「ジャズは斜に構えた音楽。」

「粋な夜電波」第371回は、久しぶりのジャズアティチュード。
耳に心地良すぎて眠くなりそうな音楽を特集。
ジャズという音楽への先入観に対して、あっさりとストレートな回答がなされて、すごく腑に落ちました。そのトークの一部を文字起こししてみました。


今週は久しぶりの「ジャズ・アティチュード」…と申しましても、ジャズ…というか、フォーキーなほうね。
めちゃくちゃグルーヴするとか、現代音楽に似てるとか、ソウルに行っている…とか、そういうんじゃなくて、あんまりこの番組ではまとめて取り上げた事が無い、チェンバー…フォーク寄りのジャズばっかりですね。
凄え簡単に言うと、一歩間違えると、心地良過ぎて眠くなってしまう周波数が出てる音楽ばっかりなんで。
今日は途中で寝落ちされる方が続出…って感じじゃないですかね。
ワタシもう…随分…シーズン1〜2あたりぐらいまでしか見た事が無いんですけど、まだ番組のTwitter?…の公式アカウントっていうんですか?…聴きながら何か書いてる方とかがいらっしゃるじゃないですか。
で、今週は…「寝る!」っていう(笑)。何つったらいいかな…寝る報告をして欲しいんですよね(笑)。
されたところで、ワタシ見ないんで…ま、後から聞きますけど、スタッフに。
「うう〜っ。」って、寝る瞬間に「寝る。」って書いて寝るのって…ツイッターとかやらねえから全然わかんないんだけど…出来んじゃないすか? スマホだったら。
「あ〜、もう寝る、寝る、寝る…」って瞬間に「寝る。」って入力して寝る事が可能な機械じゃないですかね、あれって(笑)。
ワタシはガラケーなんで、そんな事出来ないんだけど。パカッ、パカッ…とか、いろいろうるさいじゃないですか。パカッとやったり、キュッと押したりしないといけないけど、あれって…ササッと「寝る。」っていける気がするんで。
「あー、もうダメだ。寝る。」っていうね。まあ、それが喋りの間だった場合はね、かなり悲しいものがありますけどね(笑)。
曲の間っていうね。曲の間、「さあ、寝てください。」って、おやすみなさいの時間が来ますからね。
今のAca Seca Trioだって3分ちょいとですけど…気持ちよくて寝ちゃいますよね、眠い人は。


(中略)


てなわけでですね…こうダラダラ喋ってる間に時間が来るわけですね。
で、この間も、寝る方は「ネル!」って(笑)。カタカナでいいですよ。「ネル」って。
変換なんかしてる暇ないでしょ。もう寝て落ちていくんだから。だから「ネル。」っと(ツイッターに)書いていっていただきたいわけですけども。
ま…ジャズってのは、わざわざポップじゃなくしてる…斜に構えた音楽ですよ。簡単に言うと。
「いやぁ〜、ジャズはポップだし、ジャズの中にものすげえ盛り上がる要素あるよ。ただ単にジャズは、その使ってる言葉がロックだとかと比べて難しいだけ。だから、その言葉さえ分かれば、ジャズってのは気取りの無い音楽だ。」とか言う人いますけど、ですからね、あれ。
ジャズはわざと斜に構えてます。間違いなく。うん。
だから、ジャズを「ケッ!…もっと素直にポップにやればいいのに、斜に構えやがって!」って言ってる人のほうが正しいと思いますよ。
ただ、言うほど斜に構えてないんですけど。悪気はないんですよね。
斜に構えた感じが…素直だと思っちゃってるの、もう。時間が経ち過ぎちゃって(笑)。
何て言うんですかね…柱が斜めってるのが普通だと思ってる家の子みたいになっちゃってるんですよ。ジャズってのは。
だから、今更ピュアに戻って、「ビートルズと比べて、ウチらは斜に構えてる。」っていうふうな、初々しい気持ちになれなくて。もう斜に構えちゃってるのが伝統なんで。
もう親の親の親の…御先祖様から、ずっと斜に構えちゃってるから、「俺は素直にジャズ好きだよ。何にも斜に構えてないよ。」って思っていながらも、体が斜めんないように、かしがっちゃってんですよね(笑)。
だから…つまり何が言いたいかっちゅうと、ジャズ好き以外の人が聞くと、退屈になる可能性をすごく持ってるんですよ、ジャズは。
そこに…陰性の感情というの?…腹立てるか、「ちょっと良いな〜。」って思うか、「いやぁ、よくわかんないな〜。」って感じで距離取るか、いろんな感情的な反応はあると思うんですけど、いずれにしてもジャズが…
素直な人たちが演ってんだけど(笑)…素直で真面目な人たちが演ってんだけど、もう最初からやってる事が斜に構えちゃってるんだっていう…ものだっていうふうに思っていただいて結構です。「ジャズなんて全然知らないよ。」って方は。
「あ、そうか。斜に構えてんのか。最初から。」って思うと、そういう美学もありますよね。うん。
ちゅうわけで、そのジャズの「斜に構え感」によって、「ネル。」「ネル。」の連投…ね。で、そのリツイートっていうんですか?…「リツイート」が何かもわからず言ってますけどね。
「ネル。」がリツートされるってことは、「俺も寝る!」ってことなんですか?…よくわかりませんけどね(笑)。眠気がリツイートされていく…っていう。

「みんないいやつ。でも怒ってる。」

「粋な夜電波」第370回はフリースタイル。
いつも以上にリラックスして、とりとめもないトークを。
「たで食う虫も好き好き」どころか、「適当〜な回が一番面白えんだよ!」というリスナーは、夜電波リスナーの主流だと思います(笑)。
タクシー乗ってた時のちょっとしたトラブルのエピソード、カットにならかったようなので文字起こししてみました。

Arise [帯解説 / 国内仕様輸入盤CD] (BRBW162)

