「粋な『ファッションショーの音楽』入門。」

「粋な夜電波」ゾロ目の第111回放送は、「真夏の秋冬コレクション」と題しまして、菊地先生のファッションショー入門。
ハイモードファッションには縁遠い自分でも興味をそそられるような、ファッションショーと音楽の関連性にまつわる楽しいお話。
「服は何故音楽を必要とするのか?」の続刊も楽しみですね。
「Few Minutes Unlimited」のコーナーに登場された、選曲家の中村ムネユキさんとのトーク部分を文字起こししてみました。
三週間前の状況からどう変わったのか、中村さんの近況報告もすっかりリスナーの楽しみのひとつになってしまいました(笑)。

LOVE IS ALL WE HAVE TO GIVE

LOVE IS ALL WE HAVE TO GIVE

菊地 え〜…8時またぎ恒例の「Few Minute Unlimited」の時間がやってまいりました。今週はですね、え〜…ゲストを呼んでおりまして…中村ムネユキ君です(笑)。
中村 (笑)。どうも。なんか、こないだ出たばっかりのような…。
菊地 何週前だっけ?あれ。
中村 3…週間…ぐらい前じゃないですか。
菊地 そんなもんだったっけ?
中村 ええ。
菊地 あ、ほんと。
中村 (笑)。
菊地 あの〜…やっぱりまあ…我々の話にどんなに内容があるとしてもですね。
中村 はい。
菊地 リスナーの興味は、中村君に彼女が出来たかどうか?(笑)…の一点に、完全に集中してると予想されるんですけど。
中村 (笑)…はい。
菊地 まあ、プライベートなことですし、何万人もが聞いてる番組ですから、答えられる範囲で結構なんですが、番組のリスナーの皆さんにもし報告することがあるとすれば、どういうことでしょう。まだサイトでは「彼女募集中」になってますが。
中村 なってるんですか?(笑)。
菊地 はい、なってます。ま…それは…どうしますか?…その告知は。
中村 告知は…もう…大丈夫です
菊地 はい。「彼女募集中」という告知は、取り下げてほしい、と(笑)。
中村 (笑)。
菊地 もう今から来られてもね。
中村 はい。
菊地 これですべてを理解してもらいたいと。
中村 よろしくお願いします。
菊地 やっぱり、音楽なんかに詳しく、そしてワインにもものすごく詳しく、いろんなことに詳しいと、彼女の出来も早いということで、今何万人かの方を敵に回した…。
中村 (笑)。…絶対そんなプライオリティ無いですけどね。
菊地 あ、それとは関係ないですか。…なるほど。
中村 関係ないと思います。はい。
菊地 そんな中村君ですけど、ファッションショーとか興味あります? 今日の特集…。
中村 あの、モデルさんに興味がありますねえ。
菊地 あ、ほんと。
中村 はい。名前は存じ上げないんですけど、実名出していいんですかね…銀座の…CHANEL?…松屋の前にあるのは。
菊地 ああ、シャネルの路面店ね。はいはい。
中村 あそこって、上で何かやったりされるんですか?
菊地 する、する。うん。
中村 ですかね。そうするとそのモデルさんっぽい方が、地上でタバコ吸ってるのを見たことがありまして…。
菊地 (笑)。あるよね。
中村 うわ〜…いいな〜…と思って。
菊地 うん。…だからそん時あまりニコニコしてなかったでしょ。
中村 してないですね。全くしてないですね。
菊地 あの人たち、すごい疲れてるんで基本的にすごい不機嫌なんだよね
中村 ああ〜、なるほど。
菊地 オレ、パリコレの取材に行った時に、夜着く便で行って、着きましたと。
中村 はい。
菊地 で、まあ…大体昼着く便か夜着く便だよね。夜だと、こう…ロマンチックじゃない。着いて、ド・ゴールからどんどんパリ市に入ってって。
中村 はい。
菊地 着いたら、向こうの案内する人とか、通訳の人と来て。「とりあえずシャンパンでも。」って言われるわけね。
中村 はい。
菊地 ま、何て言うの?…だいぶパリコレな話なんだけどさ。
中村 (笑)。
菊地 それ別にそんなにいい店とかじゃなくて、この時間でもやってるブラッセリーにでも行きましょうっつってさ。
中村 はい。
菊地 で、行って、まあそこそこの値段のシャンパン飲んで、「あ〜…着いた。明日から取材か。」と思って、ふっと隣みたらさ、トップモデル!
