「なぜツイ」。

なぜツイッターでつぶやくと日本が変わるのか(晋遊舎新書007)

なぜツイッターでつぶやくと日本が変わるのか(晋遊舎新書007)

ツイッターでも多くのフォロワーがいる、ジャーナリスト上杉隆氏の本。
略して「なぜツイ」。その刊行が予告され、長過ぎるタイトルに対して略称が付けられた過程もすべてツイッター上で見ていた。
ツイッター上でも上杉氏は再三、記者クラブの解放を訴え、最近では官房機密費がメディア懐柔の為に使われていた疑惑を追っていることを明らかにしている。
大新聞・テレビなどに対する不信感は募る一方なので、氏の巨大メディアに挑む活動を陰ながら支援したいと思っている。
ま、そんな理由でこの本を買ったわけじゃないけどね。
まずは最初の水道橋博士との対談が単純に読みたかっただけ。
水道橋博士は今や、自分の興味を惹く事柄のエバンジェリストとして、絶大な信頼を得てしまっている(笑)。面白そうだと思ったことはすでに博士がやっているし、読みたい本、観たい映画もことごとく博士に薦められる。これもツイッターをチェックしていればこそか。
その博士に薦められてツイッターを始めたという上杉氏も、この本をまず博士との対談から始めている。
他には山本一太議員や世耕弘成議員らと対談し、政治やマスコミにツイッターが与える影響について考察している。
語られている内容も興味深いし、対談相手の方の個々の活動にも関心を持ったが、それでも一冊読み通した後には、いたるところで著者が熱弁する「記者クラブ問題」についての印象が強く残った。結局は今話題のツイッターにかこつけて、氏の悲願である記者クラブの解放を広く世間に知らしめるためにこの本を出したかのようだ。いや、別に全然いいんだけど。