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シェニア XENIA

シェニア XENIA

まあ、ね…これも放送でね、もう思い出したから言っちゃいますけど、ギリギリですけどね。ヤバかったらカットしてください。
こないだタクシー乗ってて、ほいで…運転手さんの腕章に…「研修中」でいいのか、「研修中」って書いたでっかい腕章を巻いてるメガネかけた…非常に真面目そうなね。
ほいで、ワタシ乗ってました。新宿の南口に向かおうってんで、え〜そうですな、郵便局の方から…ローカルな話になりますけど、新宿郵便局のほうから…こう…左折するかたちで甲州街道に出て南口に向かおうとしたところの左折コーナーで、相模原ナンバーの車がグーッって付けて来たんですよ。ンニューッっつって。
で…まあまあまあ、アタシが乗ってたタクシーの運転手の子もね、上手とは言えないから…だから…上手とは言えないっつったって、「おい、君。危ないよ!」っていうハンドルさばきじゃなかったですよ。普通だったんだけど。
まあ、ちょっと一手…遅さが出たんでしょうね。研修中ぶりが。
したらね、それにちょっとイラついたんでしょうね。年の頃なら25〜6歳ですかね。まあ、車高は下げてませんでしたけど、車種とか言いませんけどね。
信号で止まったら、バーンッ!って降りて来たの。運転手が。
ほいでまあ…ギリギリですね、これ。ガンガンガン!…ガンガンガン!…っつって(笑)。
運転手さんが開けるじゃないですか。
「テメエ、この野郎。どういう曲がり方してんだ、オンドリャー!」っつって。ブッチンブッチンに…ブッチンプリンがね(笑)…ブチブチにキレてるんですよ。
そいで「あー、キレてるな、キレてるな〜。」と思って。
ほいで、もう唾が飛んで来るぐらいの感じで。運転手さんに。
「名刺出せ、名刺。オラァ!」っつって。
「いや、もうほんと。勘弁してください。名刺持てる…あの、私…こういう研修中で、名刺なんか持てる立場じゃありませんので。」
「じゃあ、免許証出せ。免許証!」っつってんですよ。
で、「いや…もう、ほんと勘弁してください(泣)。」って、泣きが入ったんで。
で、泣きが入ったから可哀想だったって事にすれば、アタシも少しは善人ってことになるんですけど、まあ…あんま関係ないです、それは(笑)。
もう気が付いたらね、後ろの席から…前のウインドウが開いてるでしょ。怒鳴り込んでる青年に向かって、
「いや、でも…コスってないですよね。」って言って。ニコニコ笑いながら。
「擦ってるわけじゃないですよね。」っつって。
で、Tシャツだったんで、まあ…見えてるわけですよね。ガルーダが(笑)。見えてるわけなんですよ。
で、「コスったぁ?」って、ニコニコしながら、その怒鳴り込んでる相模原の子を見たの。
したら…パッて逃げて。その子が(笑)。
パッて逃げて、信号が青になった瞬間に、ものすごい速さでブワーーンッ!って走ってったんですよ。
そしたら…XXXX(自主規制)…ピューンって南口のほうに、ルミネのほうにいなくなっちゃいましたけどね。
「お客さん、ほんと勘弁してください。」っつって。
「だいじょぶ、だいじょぶ。あのぐらい言っといたほうがいいの。どうせ聞こえてないし。」ってね。
「少し…大人になると溜まってくるもんなんでね。今日はスッキリさせてもらったんで。」なんつってね。「ありがとう。」っつって、肩揉んだりしたりなんかして。これ、本当に肩揉みましたけどね。
「いや、もう…ほんと…やめてください(泣)。」っつって。
「なんて日だ!」って感じになってましたけどね。
まあ…「あの時は怖かった。なにせ菊地さんが笑ってた。」ってね。同乗してた人が(笑)。
同乗者が「菊地さんがニコニコ笑い出したんで、ヤバい!と思いました。」ってね、ODが言ってました(笑)。
はい。なので(笑)…ヤバイな〜と思いましたけどね。ほんとに。
ここ、ダメだったら全カットで構いませんけども。その分、何か1エピソード余分に話さないといけないですね。だいぶ時間遣っちゃいました。はい。


(中略)


…全然ディスってないですよ。いい奴です、カマシ(・ワシントン)は。ほんとに良いヤツでした。
あのねえ…ブラック・ミュージック…アフロ・アメリカンのジャズミュージシャンに、嫌な奴一人もいない。ほんと。全員いい奴。
ただ、怒ってるけどね。いろんな事に(笑)。
俺が怒らしてるわけじゃないから。うん。
俺が軽く…笑いながら怒る人になった…竹中直人さんじゃないですけど、俺が軽く車の中で笑いながら怒る人になったのは、たかだか相模原のいち青年がイキっただけの話ですよ。
それに対して、国家的な問題として怒ってるわけです、彼らはね。
だからもうアタシたちみたいに、カラードに…同じカラードですよ、こっちは黄色ですから…なんかと、ハグなんかした日にはね。もう…あったかい、あったかい。うん。
すごいですよ。泣いちゃうエピソードいっぱいありますよ。ほんとに。
あるブラック…誰かとか言いませんけどね。
「キクチ、ずいぶん痩せたな。お前どうしたの〜?」っつったら、全然関係ない…ほんとは関係ないんですけど、事実だから言ったんだけど。「去年、母親が亡くなってね。」っつったら、もう…
「…悪かった。聞いて。」ガッツリのハグですよ。もう1分間ぐらい。ガッ!っつって。もう…「伝われ、俺の心!」って感じでね。ヴァイブスがきてね。
「いやいや…ほんとは関係ないのに。なんか…いちびっちゃってゴメンね。」って感じだったですけどね。
まあ、ほんとにいいヤツばっかりです。

「デパートを制した男。」

「粋な夜電波」第369回放送は、「デパートを制した男」と題してデパートにまつわる音楽を選曲。
イセタニアンの菊地さんが、館内音楽を選曲した時期には伊勢丹になかなか行けなかったという話をされた部分を文字起こししてみました。

