「ファンタジーの置き場所。」

「粋な夜電波」第361回放送は、先週のスペシャルウィークに引き続き、水野アナと古谷アナのお二方をゲストに招いて。
前回放送できなかった、もう片方のコントをオンエアするとともに、3人でワイワイと楽しくおしゃべり。
「ディズニーランドにノレる人?ノレない人?」という問いに、それぞれ立場が分かれたお三方のトークの一部を文字起こししてみました。

ディス・ハート・オブ・マイン(紙ジャケット仕様)

ディス・ハート・オブ・マイン(紙ジャケット仕様)


菊地 はい、どうも。「菊地成孔の粋な夜電波」、ジャズミュージシャンの菊地成孔がですねえ、TBSラジオをキーステーションに全国にお送りしております。今週は「続・恋する夜電波 マユミとユウミ〜後夜祭」と題しまして…
水野古谷 ふふ…。
菊地 「ミズノフ」こと、水野真裕美アナウンサー…
水野 はい。
菊地 そして、「フルヤフ」こと、古谷有美アナウンサーと…
古谷 はあい。
菊地 3人でお送りしております。え〜…ね、サイゼリヤの10個の間違い探しが難し過ぎる話に…(笑)。
古谷 えっ!?…何ですかぁ?
菊地 …いかないですよね。
水野 何?…ウォーリー?
古谷 菊地さんの好きな…サイゼリヤ
菊地 サイゼリヤってあるんですよね。
水野 はい。
菊地 ファミレスの中の…何っつったらいいんすかねえ…「トラットリアを模した」なんつったらいいんでしょうか。
水野 うんうんうん。イタリアンみたいな感じですか。
古谷 いやいやいや…よく行きましたよ、高校生の頃とか。
菊地 はい。美味しいですけどね、サイゼリヤね。
古谷 はい。
菊地 ただね、サイゼリヤマニアの間で有名なのは「10個の間違い探し」があるんですけど…
水野 ほう。
菊地 普通、ファミレスの脇に置いてある…こう、なんか暇つぶしのね。
水野 ええ。
菊地 漫画みたいなのが描いてあって、見開きになってて、「右のページと左のページに10個違いがありますよ。」と。それ探しましょう…とかいって、まあ…ちょっと、ピザが焼きあがるまでの間の暇つぶしに置いてあるんですよ。
古谷 へえ〜。
水野 子ども用とかですか。
菊地 まあまああまあ…見た目は子ども用です。
古谷 うんうん。
菊地 ただ、これはマニアの間で有名で、クソ難しいんですよ。
水野 へえ〜。やりたい!やりたい!
古谷 間違い探し、すごく好きなんですよ。
菊地 8個までは誰でもいくんですよ。
水野 ああ〜、そのパターンですね。
菊地 最後の2個が、これ絶対わかんないような所にあって、解答を置いてある店と置いてない店があって。置いてない店の対応は「すいません。ウチのホームページを見てください。」って。
古谷 へえ〜。
水野 ホームページに載ってるんですか。
菊地 そう。解答が載ってるんですよ。
古谷 菊地さんレベルともなると、もう…。
菊地 いや、僕10個ねえ…見つけたことは…。3ヶ月にいっぺん変わるんですけど…
水野 詳しい…。
菊地 (笑)。
古谷 なんと良心的なお店。いつ来ても楽しめるように。
水野 うわ〜、行きたい。
菊地 とにかく難しい。全然難しくて。サイゼだと、なんか…ガキがバカ飲みみたいな感じあるじゃないですか。
古谷 うん。まあ…お安いですしね。
菊地 安いですしね。プライスもね。
古谷 子どもだけで行ってもね。
菊地 うん。とてもじゃないけど、飲みに集中できないぐらい難しいの。
古谷 へえ〜。
水野 「隠れミッキー」とどっちが難しいですか?
菊地 えっ、何ですか?
水野 「隠れミッキー」って知ってますか?
菊地 「隠れミッキー」わかりません。
水野 ディズニーランドとかに…。例えば、ショッピングバッグ…
菊地 はい。
水野 あの入れてくれる袋の中に、必ず表に一つ裏に一つ、隠れミッキーがいるんですよ。
古谷 へえ〜。
水野 小っちゃいの。
菊地 小っちゃいんですか。
水野 それが模様の中に、どこかにあるっていう。
菊地 ああ〜。
古谷 へえ〜。
水野 それよりも難しいのかな。でも10個あるって言われて8個ぐらいしか見つからないってことは、相当難しいんですね。
菊地 相当難しいんですよね(笑)。
水野 へえ、やってみたいです。
菊地 かなり難しいですよ。「隠れミッキー」…えっと…隠れミッキーは商品の中に隠れてるんですか。
水野 いや、いろんなところにあるんですけど。
菊地 ああ、なるほど。
水野 テーマパークの中にあったり、いろんなとこにあるんですけど。
