかと思ってたんですけど。
菊地 (笑)。
菱田 今はね、一億総女子が…
菊地 (笑)…もうオンエアいきましょうかね。
菱田 すいません(笑)。
菊地 じゃあ、ま、ある…非常に偉人ですよね、日本の文化を変えた偉人の一人にリスペクトした、キラースメルズ「GoldenFinger」。
(曲)
菊地 …はい、お聞きいただいている曲は、アルバム「TARADO & TARADO2」よりキラースメルズ「GoldenFinger」です。え〜…セックスの演舞という意味でのポルノ・カルチャーもだいぶ日本では変わってしまいました。そういう意味では、いい時代をとらえた画期的な曲だと思いますけど(笑)。
菱田 (笑)。
菊地 …コマーシャルです。

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