MR.LUCKY + MR.LUCKY GOES LATIN

MR.LUCKY + MR.LUCKY GOES LATIN



えーとですね、今回はまあ…音源集めが楽しかったっていうだけの理由で、いちおうテーマとしては「デパートを制した男」。
ワタシね、まだ記憶に新しいですけど、SPANK HAPPYの再デビューが、非常にありがたい事に三越伊勢丹さんの5月のグローバル・グリーンキャンペーンのキャンペーンソングとして採用されまして。
そのキャンペーン中には「夏の天才」…SPANK HAPPYの曲のみならず、館内音楽…これ夢だったんですよね。夢って簡単に叶っちゃうと、つまんないね(笑)
「つまんないね。」って言っちゃいけないですよね。大変光栄なわけですけども。
ぶっちゃけ行けなかったですね。期間中は。
期間の…今日始まったって時と、終わりって時に、せめてODと一緒に記念撮影しとかないと、何も残さないってのもなんだから…っつって、さすがにそれは行きましたけど。期間中は恥ずかしくて行けなかったですね。自意識過剰だって言われるかもしんないですけど。
ほんとはね、ニンマリしたかったんですよ。もうワタシが「イセタニアン」になって40年以上経ちますからね。
伊勢丹エスカレーター上りながら、さっき聞いたばっかりのね…「ヘンリー・マンシーニの『Mr. Lucky』とか聞くんだ!」…ていうね。「デューク・エリントンとか聞いていくんだ!」…っつって。
こう…頭の中ではそれこそ架空消費じゃないですけど。
デパートってのはね、今では当たり前ですけど、買わないんだけど、頭の中で「あれ買って、これ買って…。」って、みなさん計画して楽しんだりするでしょ。そういうその…自己沈潜っていうか、人間が自分の中に閉じこもっていくいうことの、きっかけの一つですよね。その…架空消費は。それはデパートが出来るまでは、この世に無かったわけですよね。
ま、一番人間を自己沈潜させて、集団から切り離した物は、書物だって言われてますけどね。
だからまあ…電車の中でiPhone…ワタシの世代だったらウォークマン、「あんなもんかけてるんじゃねえ!」とかいう問題じゃないですよ。最初から人間はね…グーテンベルグの頃から、自分に閉じこもる…っていうね。そいで外側の掟から隔離されて独りになっちゃうっていう生き物なんで。今さら止められないわけですけども。ま、そんな話はともかく。
やっぱね、本当に子どもの頃からの夢。で、子どもの頃からの夢が叶うと、やっぱり人間…感無量っていうかね…っていう感じになって(笑)。その…感動したりするものなんでしょうけど、やっぱ舞い上がっちゃって。
「これとこれとこれをかけてください。」っつーんで。で、「これが伊勢丹で流れたら最高だ!」って思ったものをいくつか集めて…ね。自分が聞きたいやつですよね。
で、さらにそのうえに、自分と…自分だけじゃないODと共作ですけど…一緒に作った曲が流れて、自分の歌が流れるわけですよね。さらには御丁寧なことに、なんか余所行きの声出しちゃって、「5月は爽やかな夏の気分…。」とかって(笑)…今、真似しようかと思いましたけど、長くもたねえなと思ってやめましたけど。比較的眺めのテメエのナレーションが、周期的に流れるんですよ。
で、その期間中はね…やっぱ恥ずかしくて伊勢丹行けなかったですね。はい。
長い伊勢丹活動を、自分が選曲してた時には行けなかったってやつですけどね。
ワタシはあれですよ、ほんとに伊勢丹ファンが高じて、今無くなっちゃったんですけど、「伊勢丹通信」っていう小冊子が上顧客用に…伊勢丹カード持ってる人かな?…用に配られる小冊子があったんですけど、それで唯一署名でエッセイ連載した人間でもあるんですよ。だから、結構なイセタニアンだったんですけど。
「だから、SPANK HAPPYのタイアップが来た。」とか、そういうふうにね、話がきれいに繋がってないんですよね。いろいろ企業もでかくなると、いろんな事が別口でね、別々の方角からいろんな話がきたりするんで。だから別口だったんですけど。
まあまあまあ…その期間も終わりまして、やっとワタシが自分の中で…「自分が伊勢丹の館内音楽とキャンペーンソング!」とかいって…わちゃわちゃしてる時期も終わって、落ち着いてきたといったところですけどね。はい。
その時に選曲したもう1曲、これなんかは…
さっきのね、「Mr. Lucky」は絶対バッチリ合うじゃないですか。現に去年の冬のバーグドルフ・グッドマンで流れてたんだもん。だから…やっぱNYはNYでいい選曲しますよね。こういうのはベタですよね。で、ベタがあったら、やっぱり外しがないとダメなんで。
で、この曲はね、一見ちょっと暗いしアバンギャルドな…naomi & goro & 菊地成孔…ワタシもちゃっかり入ってるんですけど。「calendula」ってアルバムが出てて。
懐かしいですね、震災の時が製作中だったんで。HDが余震によって何回も…
あ、今日ね、この事最初に言おうと思ってたの。
この番組は、どこか…日本のどこかで、ま…世界…日本の外でもですけど、なんか大きな災害があった場合は、鎮魂のために…たくさん人が亡くなった場合とかね、鎮魂のためにDJをやって。熊本の時やりましたよね。…やったりしたもので、それがこの番組のマナーになってました。
大阪の被災された方、ほんとに…何と申しましょうか、軽口は叩けないですね。ただ、ワタシは信じています。大阪の皆さんが、辛気臭い…なんか重々しいDJよりも、楽しい話のほうが好きだろう、と。和むだろう…という判断をもって、今日は相当雑な面白おかしい話をする回にね(笑)…しましたけども。大阪に届け!という…ね。
ま、大阪から一番遠い文化圏というかね、極東ですからアタシ。東京より東ですからね。日本の最東端、一番最初に日の出が見える街ですからね。一番最初に日の出をイルカと一緒に見る場所です。ええ。子どもの頃は、そのイルカも食ってたりしましたからね(笑)。今の常識じゃ考えられませんけどもね。
ま、そういう一番極端な…西の都、んで…最東端の漁師町の人間として、「大阪に届け!」という気持ちでやっておりますが。
これはね、外しの曲ですね。「これがデパートに流れたら、暗くなっちゃうんじゃないの?」と思うかもしれません。でも、想像していただきたいんですけど。特に新宿本店に行かれる方は、そうですね…楽しい曲の合間に、これがちょっと…そうですね…「ReStyle」とかね。「ReStyle」はちなみに…伊勢丹が誇るセレクトショップですけどね。「ReStyle」の一角、あるいはそうですね…「コム・デ・ギャルソン」とかね。あるいはそうですね、日本人の…パリ・コレで展開してても、日本人がやってるブランドあたりで、これが流れたりすると、ちょっといい雰囲気。買い物してても、ゾクゾクするんじゃないかな〜っていう感じで選曲しました。ブリジット・フォンテーヌの曲です。naomi & goro & 菊地成孔で、アルバム「calendula」より、部ブリジット・フォンテーヌ作曲の「Brigitte」。


calendula

calendula

「コントの台本さえあれば、どこへでも!」

「粋な夜電波」第368回放送はスペシャルウィーク。「聴取率の女王」こと、古谷有美アナウンサーとお届けした1時間。
今までこの番組ではやらないと誓っていたタブーを次々に破っていくという、スリリングな回となりました。
番組後半、菊地さんが急に欲しくなった、ある賞とは?…トークの一部を文字起こししてみました。