中村 (笑)。
菊地 もう…くだまいてて。めちゃめちゃに疲れてて、もう…。
中村 へえ〜。
菊地 わかんないんだけど、完全に愚痴っててさ。
中村 ええ。
菊地 もう…あそこのカメラマンがエフ・ユー・シー・ケーだ、あそこのメゾンがエフ・ユー・シー・ケーだ…って話してて(笑)。
中村 (笑)。
菊地 もう痺れちゃってね、そういうの見たら。結構、ああいう人たちがブーたれてると、グッときますよね。
中村 きますね。
菊地 うん。あれね、現場行って、手配師みたいな人に「今日あなたはこことここね。あなたはドリス・ヴァン・ノッテン、何時からね。」って言われて…。
中村 へえ〜。
菊地 自分で予定組んで、バイク便みたいなのに、後ろにニケツで…市内移動しなきゃいけないから。
中村 なんか、すごいいい話ですね。
菊地 (笑)。だからね、パリコレの期間中はとにかくイライラしたり、ブーたれてるモデルさんにいっぱい会えるっていう(笑)…期間でもあるわけよ。
中村 (笑)。
菊地 だから…あの人たち、ステージでもクール顔で、ニコニコしてないじゃない。
中村 はい。
菊地 あそこら辺もいいよね。ニコニコもいいですけどね。
中村 うん。
菊地 今回は久しぶりに中村君に、仕入れ屋さん…いつも「先生、これいいですよ。」っていう仕入れじゃなくて。
中村 はい。
菊地 レコード探偵としてですね、探偵業に徹してもらい、ワタシがピックアップした、「パリ・ミラノから3曲ずつ…」みたいな感じで…。
中村 はい。
菊地 えーと…わずか何日ですか?…三日…
中村 いや(笑)…。
菊地 一日だ!(笑)。
中村 半日ですよ(笑)。
菊地 一日経ってねえや(笑)。半日、半日。
中村 昨日の、今朝ですよ。
菊地 昨日の、今朝までに用意してくれという…まあ、我ながら無茶ぶりだなと…いうのを、仕事を振り。
中村 はい。
菊地 ま、デキる男ってのは三週間で彼女が出来るんだってとこを、見せましたけどね。
中村 いやいやいやいや。
菊地 全部揃えてきたからね。
中村 ありがとうございます。
菊地 ま、一曲だけ無かったけどね。あれはもうしょうがないですね。
中村 はい。
菊地 全部揃えてきてくれた上に、まあ…なんていうか、血も涙もないパーソナリティーによって、「Music Unlimited」にあるかどうか全部調べてくださいっていう(笑)。
中村 (笑)。
菊地 おまけがついてたわけですけど。
中村 (笑)。
菊地 どうですか。その後も使ってますか?
中村 使ってますよ。
菊地 使ってる。
中村 やっぱりあの…曲を知らないとなかなか…海を渡って行けないので。
菊地 そうね。
中村 なんかツールがあるといいんじゃないかな、と思いますね。
菊地 Music Unlimited」ね。
中村 はい。
菊地 なるほど、なるほど。
中村 例えば、日本固有の…なんていうか…マーケットっていうか、文化だと思うんですけど、「ディスクガイド文化」ってあるじゃないですか。
菊地 あるある(笑)。ディスクガイドを本で読むっていうね。
中村 本で読む!
菊地 日本固有だよね、あれね。
中村 ま、風呂かトイレで読むもんだと思うんですけど。ああいうのが、例えば何か…一緒になってやった方が、もっと音楽が楽しめるんじゃないかなって、いつも思いますけどね。
菊地 それは何?…テキストが「Music Unlimited」の中に付いた方がいいってこと?
中村 ま、あってもいいと思いますし、なんかケータイアプリとかで、一緒にコラボレーションして、アクセス出来たら面白いんじゃないかな〜って、いつも思いますね。
菊地 なるほど、なるほど。なんかね、「夜電波チャンネル」があるらしいんだよね。
中村 …らしいって(笑)。トップに出てきますから。
菊地 トップに出てくるんだ。すごいね。
中村 はい。
菊地 そんななってんだね。そこを充実させる会議を、中村君が彼女とどうなったかっていう報告も合わせて、定時報告でやっていきますか。
中村 (笑)。
菊地 たぶんね、これねえ…公共の電波を使って、いつも「すしざんまい」でしてるような事を…(笑)。
中村 はい(笑)。
菊地 中村君に言うのもなんなんだけど。
中村 はい。
菊地 オレの予想では…。
中村 はい。
菊地 三ヶ月なんで(笑)。
中村 (笑)。…先生の予想は結構…九割八分…当たりますからね。
菊地 九割八分って…言いあらわせば98%ってことでしょ?
