「コントの台本さえあれば、どこへでも!」

「粋な夜電波」第368回放送はスペシャルウィーク。「聴取率の女王」こと、古谷有美アナウンサーとお届けした1時間。
今までこの番組ではやらないと誓っていたタブーを次々に破っていくという、スリリングな回となりました。
番組後半、菊地さんが急に欲しくなった、ある賞とは?…トークの一部を文字起こししてみました。

コンシャス・トゥリー

コンシャス・トゥリー

菊地 え〜…「おじさん」続きじゃないんですが、最後にこの番組のタブーである「他局の番組の話」をさせていただきます。
古谷 きました!(笑)。はい、お願いします。
菊地 はい。これはですね、えっとね…「東スポWEB」から直接抜いたものです。
古谷 ん?…はい。
菊地 69…だから、おじさんというか、おじいさんですけどね。
古谷 ほう、ほう。
菊地 ノーベル文学賞に候補として何度も名前が挙がる世界的作家の村上春樹氏が、TOKYO FMのラジオ番組に初出演し…
古谷 あっ…そうでしたね。
菊地 はい。「…DJを務めることが発表され、放送・出版・広告などの業界が、ちょっとした騒ぎになっている。
古谷 ふむ。
菊地 村上氏が出演するのは、8月5日に全国38局ネットで放送される『村上RADIO 〜RUN & SONGS〜』。」…あの…走る方ですからね。
古谷 走るのがね、お好きです。
菊地 作品にも都度都度出てくるが、村上氏はジャズを中心に音楽にも詳しく、過去にはジャズ喫茶を経営したこともあるほど。
古谷 ふん、ふん。
菊地 フルマラソンにも数回出場するなどランニング歴も長いことから、収録には実際に走る時に携帯しているiPodに入っている曲も紹介する予定だ。
古谷 ほーう。
菊地 『メディア出演嫌いで知られた村上さんを、ラジオ出演も初だというのに、いきなりDJデビューをさせる。そればかりか、構成や番組テーマ、選曲も自分でするんです。気合いの入り方が半端じゃないんです。TOKYO FMの大金星といっていい。』(テレビ関係者)」…ま、おそらくジャズを中心に村上さんが構成するフリースタイルの番組が始まるんですけど。
古谷 あら?…なんかどこかで聞いたことのあるような…番組になりそうですよ。
菊地 (笑)。村上春樹さんは、大西順子さんて方の応援団長でもあって…
古谷 あ、そうなんですか。
菊地 ワタシが大西順子さんの復帰のアルバムのプロデュースをやっている関係上、知己があります。
古谷 あら。
菊地 はい。荻上チキ…があります。
古谷 チキさんがあると。
菊地 はい。あるわけですね。村上さんとは何度かお話させていただいた事もあるんですが…。
古谷 ははあ…じゃあ今頃、村上さんはもしかすると「粋な夜電波」の過去の録音をいっぱい聞いてらっしゃったりするんじゃないでしょうか。
菊地 そうですねえ。ま、そこまで…ドサッと言っていただけると…(笑)。
古谷 (笑)。
菊地 何とも言えませんけどね(笑)。
古谷 だったら嬉しいなあ…みたいなね。
菊地 だったら嬉しいって話ですけどね。
古谷 ねえ。
菊地 何が言いたいかっていうと、ノーベル文学賞、欲しいな。」っていうね(笑)。
古谷 …そういうところが、「トランプと似てる」って思うとこじゃないですか?
菊地 そうですね。あのね、欲しくなったんですね。全然欲しくもなんともなかったですよ。文学なんか書く気もなんともなかったんですけど、この一報を見た瞬間に、ワタシがパッと思ったのは「ノーベル文学賞、欲しいな。」ってことですね。そして、ノーベル文学賞の受賞者であるボブ・ディラン氏がFUJI ROCK FESTIVALに出演されます。
古谷 あっ、決まったんですか。
菊地 はい。ヘッドライナーとして3日目に出演されますが…
古谷 うわあ。すごい。
菊地 その日の最後に出演するのが、DJ菊地成孔SPANK HAPPYだっていう。
古谷 ほんとですか!(笑)。
菊地 ボブ・ディランと会いたいですよね(笑)。
古谷 えー…だって、授賞式に顔を出さなかったと、散々ニュースで報じられた、あのボブ・ディランさんが…