コンシャス・トゥリー

コンシャス・トゥリー

菊地 え〜…「おじさん」続きじゃないんですが、最後にこの番組のタブーである「他局の番組の話」をさせていただきます。
古谷 きました!(笑)。はい、お願いします。
菊地 はい。これはですね、えっとね…「東スポWEB」から直接抜いたものです。
古谷 ん?…はい。
菊地 69…だから、おじさんというか、おじいさんですけどね。
古谷 ほう、ほう。
菊地 ノーベル文学賞に候補として何度も名前が挙がる世界的作家の村上春樹氏が、TOKYO FMのラジオ番組に初出演し…
古谷 あっ…そうでしたね。
菊地 はい。「…DJを務めることが発表され、放送・出版・広告などの業界が、ちょっとした騒ぎになっている。
古谷 ふむ。
菊地 村上氏が出演するのは、8月5日に全国38局ネットで放送される『村上RADIO 〜RUN & SONGS〜』。」…あの…走る方ですからね。
古谷 走るのがね、お好きです。
菊地 作品にも都度都度出てくるが、村上氏はジャズを中心に音楽にも詳しく、過去にはジャズ喫茶を経営したこともあるほど。
古谷 ふん、ふん。
菊地 フルマラソンにも数回出場するなどランニング歴も長いことから、収録には実際に走る時に携帯しているiPodに入っている曲も紹介する予定だ。
古谷 ほーう。
菊地 『メディア出演嫌いで知られた村上さんを、ラジオ出演も初だというのに、いきなりDJデビューをさせる。そればかりか、構成や番組テーマ、選曲も自分でするんです。気合いの入り方が半端じゃないんです。TOKYO FMの大金星といっていい。』(テレビ関係者)」…ま、おそらくジャズを中心に村上さんが構成するフリースタイルの番組が始まるんですけど。
古谷 あら?…なんかどこかで聞いたことのあるような…番組になりそうですよ。
菊地 (笑)。村上春樹さんは、大西順子さんて方の応援団長でもあって…
古谷 あ、そうなんですか。
菊地 ワタシが大西順子さんの復帰のアルバムのプロデュースをやっている関係上、知己があります。
古谷 あら。
菊地 はい。荻上チキ…があります。
古谷 チキさんがあると。
菊地 はい。あるわけですね。村上さんとは何度かお話させていただいた事もあるんですが…。
古谷 ははあ…じゃあ今頃、村上さんはもしかすると「粋な夜電波」の過去の録音をいっぱい聞いてらっしゃったりするんじゃないでしょうか。
菊地 そうですねえ。ま、そこまで…ドサッと言っていただけると…(笑)。
古谷 (笑)。
菊地 何とも言えませんけどね(笑)。
古谷 だったら嬉しいなあ…みたいなね。
菊地 だったら嬉しいって話ですけどね。
古谷 ねえ。
菊地 何が言いたいかっていうと、ノーベル文学賞、欲しいな。」っていうね(笑)。
古谷 …そういうところが、「トランプと似てる」って思うとこじゃないですか?
菊地 そうですね。あのね、欲しくなったんですね。全然欲しくもなんともなかったですよ。文学なんか書く気もなんともなかったんですけど、この一報を見た瞬間に、ワタシがパッと思ったのは「ノーベル文学賞、欲しいな。」ってことですね。そして、ノーベル文学賞の受賞者であるボブ・ディラン氏がFUJI ROCK FESTIVALに出演されます。
古谷 あっ、決まったんですか。
菊地 はい。ヘッドライナーとして3日目に出演されますが…
古谷 うわあ。すごい。
菊地 その日の最後に出演するのが、DJ菊地成孔SPANK HAPPYだっていう。
古谷 ほんとですか!(笑)。
菊地 ボブ・ディランと会いたいですよね(笑)。
古谷 えー…だって、授賞式に顔を出さなかったと、散々ニュースで報じられた、あのボブ・ディランさんが…
菊地 そうですね。はい。フジロックですよ。
古谷 なんと。
菊地 ま、スパンクハッピーの話は、ガチでどうでもいいんですけど、ボブ・ディランが来ます、と。
古谷 すごいなあ。
菊地 そして村上春樹さんがラジオ…おそらくジャズ中心にかけると思うんですよね。
古谷 (笑)。
菊地 今日もね、時間が無いから読まないですけど、こっから先はさすがに古谷さんは御存知ないだろうというネタになりますけども。
古谷 はい。
菊地 ジョン・コルトレーンの発掘音源などが出てきて。
古谷 ふうん。
菊地 まあ、今ジャズファンは、それをラジオで聞いて解説してほしいと思った場合…
古谷 はい。
菊地 ま、驕って言ってるわけじゃないんですよ。ほんとに事実として言ってるだけなんですけど…
古谷 ええ。
菊地 そういう方は、ワタシに頼るしかないんですよ。
古谷 へえ〜。
菊地 ジョン・コルトレーンの発掘盤が出た…これをどうコメントして、どうやって流してくれるのかっていうのを、一番上手にやる…一番も何も二番手がいないんで。
古谷 はい。
菊地 ワタシに頼るしかないんで。
古谷 菊地さんの独壇場ってことですか。
菊地 いっぱいきてるの。でも、これ…村上さんに頼んでください…っていう(笑)。
古谷 (笑)。ええっ、明け渡すんですか、そこ。
菊地 明け渡すしかないでしょう、だって!
古谷 そうですか?
菊地 もうジャズはいいんじゃないですかね。村上さんが特集…昔はね、長い間裏番組が小曽根真さんだったりとか…
古谷 ええ。
菊地 いろんなジャズ…裏番組っていうか斜め裏番組ぐらいかな?…が小曽根真さんだったり、いろんな時期があったんですけど。
古谷 うん。
菊地 もう一人また一人…と、雪山の遭難のようにいなくなってですね。とうとうジャズミュージシャンがやってる、あるいはジャズ評論家がやってる番組ってのは、ほぼほぼ無くなっている現状に突如…
古谷 そうなんですねえ。
菊地 村上さんが起用され…起用というかね、御本人からやって来たと…いう。
古谷 いやあ、でも…どうします?…菊地さんももちろん本も書かれたり文も書かれたりしますけど、村上さんはそれが本業の方じゃないですか。
菊地 そうですね。
古谷 もし御自分の番組の中で…コントなるものを入れてこられたら…
菊地 はい。
古谷 ちょっと我々、負けられないですよ。それは。
菊地 古谷さん、出向しそうですけどね(笑)。
古谷 さすがに他局…
菊地 さすがにそれはないですよね。
古谷 さすがに他局…出られないのかなぁ〜。
菊地 えっ…「コントの台本さえあれば、どこへでも!」って人なの?(笑)。
古谷 (笑)。
菊地 そういうキャラだったんですか。
古谷 いや、だって今日は…なんかほんと「コントだな。」と思って…
菊地 はい。
古谷 ここに来る前に、家でちょっといい感じの音楽を聴きながら、「今日、どういうテンションかな。菊地さんの台本(ホン)…。」と思って。
菊地 はい。
古谷 こう…自分の中でなんとなく作ってきたわけですよ。もう、本番前の…試合前のアスリートのような気持ちで。
菊地 はい。
古谷 もう「最高だぜ!」って感じで来たんですけど…。
菊地 いまだに伝説になってますからね。お三人がやった…
古谷 いや、それほんとに。「聞いた!」っておっしゃってくださる方が周りにも多いんですが…
菊地 はい。
古谷 今日「(コントが)無い。」って言われて、なんか…ね。
菊地 (笑)。
古谷 肩透かし食らっちゃったよ!…みたいな。
菊地 はい。…と言いながら、今日最初から最後まで台本の可能性がありますからね。
古谷 あっ…みなさん、お気づきじゃないかもしれませんけど、台本の可能性…ありますからね。
菊地 はい。ありますよね。というわけで、今日はフル台本ということでですね。1時間のフェイク・ラジオコントというか…
古谷 フェイクニュース!(笑)。