中村 はい。
菊地 …当たるからね。三ヶ月だと思うんですよ。
中村 ヤマは。
菊地 ヤマっていうか、間違いない!(笑)。
中村 (笑)。
菊地 だからまあ…秋までにはまた淋しい時期が来るので。まあ、その時にはまたやっぱり仕事に燃えるっていうような…。
中村 はい。
菊地 まあ、中村君としては、いつでも関係なく仕事のできる人間だからね。
中村 ありがとうございます。
菊地 なので、三ヶ月で終わるんですけどね(笑)。
中村 (笑)。も、やだな…。
菊地 「私と音楽とどっちが大切なのよ!」的なね…からは逃げられないじゃないですか。
中村 はい…はい。
菊地 ままま…そんな…先も見えてるわけですし。
中村 (笑)。…これからですよ!
菊地 これからですね(笑)。
中村 始まったばっかりなんですよ。
菊地 やっぱり…あれでしょ?…今までの流れとは違う流れを巻き起こしたいと。
中村 そうですね。ニューウェーブを!
菊地 ニューウェーブをね。「Music Unlimited」の中にもね!(笑)。
中村 (笑)…巻き起こしたいですね。
菊地 どんな機能がほか付いたら…例えばね、「粋な夜電波チャンネル」限定でもいいですけど、こんな機能があったらいいんじゃないかな?…みたいなのないですか?。
中村 うーん。それこそ先生の御本で、結構前にディスクガイド作られたじゃないですか。
菊地 出した。うん、あれ…だいぶ前ですね。
中村 僕、あれ実は、先生の本の中で一番読んでる本なんですよ(笑)。
菊地 (笑)。…読書に弱いってことが見え見えじゃないか。
中村 (笑)。
菊地 中村君ってさあ…専門書か洋書かディスクガイドばっかり読んでるってイメージだよね。
中村 そうですね。
菊地 あんまり散文読まないでしょ。
中村 散文は一切読まないですね!
菊地 (笑)。
中村 (笑)。
菊地 やっぱね、リスナーの人に分かってもらいたいのは、なんかが伸びてる人は、なんかが凹んでんだってことだよね(笑)。
中村 (笑)。
菊地 オレがサッカーのルールが分かんないのと一緒だよね。
中村 (笑)。
菊地 散文一切読まないもんね。そうすっと、行きはあれを読むと。なるほど。
中村 あの本を…結構メジャーなディスクが多いので…。
菊地 多いよね。
中村 かなり入門として、それこそ「夜電波ミュージック入門」ってわけじゃないですけど。
菊地 はいはい。
中村 合わせて聞いてもらったほうが…。やっぱ何かの力を頼りつつ、ああいうものを使っていった方が、2倍楽しめると思うんですよね。
菊地 なるほどね。…こんな話してると、そのうちね、企画会議室に呼ばれると思うんで(笑)。
中村 (笑)。
菊地 そうすっと流れも変わってきてね。三ヶ月以上持つかもしんない。…四ヶ月とか(笑)。
中村 (笑)。
菊地 ま、そんなわけで、これも中村君の仕入れで持ってきてもらった物ですが。
中村 ああ、チェックメイト・リミテッド。
菊地 チェックメイト・リミテッドの…これ、何年ですか?
中村 64…65だったかな…65とかですかねえ。フィル・スペクターがプロデュースしてる…。
菊地 フィル・スペクター、プロデュースですね。いわゆるフィル・スペクターの谷間仕事というか…のひとつですけれども。
中村 後のビートルズに繋がっていく…。
菊地 繋がっていく流れですね。要するに、レット・イット・ビー前夜。
中村 そうですね、はい。
菊地 …の仕事のひとつですけど。最近ね、シャネルの音楽が…別に悪くないんだけど…基本的にね、ロネッツ使ってて。
中村 ふう〜ん。
菊地 「ビー・マイ・ベイビー」がシャネルのひとつの…テーマ曲みたいになってた時期があったんだけど。
中村 ふーん。
菊地 もう、その…なくなったんですよ、テーマ曲が。なんで、ちょっとこう…60年代、フィル・スペクター仕事みたいな感じの雰囲気を、またシャネルが取り入れるといいんじゃないかな…っつーんで。
中村 うん、うん。
菊地 頭ん中でシャネルの服と、シャネルのショーを想像しながら、この曲を聞いてもらいたい…っていう選曲ですね。これ「Music Unlimited」にございます。では、中村君、曲名を紹介お願いします。
中村 え…「The Checkmates Ltd.」で「Proud Mary」。