「恒例のOP曲選考会。」

「粋な夜電波」第201回放送は、シーズン9の初回。
2015SSのオープニング曲の(ひとり)選考会では、懐かしの前口上が再び聞けました。
もう番組改変期を気にせず、「ずっとやる」と力強く宣言された、新シーズンの所信表明のような番組冒頭部分を文字起こししてみました。

夜 [DVD]

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はい、どうも。菊地成孔と申します。
え〜…「菊地成孔の粋な夜電波」。今回…初めてこの番組を、何の予備知識も無く、ちょうどラジオをひねったらついてた…という方は、相当お引きがお強いですなあ。
この番組は過去4年間続きまして、半年毎にシーズンを重ねてまいりまして、シーズン8が終わり、今週からシーズン9が始まるところです。回数的にはですね、なんとキリよく、二百と一回目ということですね。
で、ワタクシ…ジャズミュージシャンの菊地と申しますが、ま…そうですね…新社会人!(笑)…
なんつったらいいんですか?…要するに今サブから「4月になったら、新しくまた聞き始める人がいるんで、その人に対して『はじめまして』の自己紹介をしてください。」と言われているので…。
そんな人ほんとにいるんですか?…と思いながら、喋ってるんですけど(笑)。
新社会人諸君!…(笑)
他人に迷惑になることだけは、やってはいけない!…(笑)
…ちょっとはいいですよ。だいじょぶだと思いますけどね。
まあ、そういうわけで、いよいよ番組もおかげさまをもちまして5年目に突入させていただきまして。
ま…もう5年やるんだったら、50年やんなきゃダメですよね、ええ。
6年でやめるってのは、もう…何て言うか…汚い例えですけど、大便が途中で切れるような話ですから。
さっとやめるんだったら1〜2年でやめてね、もう4年やっちゃったんですから、ずっとやるわけですけども。
今日が5年目に入る初日です。
で、ですね。今…ごめんなさいね、ビギナーの方目線で喋ってますが…。
この番組には前口上というものがありまして、シーズン毎にオープニング曲が決まっていて、その曲に合わせてワタシが番組の前に前口上をやるんですよね。
で、その前口上用の曲というのを…必ずですね、シーズンが代わる度に選曲する…どの曲にしようかな?…っていうですね。
今日はシーズンまたぎ恒例、各シーズン第一回恒例の「オープニング曲選曲会議」です、今日は。
というわけで、今日は、まるまる普通の曲を流すといういつものパターンはなく、過去の…しかもですね、過去の「夜電波」ライブラリーからですね、前口上を抜いてきましたんで。それをいろんな曲に合わせて、実際…口上で喋ってみて、で…どの曲にするかは来週以降のお楽しみ…という回になります。
ま、とりあえずCMにまいりましょうか。
初めて聞いた方は、「な…何の話してんだ?」とお思いかもしれませんが、番組を聞き続けていただければ、どんないきさつかお分かりになると思いますんで。
とりあえず…「お!…なんかこの雰囲気、ヴァイブス感じんな。この番組、一杯やりながら聞いたほうがいいかも。」と勘づいた、勘のいいアナタは、冷蔵庫まで取りに行ってください(笑)。CMです。

(CM)

はいどうも、「菊地成孔の粋な夜電波」と申します。私ジャズミュージシャンの菊地成孔と申します。TBSラジオをキーステーションに全国にお送りしてまいります。
おかげさまで5年目を迎えることができまして。
古くからの御贔屓筋…この番組は5年目に入りましたが、1回目から聞いている方を「スーパーヘビー級」、今日初めて聞いた方は…まあ、そうですね…まだプロテストに合格してない状態(笑)…で、シーズン1〜2回聞いた方を「フェザー級」ぐらいにして、勝手に自分でボクシングの階級に…どのぐらい長く聞いてるか…ね、というのをラジオネームの脇に添えていただくというルールがありますが。
スーパーヘビー級の方にはおなじみ。今日はもうどんどんいきます。
しかもですね、今回用の書き下ろしじゃなくて、試しにですけど…やっぱね、4年間、前口上1回も欠かさず書いてきましたから。もちろん、前口上がない特別企画、いきなり曲で始まる時とか…そういう回もあるんですけど、ほとんど前口上書いてるんですよ。ま、150回は間違いなく書いてるんですよね。
まあ…そうですね、よっぽどカネが無くなったら、出版して小銭儲けてやろうかなと思うぐらい、1冊の本には充分なるぐらいの分量になってるんですが。
そこからですね、今日は、懐かしのですね…懐かしのって言っても誰も覚えてないと思うんですけど(笑)。
書いたテメエ的には懐かしの…シーズン1から…さすがにね、シーズン8はこないだなんで。1から7までの間で特に選ばないで、ずらーっと並んでるとこから、目隠しのガラガラポンで幾つか選んで持ってきましたんで。
ほいで、それを懐かしいなと思って読みながら、曲を決めていこうと思います。
1曲目。えーとですね…これはですね、ミケランジェロ・アントニオーニ。たいへんな監督ですね。
イタリアを代表する映画監督ですが…の、「夜」という映画があります。
ま、「粋な夜電波」だからね。これに引っ掛けてね。
「夜」という映画、1960年ですから、ワタシが産まれる前ですね。1960年のイタリア映画、ミケランジェロ・アントニオーニ監督で、主演がマストロヤンニですね。
音楽がね…これは不勉強で、ワタシ…オリジナルサウンドトラック通みたいな顔してる時もあるんですけど…
あ、そんなことねえや。ガスリーニじゃない。ジョルジオ・ガスリーニですね。
だいたいB級の映画…B級ってね、悪い意味じゃなくて、いい感じの…
あ、アントニオーニを…ガスリーニがやってるんですね。
はい。ジョルジオ・ガスリーニの音楽によります、「ブルース・アラバ」…っていう曲かな?…イタリア語なんで、ちょっとわかりませんけども。
それに載せて、ちょっと読んでみたいと思います。
これがひょっとしたら、オープニング曲になるかも…ということですね。

(曲)

貴方だけこんばんは。悲しみよ、こんにちは。そして、武器よさらば
濡れた砂とやらが、どれほど…皆様がこの夏お召しになる水着の、ブラジル人によれば「神宿る」とも言われるヒップライン…解剖学用語で申し上げるならば臀割線のあたりに、シャリシャリっとこうへばりつくものか、一粒ずつ数えてみたいな他所の国、濡れた砂は八月、最初の放送です。
そろそろビーチでこの番組聞いてもバチは当たらないシーズンの到来。ころころピーチでこの晩、組敷いてもダチは語れないリーズンの崩壊。
なんつってラップ桃太郎突如登場…


懐かしいですね!…読んでて懐かしいです。これ、シーズン1の前口上ですけどね。
え〜…まあ、毎回同じなんですけど、どの曲でもいいんですよ(笑)
最初からいい曲選んであるんでね。どれがオープニングになったっていいんですけど。
とはいえ、いちおう選考しようっていうことですけどね。

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