アンプ・ドッグ・ナイツ

アンプ・ドッグ・ナイツ

「金をドブに捨てたい男。」

「粋な夜電波」第367回はアフリカ音楽特集。
他ではなかなか聞けないアフリカ音楽を紹介しながら、メールもたくさん読まれた、リラックスした回になりました。
番組後半、「Amazonプライムで観ようと初めて音声入力した、そのワードは?」という話題になったところを文字起こししてみました。

BLACK TIMES [帯・日本語解説付国内仕様盤]

BLACK TIMES [帯・日本語解説付国内仕様盤]

はいどうも、「菊地成孔の粋な夜電波」。ジャズミュージシャンの菊地成孔が…
そう〜ですね。まあ、自分のことを一言で言い表すと、「あなたのキャッチフレーズは?」「あなたどういう人ですか?」と言われた時に、ま…「金をドブに捨てたい男」(笑)。
これは今思い付いたんですけどね。自分の人生って、どんな感じだったかな?と思った時にね、やっぱ「金をドブに捨てたい男」なんだっていうことを思い付きますね。
どっちかっつーと、金遣いは荒いけれども、金遣いは上手いほうなんで。なかなかドブに捨てられないんですよね。
あのね、博打さえやってればね。またやろうかな、麻雀。
なんかねえ…ツレが変な物買ってきちゃって。あの…Amazonプライム?…なんかよくわかんないですけど、変なスティックみたいなの買ってきて。押すと何でも観られるやつ(笑)。
説明として、こんな雑な説明があっていいのか?っていう感じですけど(笑)。押すと何でも観れる棒を買ってきたんです、黒い棒を。
それに向かってね、こう…何か言うんですよ。あれは何て言うんですか?…Siriとかのメカニズムを使ってるんですかね。こう…パチッと押して、例えば「ウッディ・アレン。」って言うと(笑)、ウッディ・アレンの映画がざーっと出てくる…といった棒を買ってきたんですね。
で、あの棒で何を観たか?…ワタシがまず何と発音しようか。輝かしき自分の人生の中の最初の音声入力を…何にしようか?って考えた結果ですね、ワタシが何と発音したかわかりますか?
え〜…ラジオですから、すぐ答え言いますけどね。パッ!…麻雀放浪記。」ってね(笑)。
和田誠さんの(笑)…「麻雀放浪記」が観たくて。そしたら出てきましたよ、すぐ。ボワ〜ンっつって、ね。
坊や哲、女衒の達、出目徳、ドサ健…この4人のね、決闘と言っていい徹マンがね。最後は出目徳が死ぬんですけどね。「死んだ奴は裸になるんだ。」っつって。あれが観たくて「麻雀放浪記。」っつって。
まあ、ほんとに便利ですけど怖ろしい世の中になりましたけどね。「あの黒い棒にはあんまり触るまじ。」という感じで生活してるわけですけども。
ま、「麻雀放浪記」は良かったですけどね(笑)。やろうかな、久しぶりに麻雀。そしたら、ま…金ドブに捨てられますよね。ほんとに。
麻雀…博打ほど「金をドブに捨てた感」ないですね。だからまあ…要するに博打を失っているわけです、今ワタシは。
場外馬券売り場は新宿にもありますしね。ボートレースだって、何だってやりゃあいいんですけど。今、ちょっとやってる時間が無いんですよね。なんで…時間さえありゃやるんですけどね。やりてえなあ、博打。てか、麻雀打ちたいですね、とにかく。
それこそ先週、リリー・フランキーさんと是枝監督が羨ましい…それはどうしてかっていうと、ケイト・ブランシェットに褒められたっていうのと、カンヌで『Le Famille de MANBIKI』っていうのはヤバかったな…って思って(笑)。「万引き家族」っていうのを、「万引き」は訳せなかったんだ…っていうところに羨ましさがあったんですよね。あんな感じで言ってほしいなって。
ま、ワタシなんかは褒められたところで、ゴールデン街のママに「アラーキー役、よかったよ。」と言われただけ…というね、話は先週させていただきましたけど、カットされているかもしれません。
ですが…そんなワタシですけど、何を言おうとしてたんだろう。だから「金をドブに捨てたい男」…そんな菊地成孔TBSラジオをキーステーションに…まあ、いいや(笑)。

Earthee

Earthee

「不発コーンに注意!」

「粋な夜電波」第364回放送はフリースタイル。
先日の「GREAT HOLIDAY」の疲れが抜けきれないまま、ゆるーくお届け。
シネコンが好きだという話と、収録の見学に来られた番組スポンサーを紹介した、冒頭のトークの一部を文字起こししてみました。

ア・サウザンド・スカイズ

ア・サウザンド・スカイズ


VESSEL OF LOVE

VESSEL OF LOVE


Children of Nu [日本限定CD]

Children of Nu [日本限定CD]