菊地 そうですね。はい。フジロックですよ。
古谷 なんと。
菊地 ま、スパンクハッピーの話は、ガチでどうでもいいんですけど、ボブ・ディランが来ます、と。
古谷 すごいなあ。
菊地 そして村上春樹さんがラジオ…おそらくジャズ中心にかけると思うんですよね。
古谷 (笑)。
菊地 今日もね、時間が無いから読まないですけど、こっから先はさすがに古谷さんは御存知ないだろうというネタになりますけども。
古谷 はい。
菊地 ジョン・コルトレーンの発掘音源などが出てきて。
古谷 ふうん。
菊地 まあ、今ジャズファンは、それをラジオで聞いて解説してほしいと思った場合…
古谷 はい。
菊地 ま、驕って言ってるわけじゃないんですよ。ほんとに事実として言ってるだけなんですけど…
古谷 ええ。
菊地 そういう方は、ワタシに頼るしかないんですよ。
古谷 へえ〜。
菊地 ジョン・コルトレーンの発掘盤が出た…これをどうコメントして、どうやって流してくれるのかっていうのを、一番上手にやる…一番も何も二番手がいないんで。
古谷 はい。
菊地 ワタシに頼るしかないんで。
古谷 菊地さんの独壇場ってことですか。
菊地 いっぱいきてるの。でも、これ…村上さんに頼んでください…っていう(笑)。
古谷 (笑)。ええっ、明け渡すんですか、そこ。
菊地 明け渡すしかないでしょう、だって!
古谷 そうですか?
菊地 もうジャズはいいんじゃないですかね。村上さんが特集…昔はね、長い間裏番組が小曽根真さんだったりとか…
古谷 ええ。
菊地 いろんなジャズ…裏番組っていうか斜め裏番組ぐらいかな?…が小曽根真さんだったり、いろんな時期があったんですけど。
古谷 うん。
菊地 もう一人また一人…と、雪山の遭難のようにいなくなってですね。とうとうジャズミュージシャンがやってる、あるいはジャズ評論家がやってる番組ってのは、ほぼほぼ無くなっている現状に突如…
古谷 そうなんですねえ。
菊地 村上さんが起用され…起用というかね、御本人からやって来たと…いう。
古谷 いやあ、でも…どうします?…菊地さんももちろん本も書かれたり文も書かれたりしますけど、村上さんはそれが本業の方じゃないですか。
菊地 そうですね。
古谷 もし御自分の番組の中で…コントなるものを入れてこられたら…
菊地 はい。
古谷 ちょっと我々、負けられないですよ。それは。
菊地 古谷さん、出向しそうですけどね(笑)。
古谷 さすがに他局…
菊地 さすがにそれはないですよね。
古谷 さすがに他局…出られないのかなぁ〜。
菊地 えっ…「コントの台本さえあれば、どこへでも!」って人なの?(笑)。
古谷 (笑)。
菊地 そういうキャラだったんですか。
古谷 いや、だって今日は…なんかほんと「コントだな。」と思って…
菊地 はい。
古谷 ここに来る前に、家でちょっといい感じの音楽を聴きながら、「今日、どういうテンションかな。菊地さんの台本(ホン)…。」と思って。
菊地 はい。
古谷 こう…自分の中でなんとなく作ってきたわけですよ。もう、本番前の…試合前のアスリートのような気持ちで。
菊地 はい。
古谷 もう「最高だぜ!」って感じで来たんですけど…。
菊地 いまだに伝説になってますからね。お三人がやった…
古谷 いや、それほんとに。「聞いた!」っておっしゃってくださる方が周りにも多いんですが…
菊地 はい。
古谷 今日「(コントが)無い。」って言われて、なんか…ね。
菊地 (笑)。
古谷 肩透かし食らっちゃったよ!…みたいな。
菊地 はい。…と言いながら、今日最初から最後まで台本の可能性がありますからね。
古谷 あっ…みなさん、お気づきじゃないかもしれませんけど、台本の可能性…ありますからね。
菊地 はい。ありますよね。というわけで、今日はフル台本ということでですね。1時間のフェイク・ラジオコントというか…
古谷 フェイクニュース!(笑)。

アンプ・ドッグ・ナイツ

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