「最新の銀河系ミュージック。」
「粋な夜電波」第208回放送は、久しぶりの小特集。
「地上を離れ銀河に思いをはせた音楽の現在」ということで、ギャラクティックなR&Bなど、最新の音源もプレイ。
音楽史的な背景や楽理的な解説も交えた、知的好奇心を刺激する楽曲紹介でありながらも、話はユングから「FR@U」、綾瀬はるかやシソンヌとの遭遇など、どこまでも横滑りしていく、この幅の広さ…というかとりとめのなさが実に菊地先生らしいです。
熱に浮かされた時の方がさらに面白さ1.5倍増し!のトークの一部を文字起こししてみました。
- アーティスト: Sorceress
- 出版社/メーカー: WONDERWHEEL RECORDINGS
- 発売日: 2014/05/20
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で、まあ…だいぶ長く話してしまいましたけど、小特集ね。
シーズン1の頃には、よくやってましたね。あれ…またちょっとやろうかな、と。ま…やって、つまんなかったらやめようかな、と。
ま…大阪都構想とかね、ま…いいかな、と(笑)。橋下センセーはね、石原チン太郎君にちょっと憧れ過ぎたかな、とね。
知花くららさんが「Domani」を卒業されたから、女性誌買うのはもういいかな、と。
そういう感じでですね(笑)…これ、「…、と。」というのが言いたいだけなんですけどね。
でも今からでもいいんで、次のCMの間にですね、スポーツ用の水着を着た木村佳乃さんが表紙の「FR@U」を、お近くのコンビニで買って来ていただけると、番組の進行上少し助かるかな?…と。
何言ってるんだろうな、自分は、と。…いう感じなんですけども(笑)。まあ…ユングの有名な「UFO」…ね、「ユングの有名なUFOの本!」とか言っちゃってね、思わずライミングしてしまいましたけどね。
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/05/12
- メディア: 雑誌
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御存知カール・グスタフ・ユングの生前に出版された最後の本ですね。「現代の神話」って本があるんですよね。「空中に見られる物体について」かなんかですよね、確かね。
長い間意訳されてましたね。「空飛ぶ円盤を見る人々」かなんかになってたんですけど。
最近のアクセス情報だとですね、日本語だとね、多分「ちくま」だと思うんですけど、そのものズバリね、「UFO」だか「空飛ぶ円盤」だかだったと思うんですけどね。ま、どっちだっていいわけですけども(笑)。
58年に出版されてるんですよね。ユングは没年61年ですから、この番組のオープニング曲とセイム・ヴィンテージですけどね。スタン・ゲッツがあれやってる頃に、ユングが亡くなってるわけですけど。
まあ、この本を紹介しようっていう小特集じゃないんで、軽く済ませますけど。
50年代から始まる「空飛ぶ円盤」っていう現象について、集団ヒステリーとまでは言わないですけど、「見る人の心の中だけには実在する」というね。後はお定まりの神話とか宗教絵画とか引っ張り出してきて、「はい、これ空飛ぶ円盤の元祖。」みたいなね、本ですけども。ま…そんなことより何が言いたいかっちゅうと、我らが〈土星からの使者〉サン・ラがね、この番組でも何曲かプレイしてますけどね。地球人だった頃のハーマン・ブラントやめて、ある日土星人になるんだけど、土星人になって最初のアルバムが「Sun Song」っていってですね、何度目かのCD化に際して、ワタシ解説書いてるんですけど、まあ…それはともかく(笑)。
- 作者: C.G.ユング,C.G. Jung,松代洋一
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1993/05/01
- メディア: 文庫
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これはね、57年なんですよ。つまりユングの「現代の神話」…「空飛ぶ円盤」と入れ違いなわけね、ちょうど。
ユングが「空飛ぶ円盤」の本書いて、数年後で実際自分も宇宙に存在が吸収されちゃうわけね。3年後ですね、厳密にはね。ユング自身も宇宙に存在が吸収されてしまう。
その本書いたのが58年なんで、要するにこれは歴史的なニアミスですよね。ほとんど誰も指摘しませんけどね。
ユングはフロイトと違って、音楽を研究素材に入れてますから。
まあ…アース・ウインド&ファイアーとかね、Pファンク…Pファンクなんか円盤から出て来ますからね(笑)。Pファンクとかものちに生まれてくる、ギャラクティック・ソウル…ファンクの開祖ですよね。サン・ラのね、「Sun Song」っていう…このインナーがね、「土星人宣言」としての檄文がものすごいんですけど。
これをユングが1年差でも2年差でもいいから扱ってたら、ユングの最後の本はさぞかしハッピー・フィールになったと思うんですよね。
で、まあ…今日はその最新の子孫たちね。シソンヌたち…っていうかね(笑)。
こないだ伊勢丹に行ったらですね、よくある話なんですけど、今日は話もう…まだ熱あるんで滑りまくってるんですけど。
伊勢丹行くとよくあるんですけど、女優さんがマネージャーさんと服買ってて。まままま…陰性報道じゃないんで全然、名前出しちゃいますけど、ダメだったらピーとか入れといてください…綾瀬はるかさんが、こないだいらっしゃったんですよ。で、「うわ〜、綾瀬はるかさんだ!」っつってね。