はい。「菊地成孔の粋な夜電波」と申します。ジャズミュージシャン、そしてですね…
まあね〜…先週だったか先々週だったか、ディズニーランドの年間パスポートを持ってるっつったら、すごい驚かれたんですけど、そんなに意外ですかねえ。
えー…ジャングルクルーズに乗りたいんですよね(笑)。ま、それはともかく。
こっちのほうはあまり意外だと思われないかもしれませんが、ディズニーランド以上に好きなもんがあって、それはシネコンなんですよね。シネコン好きです。
えー…ワタシの何て言うんですかね、縄張りていうかレペゼンていうか、新宿ですので、シネコンっちゅうとバルト9、それからピカデリーTOHOシネマと、3つあるわけですよね。シネコンがね。
ま、この3つ…そうですね、これ言うとさすがにね、好きだって言っても驚かれるかもしんないですけど、週3ぐらいで行ってますね。シネコンって夜中もやってんの。だから夜遊びしてる人間向きなんですよ。
1時から「アベンジャーズ」観たりとかできるんですよね。なんで、終わると3時ぐらいになってるんですけど。
行ってますね。昨日も行きました。
昨日はね、カリフォルニア…いや違う違う…カリフォルニアじゃねえや、えっと…「フロリダ・プロジェクト」っていう映画、ウィレム・デフォーが出てる映画なんですけど、めちゃめちゃ良かったですけどね。
ま、映画の話する番組じゃないんで、それは置いとくとして(笑)。
シネコンがとにかくものすごく大好きで、で…シネコンで何すんのが大好きって、もちろん映画観るのが好きなんですけど、シネコンでポップコーン食うのが好きなんですよね。
シネコンが好きでポップコーンが好きなんて、「ダブルコーン」だと思うんですけど(笑)。あの…昔、ダブルコーンって言うとサーティワンアイスクリームとか思い出しちゃいますけど。
だいたいシネコンって、通常の…何っつったらいいかな…シンプルポップコーンと別に、一袋一袋包まれて出てくる高級ポップコーン…プレミアムポップコーンってのがあるんですね。「プレミアムキャラメルポップコーン」とかいう感じで。
ほいで…まあ…ね、そのぐらい贅沢させてよ〜って感じで。
ワタシもう…車も乗りませんし。免許無いですからね。車も乗りませんし、土地・不動産買ったりもしませんし。まあ…遣える金はポップコーンぐらいかなって感じなんで(笑)。プレミアムポップコーンぐらい買わせてくれよ!って感じで、買うんですけど。
あれ、袋に入ってるのね。ま、最近特にダイエットしてるということもありまして。ダイエットっつってもね、ガッツリやってるわけじゃないんですけど。少しずつ少しずつ…こないだの「GREAT HOLIDAY」に向けて、体重を落としていったんで。
ポップコーンも…プレミアムポップコーンって、御存知の方も多いと思うんですけど、小袋なのね。うん。
小袋(笑)…最近ね、サングラスかけると「お前はコブクロの大きいほうと小さいほうを一つにした感じだ。」って言われることがよくあるんですけど(笑)。全然、話…横道に逸れまくりですけどね。
サングラスにして、グリースでオールバックにすると、特に言われるんですよ。はい。
コブクロの大小を一人でやってるジャズミュージシャン」ですよね。奇跡と言っていいんじゃないですかね(笑)。…何の話してるか、わかんなくなっちゃった。
えーと、だから小袋に入ってるんです。で、一般的なポップコーンはデカバケツに…バケットっていうか、紙のね…もうLサイズなんてすごいですよね。アメリカ人じゃないと食えないっていうぐらい。
それでもね、小袋のポップコーンが食い切れないんですよ。その代わり、家に持って帰れますよね。カップに入ってるんじゃないやつ。
で、家に持って帰ってみたの。そしたら…ま、よくある話で、これたいしたオチじゃないんですけど。
小さい能書きっていう…まあ、「#(ハッシュタグ)小さい能書き」でまとまるんじゃないですかね。えー、よくわからずに「ハッシュタグ」とか言ってしまいましたけども(笑)。まとまると思うんですけど。
あの…小さい能書きってわかりますか?…CMとかの一番端っこのほうに、もう読めないぐらいの字で、「この効果は個人のものであり、保証はできません。」とか書いてあるじゃないですか。ああいう、もう小っちゃーい、見えないぐらいの能書き…を、「小さい能書き」と。そこに言い訳めいた事が書いてあるんですけど。
そのポップコーンの袋見たらね、ものすごく小さく…だってワタシなんか老眼鏡ですから…それでもね、老眼鏡を思いっきり…何ていうんですか、老眼鏡って、特に遠近両用のは下のほうが老眼の度合いが強くなってますから、思いっきり眼鏡吊り上げて見ても、読めないぐらいの字で…
「周りの方に御配慮いただき…」…これ今から、書き写したのを読んでるんですけどね、「周りの方に御配慮いただき、シアター内で袋を振る行為はお控えください。」(笑)…要するにシャカシャカってやる…ね。
シャカシャカだと思っちゃうんでしょうね。プレミアムポップコーンですから、もう味付いてるんですけど、袋に入って上が封で閉じられてるっていうだけで、振りたくなっちゃう人がいると思うんですね。
「袋を振る等の行為はお控えください。選別には十分注意しておりますが、稀に製作中に弾けていないコーン(不発コーン)が混ざる場合がございます。不発コーンは大変固く、歯や歯茎を傷める危険性がありますので、お食べにならないよう御注意ください。」って書いてあるんですけど(笑)。
こんな小さいうえに、映画館の暗闇で見えるわけないじゃん!っていう話で(笑)。
…ていうか、「見えるわけないじゃん!」っていうんだったら普通の話なんですけど、やっぱり「不発コーン」っていう、せっかくの名コピーがあるので、でっかく書いてほしいですよね。
袋一面に「不発コーンに注意!」っていうね。不発っていう…弾けないやつね、ありますよね。確かに固いです。ワタシあれ好きですけど。
ワタシ歯が丈夫でね。いまだにCDのパケとかね、洋服のタグとか全部犬歯で切ってるんですけど。
テメエの犬歯が使えなくなったら、「もう老け込んだな。」と思うようにしてるんですけど。何でも歯でやっちゃうんですよね(笑)。
そこはなんか…育ちが悪ぃんだか、まだ気が若いんだか、なんだかわかりませんけど。歯でやっちゃうんだけど。
不発コーンなんか、全然歯傷めませんよ。カリッとね…美味しく不発コーンをいただいてますけど。鳥になった気分ですよね。あれね。
…とまあ、そんな、プレミアムポップコーンの下に小さな能書きがある事に気がついた菊地成孔が…TBSラジオをキーステーションに全国にお送りしております。
先週・先々週と…手前どものレーベルであります「TABOOレーベル」のショーケースライブに関する特集を…私物化させて…といっても、毎週私物化だって話はしてるんですけど。特に私物化させていただいて宣伝させていただきまして。
おかげさまで満員御礼賜りまして、ありがとうございました。
というわけで、今週はまた…のんびりとですね、特に気合いが入った特集も無く、夏に向けて調子のいい曲でも…っていう感じで、4曲集めてきました。フリースタイルですけども。
そうですね…まだね、届くんですよ。ウザがってるわけじゃないですよ。まだ届きますね。スペシャルウィークの阿南さんが出たラジオドラマの感想が。相当きてますね。
こんなに一つのコンテンツが後引いてるってのは、この番組8年やってますけど、初めてじゃないですかね。ま、今日は読みませんけどね、さすがに。でも、まだまだきてるんですよね。
で、先週も申し上げました通り、ワタシの…何っつったらいいんですかね、いたずらっ子っていうかバカっていうかね、意地悪ぃっていうか、あるいは優しいっていうか、よくわかんないですけど…自分でもよくわからない自分の属性として、まあ…こんだけ評判がいいと、期待するのは「数字が取れなかった」って事ですよね(笑)。
数字落としたいっていう気持ちが(笑)…言っちゃいけない考えちゃいけないんですけど、人間「ダメダメ!」って言われてるほうが、思っちゃいますよね。だからね、どうしても「そんな事考えちゃダメ!」って。そんなもう…長谷川さんもいるわけですし、戸波さんもいるわけですから。スタッフもいるなんで。それより出演された方もいるわけなんで。
「もうこれはぜひ、数字を取っていきたい!」って思わなきゃいけないんですけど、「…落ちねえかな。」って思ってる自分がいることを隠しきれないですよね(笑)。
発表は来週で?…来週いよいよ発表します。
場合によっては、またもや同時間帯一位に君臨。場合によっては※(米印)に転落ですよね。
何が起こるかわかんない…相場の根本がグラグラきてる時間帯ですから(笑)…何が起こるか本当にわかりませんのでね。はい。
今日はね…あれですよ、だってどんなに数字が落ちたって、我々には西田さんが付いてますからね(笑)。番組は継続します!…そういう意味では。
これはなぜこういう話をしてるかというと、今日は何ていうんですかね…特別な…予告も無くと言いましょうか、西田さんが(笑)…ブランド名的には「Nobuko NIshida」さん…西田信子さんが、和装でですね…素晴らしい…もう「赤坂、どちらかお仕事のお帰りですか?」って感じで、和装でですね…ブースにいらっしゃってですね。あ、サブにいらっしゃって…ブースにはいねえや。ブースはワタシ一人ですけど。
サブにスポンサーが(笑)…しかも個人の単一スポンサーが来てる!和装で!っていう。
そもそも女性がサブにいる事が無い番組にもってきて、和装の妖艶な感じの女性がね…しかも世界的な鞄作りの職人さんというかデザイナーさんですよね。デザイナーさんであり、職人さん…アルチザンではある西田さんがいらっしゃってるということで(笑)。
まあ、数字がどんなに落ちても、西田さんがいれば大丈夫だ!と連呼してみました(笑)。

