「宅録中年。」


ようやく機材が揃ったので、ひとりでカラオケボックスに行ってみた。
最近はJOYSOUNDの新機種で、ギターなどの楽器を演奏できる機能もあるらしいから、ギター担いでひとりでカラオケボックスに入っても、不自然じゃなくなっているらしいんだよね。
なので、受付で「JOYSOUNDのF1の部屋ありますか?」なんつって、さも「あくまでもオレは楽器の練習に来てるんだもんね。ひとりで寂しくカラオケ熱唱するんじゃないんだもんね」感をアピールしつつ、こそこそ入室。
しかしタイミング的に昼飯時で、ギターと機材を抱えてはメシ屋にも入りづらかったので、入室するなりビールとカルボナーラ頼んじゃった。
そいで、とりあえず喉慣らしに数曲歌って、身体あったまったところで、作業してみようかな〜と思ったりして。そしたら、久々にカラオケ来たもんで、あの曲もこの曲も歌ってみようってことになって、結局1時間以上ひとりで大熱唱。

ふと我に返り、いやいや…普通にカラオケしてる場合ではない。と思い直し、テーブルの上を片付けてMacbookiPadを取り出す。
繋ぐものを繋いで、とりあえずギターの録音を試してみようかと思ったら、ギターのピックを忘れた…。
…まあいいや指弾きで…と思ったら、チューナーも忘れた(苦笑)。
幸い、JOYSOUNDのF1にギターを繋ぐと、チューナー機能というのもある。便利!
とかうだうだやってて、全然はかどらず。
とはいえ、特に何かオリジナル曲を作っているわけでもないんだよね。
とにかくカラオケボックスを利用して、ひとりで録音が出来る環境が整ったぞ〜ということを実感してみたかっただけで。
結局、YAMAHAのサイトで購入したSMFをLogicで鳴らして、そこにギターのコードと歌を録音してみただけで満足。…やってることは結局カラオケやないか!

まあ、いいんだ、楽しかったし。
振り返れば10年前、まだG4だったMacbookを20万以上かけて買った時に、こういう録音環境がすぐに整うものだと思っていたのだった。
「ノートパソコンのDAWにオケを作っておいて直で歌とギターを録音すれば、どんどん曲が作れるじゃん!」と浮かれていたのもつかの間、いざやってみたら、当時のCPUではソフトが頻繁に落ちるし、MIDIで外部音源を鳴らしてそれをMacに取り込もうとすると、ひどい遅れが生じて、走らせてるシーケンスと全然合わせられず、とてもじゃないがリアルタイムで録音などできない。
一気に意気消沈してそれからすぐにMacbookは売り払い、デスクトップ機に変えたのだった。
あれから時々、忘れた頃にやる気になっては、またソフトと機材を買い替えるところからスタートし、思うようにいかなかったり、使い方を覚えるのがめんどくさくなったりしているうちに、どんどんより新しい機材と技術が出てきて、「もうついていけねえ…」と投げ出すこと数度。
いったいどれだけの金と時間を費やしてきたのか…。
それでようやく今、普通にノートPCを持ち歩いて、出先でリアルタイムで録音できるという環境が整った。
昔、TASCAMの4トラックのカセットMTRを買って、多重録音して喜んでいたのと同じ状況に、ぐるりと大回りして帰って来ただけなんだよな。
我ながらあほらしい、というか虚しいというか。
今回は飽きないで、続けられるといいがなあ…。