「お前の愛の在処はどこだ?」

「粋な夜電波」第157回は「ソウルBAR〈菊〉」!
今回も、週末のパーティーナイトを盛り上げる最高の選曲。
番組の冒頭部分を文字起こししてみました。
シリアスなメッセージからの、ベーアー&店長登場のギャップがたまりません。

Sorry for Party Rocking: International Edition

Sorry for Party Rocking: International Edition

しかし、もしお前が、第二次の世界的な冷戦を、側近の白人やそれよりももっと白いプーチンと組んで、引き起こそうというのであれば、だが…お手並み拝見だ。
お前より一手早くレーガノミクスをパクったプロパガンダを掲げ、最近じゃ腹も治ったか太り始めて絶好調の、我が国のプライムミニスターも大いにサポートするだろうよ。
ラク…お前もオレやウチらの首相と同様、生まれた時から冷戦だった世代だ。
親の都合で、ハワイやインドネシアをたらい回しにされていた幼少期から青年期が、お前にとって楽しかったか辛かったかは分からない。
しかし、ソビエト連邦が崩壊し、冷戦が終わった瞬間のお前は、ハーバード・ロースクールで法務博士の学位を取得し、シカゴ大の法学フェローになった。そしてその翌年には、ミシェル夫人と結婚して、子どもにも恵まれた。
長かった冷戦の終結が、お前のハートに火を点けたのは、ウィキペディアとやらにさえ明確だ。
我々がこのソウルバーを立ち上げてから3年が経過するが、真の問題はいつでも愛だ
たった3年の間に、世界中で目を背けたくなるような事が立て続けに起きた。
それは、フライトに30時間もかかる地の果て、一緒にバンドをやっているタクシーで1メーターの友人にまで及ぶ、ありとあらゆる場所で生じる人生の艱難と辛苦のチェインだ。
しかし我々は結局、どんなにあがこうと愛からは逃げられない。
どんな難しい問題に頭を悩ませようと、我々は愛の在処、愛の状態によって、すべてを決められてしまう。
「非リア充だから愛なんて関係ない。」…どこかのインターネット屋が作った滑稽な念仏を唱えて生きる新興宗教の信者どもは、今愛に最も敏感な宗派だとも言えるだろう。
ラク…調子はどうだ? ノーベル平和賞は見える所に飾ってあるかね?
世界がもう一度冷戦に戻ると、お前に何がある? 何が戻ってくる?…ハワイか? インドネシアか?…出会う前のミシェル夫人か?…ニューヨークか? シカゴか?
ホワイトハウスの住み心地は、どうやら冷戦中の方がいいらしいと、白人ばかりのパイセンにでも教わったかね。
もう一度言わせてもらう。
俺たちはお前の行政手腕を見てるわけじゃない。そして、合衆国初の黒人大統領としての意義すら、もう誰も見ていない。
我々が見ているのは、53歳の合衆国大統領として、いざとなったら結構何でもやる、やっと要らぬカリスマが落ちた、お前の愛の在処だ
ケネディも、トルーマンも、ニクソンも、レーガンやブッシュの倅さえ、それを見せた。
だが、お前はまだ驚くべきことに、実のところ…それを見せていない。
つまり、もう一度冷戦が訪れて、俺たちが厄介な事に少しでもノスタルジックな感傷に浸り、それに乗じて何かを遂行しようとしているのであれば、それは愛さえも、ノスタルジーという病に屈して生きているかもしれない、お前の同世代のジャパン・クールと、何も変わらない。
要するに…お手並み拝見だ。
あの、史上最も笑えるノーベル平和賞はどこに置いてある?…思い切り窓から投げ捨ててみろ。
お前のハートに火を点けた、91年のあの時のように。
よしんばそれが、100%の野心だったとしても…だ。
(曲)

ベーアー YO-YO-YO、YO-YO-YO、YO-YO-YO-YO-YO-YO-YO…って、三三七拍子ドユコト〜?…って店長!店長!…また今日もどこ行っちゃったんだろうな〜。店長、もうこのネタでの登場も飽きましたよ〜。ヨーヨーのチャンピオンじゃないんだから〜。
店長 バカヤローッ!
ベーアー あ、店長。なんでアントニオ猪木さんの格好してるんですか?
店長 1・2・3・4・5・6・7、ダーッ!
ベーアー 幡ヶ谷辺りに密集しているプロレスばっかり好きな売れない芸人みたいなギャグはやめてください!
店長 バカヤローッ!…お前、ヨーヨーのチャンピオンに意外と黒人がいねえな〜…YO-YO!ってのはラッパーに対するディスの一番キツいやつなんだぞ、知らねえのか。
ベーアー 知りませんでした。それより店長!…シーズン7初のソウルバーだったというのに、こんなエレクトロで始めちゃっていいんですか〜?
店長 バカヤローッ!…こいつらLMFAOは、かのモータウン創始者マイケル・ジャクソンの葬式の時に、日本のテレビ局が「ペリー」とクレジットしてしまったことから、全国のモータウンファンに「黒船か!」とツッコまれた、かのベリー・ゴーディの倅と孫のチームだ。…1・2・3・4・5・6・7・8・9・10・11・12・13…
ベーアー プロレス好きをメタルからソウルに引っ張り込もうという無謀は止めませんか。もう開店を待つ客が水平線の彼方まで止まりません。まるで原宿のポップコーン屋のようです。かわいいコがいっぱい…ナンパしちゃおっかな〜。
店長 ようし、わかった! じゃあ早速今夜も開店だ。「菊地成孔の粋な夜電波」歴代コンテンツ中人気ナンバーワン企画、「ソウルBAR〈菊〉」。田中みな実と共演してしまうことによって、江藤愛を失った、愛無き愛の世界を生きる、愛による愛のための60分ノンストップ・スピニング。
ベーアー 田中・江藤のくだりは店長のたちの悪い冗談です。ファクタッ!…どっちもカワイイ、どっちもとってもいい人!
店長 要らぬフォローにメニーサンクスだ、バーテンのベーアー君。愛無き世界…という妄想の中でもがき苦しんでいるバカ共のレスキュー、それがソウルバーのミッションであることは、どうやら2014年度も変わらないようだな。
ベーアー アイアイサー! 今日はファンク満載のミッドナイトプレイでお送りします。
店長 住宅事情の許す限り大音量、家庭事情の許す限り踊りながらお楽しみください。
ベーアー 大家族から一人暮らしまで、すべての部屋から愛を溢れ出させてやる!
店長 チューブに残った歯磨き粉のようにな。
ベーアー あれもうとっくに粉じゃないのに、粉と言われて長いですね〜。
店長 食らわすぜ!
ベーアー LMFAOで「With You」!

7 Days of Funk

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※文字起こしの「NAVERまとめ」あります。