CLEO (CD)

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CU Again [ボーナストラック1曲収録]

CU Again [ボーナストラック1曲収録]

「TABOOレーベル誕生秘話。」

「粋な夜電波」第362回放送は、5/13のTABOOレーベルのフェス「GREAT HOLIDAY」の特集。
「TABOO」レーベルが立ち上げられたいきさつ、スパンクハッピー再始動に関する情報が語られたトークの一部を文字起こししてみました。

MY LOVE,WITH MY SHORT HAIR

MY LOVE,WITH MY SHORT HAIR

ま、そもそも…そもそもの話、ちょっとしましょうか。
えっとね〜…こんな話、今日しかしないと思うんで、そもそもしますけど。
ワタシのことを、自分でも名乗ってますけど「ジャズミュージシャン」として、「ちょっと難しげな…ね、普通の4ビート・スタンダードを演る、オーセンティックなJAZZではない、毛色の変わった…しかしJAZZを演るサキソフォン奏者」として認識されているという方もたくさんいると思うんですよ。
で、その活動の礎というか、基道としてずっとあったのは、私ずっとイーストワークスエンターテインメントさん…eweって会社があって、すごいたくさん日本のジャズ…インディージャズレーベルとしては最大にして、今はもう無くなったんですけど、無くなった今でもその功績は…別にアタシがいたからというのを除いても、他のアーティストの方を入れても、屈指のものが…澤野工房さんなんかと並んでね、屈指のものがあると思うんですけども。
そこにアタシ…10年ぐらいかなぁ…10年以上いたね〜…いまして。
その前はその会社にはお世話になってなくて、最初期のそれこそSPANK HAPPYですよ…SPANK HAPPYがさ、ど…どこだったっけな、レーベル?…忘れちゃった(笑)。キングレコードだ。キングレコードのベルウッドから最初出て。それからキング本社に移って…っていうのがSPANK HAPPYね。
そいでP-VINEっていうところから、初期のDC/PRG…当時DATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDENっつってましたけど…が出てた。「デートコース・ペンタゴン・ロイヤル・ガーデンとスパンク・ハッピーの人」だったの、ワタシは。
で、その時代が終わって、「ジャズに戻りますよ。」と。「ジャズをレコンキスタするんだ!」ということで、イーストワークスさんに入って、そいで「DEGUSTATION A JAZZ」「南米のエリザベス・テイラー」、ダブ・セクステット、ペペ・トルメント・アスカラール…という感じで、ジャズ活動に専念してたのね。
ほんで、今ワタシと一緒に「ビュロー菊地」やってる、ワタシの業務上の相方である長沼なんかは…一番最初はね、そのイーストワークスの社員さんだったんですよ。
そいで、いろんな方のマネージメントをやってらして、ちょうどワタシが入ってきたっつーんで、ワタシの担当になったんですよね。
それから二人三脚でずっと仕事してきて、ほいでイーストワークスさんが…ま、ね?(笑)…大変残念ながら、こういう時代ですから…経営難というか、クローズするに際して、しょうがないから二人で独立したんですよね。
で、二人で独立して、「さ、どうしようかな。」っつって、「自分たちでレーベルでもやりますか。今、別に…そんなもん…プレイヤーもミュージシャンもスタジオ関係者も、いっぱい知ってるわけだから。やりましょうよ。」ってことで、それで出たのが、例えば「TARADO」ですよ。菱田さんですよ。キラースメルズですよね。今やこの番組で名前言うのも懐かしいですけどね。
すっかり今、真人間となって面白味が消えてしまった(笑)…酒もやめた…酒と体調不良が完全に無くなった代わりに、面白さも消えてしまった菱田さんですけども。今、ほんとにいい人としてね、ライブとかもよく来てくださってますけど。まあ、その菱田さんのキラースメルズですよね。
あと、ジャズドミュニスターズの1枚目ですよ。結構売り上げたんですよね。
で、「あ、これいいね。」と思って(笑)。「インディーレーベルって、やると…タレントがいいとウハウハだね。」みたいな感じで進んでたんですけど(笑)。
さすがにね、ペペ・トルメント・アスカラールってのは、弦楽四重奏団が一個入ってて、ハープがいて、パーカッションが2人いて、ベースとピアノがいて、ワタシもいますんで。「ちょっとマネージするのがギリだな。」って話になってた頃に、SONYさんのほうから、ペペ・トルメント・アスカラールのものすごいファンの…ディレクターなのかな?…プロデューサーなのかな?…ちょっと肩書き忘れちゃいましたけど。
ま、名前出しちゃっていいと思いますけど、青木さんっていうね…今は勇退されて御自分でレーベルやってますけど。
長きに渡って、ザ・スクエアってありますよね。伊東たけしさん…ワタシのサックスの先生ですよ!…伊東たけしさんは。これはネタでも何でもなくて、ワタシのサックスの先生は伊東たけしさんなんだけど。
伊東先生(笑)…伊東先生に何十年かぶりでね、青木さんが引退するってパーティーがあって、もう…ほんと何十年かぶりで会ったんだよね。
そして「あ、どうも先生。お世話になってます。」っつったら…もう伊東たけしさんはワタシの上を行く、上の上の上を行く遊び人ですからね…もう御年幾つだかわかんない…70ぐらいじゃないかな?と思うんですけど(笑)…そんなにいってねえか。
もう開口一番ね、いきなりハグして「がんばってんね〜。」っつって。で、「俺も遊んでま〜す!」っつってましたからね(笑)。
全然ダメだ、この人!って思って。そういえば授業で一回もサックス習った覚えがないな…ってね。昨日どこで遊んでた話をね、3年間聞いただけだった!…っていう記憶がね、走馬灯のようによみがえりましたけども(笑)。
こういう話が面白いので困っちゃいますよね、ラジオってのはね。全然本筋と関係ないんですけど。
その伊東たけしさんといえば、最初ザ・スクエア…それからT-SQUARE、今T-SQUAREかな?…で、青木さんっていうT-SQUAREのマネージャーからプロデューサーになった方がSONYにいらして、その方がね…なんか知んないけど、ペペ・トルメント・アスカラールのむっちゃくちゃファンだったんですよ。
で、「行き場が無いんだったら、うちのレーベル貸しましょう。」って言ってくださったの。
