「新呼吸」

新呼吸 (通常盤)

新呼吸 (通常盤)

最近買ったくるりの「坩堝の電圧」も、アジカンの「ランドマーク」についても書こうと思っているのに、その2枚をいまだまだよく聴き込めていない。
今はこのアルバムが気に入っていて、ついついこればっかり聴いてしまう。
Base Ball Bearの4th、「新呼吸」。
なぜ今さら去年のアルバムを?…というと、単にスルーしてしまっていたのだ。
3rdの「(WHAT IS THE)LOVE & POP?」が傑作だったので、これを超えるのはちょっと難しいんじゃないかと、勝手に思ってたところがあって。
しかし…いや〜、どんどん成長、進化していくベボベに脱帽。3rdを軽く超える名盤ですわ、これ。
個人的には、いろんなタイプの曲が揃っている、バラエティに富んだアルバムが好みなのだが、それでいて1枚トータルで物語性がないと、盤として傑作!とは言い難いというのも勝手な話だが。このアルバムはそこも両立できてしまっている。
小出祐介=こいちゃんの、ソングライターとしての成長ぶりには目をみはるものがある。さらに、どんどんベボベが良くなっていると感じるのは、ヴォーカリストとしてのこいちゃんの成長も著しいところもポイントだ。
デビュー当時から、いいバンドだなとは思っていたが、初期のころはちょっとクセのある歌い方…一歩間違うとビジュアル系バンドのようなコブシの回し方が好きではなくて、曲はいいのになと残念に思っていたのだが。
「(WHAT IS THE)LOVE & POP?」を聴いた時に、歌い方が変わってきたと感じ、声がのびやかに出るようになったからか、ストレートな歌い回しになっていて、非常に好感が持てたのだった。
新呼吸」ではさらにのびのびとした歌い方の曲が増え、それでいていろんなタイプの曲に感情を込められるようになっているようだ。
もちろんバンドアンサンブルもさらに磨かれている。
時に熱いギターソロがあったり、ぶっといベースラインで引っ張る曲があったり、ダンサンブルなリズムは緩急がついて、その切り替えのタイミングが絶妙だったりする。
Base Ball Bearのというバンドの大きな特徴は「青春感」だと思っているのだが、結成から10年経っても、こんなに瑞々しい曲を一緒に演奏できる結束の固さを思うと、胸がじんわり温かくなる。
今のこの殺伐としたご時世に、若さや青くささを残したまま、ストラグルをロックとして昇華できる、希有な存在のバンドだと思う。
こいちゃんと公私ともに仲も良く、ライバルとして並べられることの多いサカナクションの山口一郎氏の存在がいい刺激になっているのかもしれない。
個人的にはこの2バンドで、もうフェスのトリをそれぞれ務めるくらいに、日本のロックシーンを引っ張っていけると思っているのだが、セールス的にはサカナクションの方が上なのか?…ちょっと世間の扱い的には肩を並べている感が薄い気がする。
ソングライターとしては、山口一郎氏よりもこいちゃんの方が幅が広いと思うんだけどなあ。
1年経ってようやく聴いといて言うのもなんだが、もっと売れたっていいよね、ベボベ

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