菊地 だってディズニーランドといえば、また拡張だっつってますけど、相当広いですよね。
古谷 ねえ。
水野 うん。でも帰り…例えば渋滞とか電車の中とか、暇つぶしっていうか…そういうので、お土産の袋にもそういう心遣いというか、楽しみが隠れていると。
古谷 そういうことか。
菊地 はいはいはい。
水野 帰り、よく袋ひっくり返しながら、こうやって「どこにミッキーいるかな?」って探しながら…。
菊地 水野さん、ディズニーランド行くんですか?
水野 大好きですよぉ。大好きです。
菊地 なるほど。
古谷 マユさんね、アリエル好きですもんね。
水野 アリエルね。知ってますか?
菊地 ああ…あの、僕…年間パスポート持ってますよ。
水野古谷 えええええええ〜〜〜〜〜!!!!
菊地 (笑)。
古谷 ちょっとビックラコ。すごい。スクープだこれ。
水野 うぉい!
菊地 ええ。イッツ・ア・スモールワールド」が好きです。
水野 …そうなんですか。なんかねえ、「イッツ・ア・スモールワールド」の舟とかひっくり返しちゃいそうな感じしますけどね。
菊地 いや、ひっくり返したいんですよ。
古谷 (笑)。
水野 「♩せ〜かい〜は〜」…ザバーン!とかって。
菊地 まあ、ひっくり返したいですよ(笑)。ひっくり返したくて、何回も乗ってるんですけど。
水野 そうなんですか。「イッツ・ア・スモールワールド」がお好きなんですか。
菊地 イッツ・ア・スモールワールド」が好きですねえ。はい。
水野 で行って、その後サイゼリヤにも。
菊地 ああ、サイゼリヤも行きますけど。まあまあ…近隣の…あそこはホテルとかもくっ付いてるでしょ。
水野 はい。
菊地 アンバサダー…なんとかとか。
水野 ねえ。いろいろ…ミラコスタとか。
菊地 結構、僕好きですよ、ディズニーランド。
水野 へえ〜。
菊地 こう…意外と、らしくもない順にきてますから、オチとしては、古谷さんは「ディズニーランドなんか行った事ない話」にしていただかないと困るんですけど。
古谷 (笑)。
水野 うんうん。
菊地 実際はどうですか。
古谷 えーっと…ディズニーランド…
菊地 あんま…いらっしゃらないでしょう。
古谷 全然…行かない…ですよね。
菊地 全然行かないですよね。行きそうにないもんね。
古谷 そうですかぁ。「めっちゃ好きそう。」って言われますよぉ。
水野 あらぁ。見損なったわぁ。
菊地 いやあ、全然メルヘンチックじゃないですよね、古谷さんって(笑)。
古谷 メルヘンチックだって言われますよぉ〜。
菊地 (笑)。何ていうかね…「古谷さん、底意地悪ぃ。」とか、最初の頃から言ってましたからね(笑)。
古谷 そうそうそう(笑)。ずっと菊地さんになんか…
菊地 初めて会った時から言ってましたからね。無礼極まりないですよね。
古谷 でも、底意地悪い人がディズニーランドに行かないってわけではないですからね。
菊地 もちろんもちろん。
古谷 底意地悪くたってディスニーランドがお好きっていう方だっているかもわからないですからね。
菊地 もちろん(笑)。
水野 もう、ここに線ができたね。菊地さんと私と、ユーミンの間に、ここに線が一本引かれましたね。
古谷 そうですよね。いや、嫌いではないんですけど。
水野 じゃ何処に行くの?…どこに行くのユーミンは?
古谷 …どこに行くか…。
菊地 ま、いくらだって他に行くとこありますよねえ。
水野 どこに行くのが好きなの?
古谷 なんかでも…遊園地だとか…っていう所で、まず行きたいって、あんまり思わないんですよね。
水野 ふうん。
菊地 えっとねえ…水族館行かないですか。
古谷 水族館好きです。
菊地 やっぱり。
古谷 はい。
水野 何でわかるの?
古谷 なんでだろう。何が違うんだろう。
菊地 目にX線が付いてるんですよ。
水野 えっ!?
菊地 (笑)。目にX線が付いてるの。
水野 ほう。
古谷 美術館とか水族館は好きです。
菊地 お好きそうですよね。
古谷 大好きですけど…
菊地 でも、テーマパークは行かなそうですよね。
古谷 テーマパークはなぜか行かないな。なんでだろうな。
水野 へえ〜。キャッキャキャッキャしそうな感じしますけどね。
古谷 キャッキャキャッキャするよぉう♡
菊地 (笑)。
水野 いや、フってないし。
古谷 フられてないし。勝手にやってるだけだけど。
水野 (笑)。
菊地 なんか…夢の持ち方っていうんですかね、その感じが…
古谷 ふーん。
菊地 僕はディズニーランドは…いいんですよ、結構。
水野 うんうん。
菊地 昔のアメリカが好きだってのもありますけど。