で、T-SQUAREさんがいたレーベルは「Village」ってレーベル。ま、「ヴィラージュ」ですね、フランス語で言うとね。…わざわざフランス語で言い直す必要無いですけど(笑)。「村」ですね、「ヴィレッジ」っていうレーベルがあって、その中にT-SQUAREさんがいたの。
ほいで、その青木さんが「じゃあ、うちのヴィレッジの中に、菊地さんのレーベル作っちゃおう。ペペ・トルメント・アスカラール出すために。」っつって。
それで「戦前と戦後」っていうアルバムを出すために「TABOO」ってのを最初作ったのね。
「さて、出ちゃったけど…どうしようか。」ってなって。ここら辺、ワタシの記憶曖昧ですから、事実関係デタラメになってると思うんですけど(笑)。
「さあ、出ちゃったけど、どうしよう。」ってなった時に、「菊地さんってプロデュースもできて、若いすごい有能なバンドとかもたくさん…」
…もうワタシすでにその時〈けもの〉の1枚目、[ものんくる]の1枚目、小田朋美さんの「シャーマン狩り」のプロデュース終わってたとこなんで。他社ですけど。
なんで、「そのままうちでやりましょうよ、みんな。」ってことになって、そんで「TABOO」になったの。
「TABOO」は最初ワタシのペペ・トルメント・アスカラール出すためのレーベルだったんですけど、拡大路線になったんですね。結局ね。
そして、まあ…そうですね、1年目…2014年になりますけど「戦前と戦後」。と同時にベスト盤「夜の歴史」…ペペ・トルメント・アスカラール。
あとね、ちょっと記憶が定かじゃないから、ちょっと…ま、こういう事詳しい人は詳しいですから、後で直していただいて。直していただいたところで何だ?って話ですけど(笑)。
1年目はそれだけかな?…2年目に[ものんくる]のメジャー移籍第一作の「南へ」だ出て、あとは菊地凛子さんの…さっきのね、「戒厳令」が出て。
そいで次の年がdCprGの…今のとこ最新盤ですね、「フランツ・カフカ南アメリカ」ってのが出て。それから大西順子さんの復帰作ですね、「Tea TImes」が出て、ガンダムが出る年ですかね。16年ってのは。ここら辺、14年・15年・16年ってのは記憶ぐしゃぐしゃになってるんで。
まだまだ、なんか大物感がある世界で、若手をプロデュースしてる感じじゃないですよね。
17年から〈けもの〉、[ものんくる]…あとガンダムの2枚目もありますけど。やっとこさ、若いアーティストをプロデュースしてるって体になってきて。で、18年が市川愛さん。この後デビューを待っているのがオーニソロジー…今日かけないけどね…オーニソロジー、これ当日出ます。
そして、いろんな流れで…全然やる気なかったんですけど、11年間休んでて、「もう無理だろう。」って思ってたSPANK HAPPYが復活…というような流れになっておりまして。
SPANK HAPPYですが、これも…来週もお話しますけど、まずですね…SPANK HAPPYは11年間休んでたんです、とにかく。で、再始動することになりました。
ずーっと相方の情報を…当日まで伏せてますけど、今日は名前だけ発表しますね(笑)。名前って…芸名なんだけど。
SPANK HAPPYでのワタシ…は、菊地成孔にあらず。なので、パネル作っちゃった人は…『SPANK HAPPY 菊地さん』とかって書いちゃった人は、書き直してくださいね。白でこう…消して。
SPANK HAPPYでのワタシは『BOSS THE NK』っていう名前になります。まあ『BOSS』だけでいいです。缶コーヒーと同じ名前ですね。「ボス」!ってことで、「ボス・ザ・エヌケー」。
そして相方…ヴォーカリストの名前は『OD(オーディー)』です。
『OD』って、ラッパーでもいっぱいいるのね。「オーヴァードーズ」の略だから。『OD』って名前の人、山ほどいるんですけど、女子で『OD』って人は少ないと思いますね。
「『オーディー』ってことは?」…とかね、下手な詮索しないようにしてくださいね(笑)。すぐわかっちゃうんで。『OD』は『OD』なんで…ね。
だから、パネル作ってる方は『OD!』『OD、おめでとう!』『OD、デビュー!』みたいな感じで。
でですね…『BOSS』と『OD』…「ボス・ザ・エヌケー」と「オーディー」の二人組です、スパンクハッピーは。
2期までのSPANK HAPPYと違って、『OD』は…なにせ作詞作曲編曲打ち込みができるということで、下手するとワタシより音楽的な能力があるということで、ワタシが楽隠居できる…というね。やっぱ55歳のSPANK HAPPYにふさわしいっていうかね(笑)。
11年前の岩澤瞳さんは…ほんとにダンスもできない…歌を歌うことしかできない人でしたからね。あと、可愛くお化粧して…ま、完全なマネキンっていうかお人形さんですよ。だから全部ワタシが他やってたのね。
それが、ちょっとバンドっぽく共同作業になっていくのが、3期にして「最終スパンクハッピー」と呼んでますけど。
そして今から…さすがに全曲はね、都合により…久しぶりの「残酷、残酷〜。」になっちゃうんですけど、途中で切っちゃいますけどね。
デビュー曲ですよね。これ、のちに配信されますんで。
アー写もジャケットも撮りました。えとね…ダンスレッスンもしてみました。『OD』が踊れる人かどうか全然わかんないから。ワタシは踊れる人なんですよ。自慢じゃないですけど。踊れる人なんで、振り付けもできる人なの。
ただ『OD』が踊れるかどうか全く未知数だったんで。見たことないから、全然。だからやれるかやれないかはスタジオ入ってみないとわかんない。
で、入ってみたら、そこそこ踊れたんですね。少なくとも岩澤さんよりは踊れるんで。今度のSPANK HAPPYは、ちょっとした…ま、軽〜くですけど…ヘタウマのダンスユニットの側面もありますので。SPANK HAPPYの時間は、もうこっち見ないで踊りまくっててください。
はい。デビュー曲がですね、三越伊勢丹さん…「いきなりキタね〜!」って話ですけど、三越伊勢丹さんの「グローバル・グリーン キャンペーン」ってのがあって、5月14日から全曲が公開されます。
ワタシと『OD』の初めてのツーショットの動画も、そこで観れます。
でも、5月14日って…「HOLIDAY」の翌日ですね(笑)。「HOLIDAY」の翌日に全貌がはっきりするわけですけど。
とにかく1曲目の曲は…再々デビュー曲は、三越伊勢丹さんのキャンペーンソングですね。5月のキャンペーンソングです。
「夏の天才」っていう曲です。
ま、ワタシと『OD』で作ってみました…三越伊勢丹さんの初夏の感じ、ということで…途中で切っちゃいますよ…「夏の天才」という曲をお聞きください。
この曲は、当日も演奏しまーす。