ま、ワタシの妄想かもしれないですけどね。「現代の神話ー伊勢丹で女優を見る人たちー」とかね、言っちゃって(笑)。ま、知花くららさんがね、「Domani」を卒業されたショックでしょうなあ、それだとしたら。
そんで、綾瀬さん見てからMENS館行ったのね。綾瀬さん見たのは本館ですよ。そしたら、コント師の「シソンヌ」っていうチームのでっかいほうの人がいたっていうね。ほのぼのとした話ですけどね。
まあ、その…サン・ラ、Pファンク、デトロイト=アンダーグラウンド・レジスタンス端折って、「白人にも解禁、ドラムンベース!」みたいなね。
銀河志向、ギャラクティック・ソウルっていう音楽の最新の子孫ですよね。シソンヌを…また話戻っちゃいますけどね(笑)。1曲もかけずに終わっちゃったりして。
まあ…ね、結局ね、コード…なんですね。コード進行のコード。C7とか、ああいうやつ。ほとんど。
今はね、調性の薄い複雑なコード…これはジャズのスキリングと結び付いてないと、そもそも入力もできないんで。ジャズが今、ソウル界に提供してるのが、最新型の無重力感っていうか、宇宙…っていうね、結構な時代ですけどね。
ちょっと試供品…つまみ食いしてみましょうか。
例えばですね、ま…これはかけるまでもないか。例えばね、地上的な音楽ってのはありますよね。これ、やがて番組でもかけますから、今日はタイトルとかもあえて紹介しませんけど、こんな音楽があったとしますよね。
(曲)
これはもう、全然宇宙人出て来ないですよね。もう…夜のハリウッド・ブルーバードがブワーッと、こう…ね、シャンペイン!
こんな感じでしょ。同じ人たちが、もうちょっと違うことやっても…
(曲)
ま、これで宇宙人踊ってたら楽しいですけどね、逆にね(笑)。ま…地上の音楽ですよ、こういうのはね。
こういうのに対して、例えばこれなんか相当いい線いってると思うんですけどね。
今ワタシが手にしてるのはね、「ON DECK」…「DECK」は「デッキ」ですね。「オン・デッキ」っていう、「BAMALOVESOUL.com」っていう、ソウルのいろんなもの集めてるサイトがあるんですけど、そこのプレゼンツのコンピですけど。
「MORE FUTURE SOUL CLASSICS FOR THE NEW B-BOY GENERATION」って書いてあるんですね。「最近の不良の子達の世代のフューチャー・ソウルのクラシック」だっつってんのね。
で、まあ…フューチャー・ソウルだってことは、ちょっとギャラクティカ入ってるんですよね。このくらいだったら、どうかな…ちょっと銀河入ってますね。でもB-BOYだから、結局車に…車載してドライブするわけよね。
これ、結構宇宙っぽいですよね。これもね、後日かけますんで、お楽しみという感じですけど。(曲)
- アーティスト: BAMALOVESOUL PRESENTS
- 出版社/メーカー: BBE
- 発売日: 2015/03/28
- メディア: CD
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これ、音楽としては、とってもいいですよ、もちろん。とってもいいんですけど、銀河にまでは飛びきってないですよね、これね。銀河気分ぐらいですよね。
で、ここで出ました。THEESatisfactionですよ。番組のヘビー級…ま、ミドル以上の方なら御存知かな?…ワタシの押しユニットですよね。
2013年にファースト・アルバムが出てて、これがジャイルス・ピーターソンが選ぶワールドワイド・アワードの10位になった、と。
シアトルの二人組で…銀河志向はね、アフリカと繋がりやすいんですよね。アフロ・フューチャリスティックっていうジャンルもあるんですけど。
簡単に言うと、アフロ・フューチャリスティック、スピリチュアル・ジャズサウンドとかって言うんだけど、レコ屋は。
ま、ジー・サティスファクションはもう…ジャケットもそうですけど、もうほんとに宇宙に行ってる人たちですよ。よくジャケットとか見たり、動画見たりしてみてくださいね。
アルバム全体がね、もうハズレ曲が無くて。このアルバムも傑作だと思うんです。今年新作が出ました。「EARTHEE」っていうアルバムなんですけども、もうどの曲かけていいか迷うぐらいなんですけど。「Universal Perspective」という曲をプレイしますね。
ほんとに調性感が薄い…「調性感が薄い」ってのは、キーがあるよね曲にはね、そのキーの感覚がすごい薄い楽曲ですよね。それはさっきも言ったように、和声ですよね…コードを弾く、この入力技術が、やっぱり巧みに無重力にするにはジャズスキルが要るっつーんで、今回もジー・サティスファクション…がっつりジャズミュージシャンと組んでますね。
最近のR&B、ヒップホップの特徴ですね。もうジャズと組み始めました、ほんとに。
はい。では、ほんとに傑作ぞろい、名曲ぞろいのTHEESatisfaction、「Universal Perspective」という曲を聞いてください。
- アーティスト: Theesatisfaction
- 出版社/メーカー: Sub Pop
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(はい、今回の放送も、目玉トピック「台北で見つけた美味過ぎる薫製の煮込み」についてのエピソードは、miyearnZZ Laboさんが先に書き起こしされていました(笑)。別にかぶってもいいんですけど、なるべく別の箇所を起こすようにしてます。)