古谷 ああ〜。
菊地 蒸気船とか。
水野 なるほどね。
古谷 確かに、そういう意味では…建物だとかを見てるのはすごく好きです。
菊地 うん。ああ、なるほど。
古谷 はい。
菊地 ただ、こう…ね、ワーッと…パレードとかでキャーッとなったりします?…「ミッキーと目が合った!」とか言って。
水野 なりますねえ。
菊地 なりますよね(笑)。
水野 「こっち見た。今、こっち見た!」とか言います。
菊地 なりますよね。
水野 「絶対見た!」
菊地 「ミッキーと目が合った!」って言う人ですよね(笑)。
古谷 そっかそっかそっか。
水野 「通じた!」とか。
菊地 ですよね。うん。
古谷 私はそういうの見てると、「あの振り付け覚えるのに、どれぐらいかかったのかなあ。」とか。
水野 なるほど。
古谷 「何人ぐらいで練習されたのかなあ。」とか。
菊地 うん。リアリストですよね。
古谷 はい。「あの衣裳はどういう裁縫の仕方でね、ああいうフワッとした立体感とか出してるのかな?」みたいな。
菊地 (笑)。
水野 うわあ。
古谷 そういうのとかを気にしちゃう。
水野 ふーん。
古谷 だから、どうやってその物事が成り立ってるかとか…美術館とか行ってもそうなんですけどね。
菊地 うん。
古谷 「この絵がどうやって描かれてるんだろうな。」とか、「どんなこと考えながら、これを作ったんだろうな。」とか、そういう事を考えてしまって、その表面的に今見えてる世界に没入できない。たぶん。
菊地 ああ。はいはい。考えちゃうのね。
古谷 はい。パレード見てても。
菊地 うーん。そんな感じですよね。
古谷 「めんどくせえ奴だな!」って今思ってますよね(笑)。
菊地 いや、そんな事ないですよ。
古谷 (笑)。
水野 心の中で思ってるのね。
菊地 そんな事ないですよ。どっちかですよ。だいたいどっちかですよ。
古谷 (笑)。
菊地 あれが一つの踏み絵で…「ディズニーランド、ノレる人とノレない人」と、はっきり分かれるんじゃないですかね。男子とかも。僕はノレる人ですけど。
古谷 ふーん。
水野 のれるって?
菊地 ノレる。「あっ、ノレた。ディズニーランド好き!」っていう。
水野 ああ、ああ。
菊地 ああいう世界観だいじょうぶって人。シーもいいよ!…という人と、「いや、ちょっとあれは…。」っていう。それだったら水族館…水族館リアルですもんね。
古谷 はい。リアル。
菊地 うん。リアリスト向きですよね、水族館は。
水野 じゃあ、古谷有美はリアリストということですね。
菊地 かなりのリアリストだと思いますよね。
古谷 あ、そうなんですかね。自分ではロマンチスト100パーセントのつもりだったんですけど。
菊地 …ま、リアリストですよね(笑)。
古谷 ええ〜。お二人を前にしたらね、そんな感じしますね。
菊地 なんていうか…何の根拠もなく、ただ「リアリストだと思います。」って言っただけですけどね(笑)。
古谷 (笑)。結構素直なんで、そのまま真に受けさせていただきますけど。
菊地 ま、ファンタジーは持たないと人間生きていけないから、どっかに置く…ファンタジーを置くわけじゃないですか。
古谷 うんうん。
菊地 うん。ですけど、置き場所ですよね。問題はね。
古谷 確かに。菊地さんのファンタジーは、そういったテーマパークとかにあるって事ですか。
菊地 テーマパークも大丈夫です、僕は。
古谷 ふーん。
菊地 かなりファンタジーの置き場所が広いですね。逆に言うと、リアルが狭いのかもしれないですけど。
古谷 へえ〜。
菊地 ええ。だから、相当なファンタジーがだいじょぶな人ですね。
水野 へえ〜。
古谷 そうかそうか。
菊地 じゃないと劇作とかできないですよね。
古谷 そうですよね〜。
菊地 うん。
古谷 確かに確かに。
菊地 なんかこう…お二人を呼ぶ→そしたら姉妹がいいに違いない→けど、年下のほうをお姉ちゃんにするんだ…っていうふうに、なんか考え付く事って、リアルに考えたら思い付かないですよね(笑)。
水野 うんうん。確かに。そうですよね、そうですよね。
菊地 まあ、だから…この後かかる、何ていうんですかねえ…いろんな人に聞かせられない、リスナーにしか聞かせられない…
古谷 うん。
菊地 コントに関しても、いきなり思い付くんですよねえ。突如として。
水野 ふうん。すごい。さすが天才。
菊地 いやいや、全然天才じゃないですけども。

「君の名前で僕を呼んで」オリジナル・サウンドトラック

「君の名前で僕を呼んで」オリジナル・サウンドトラック