「昌成珠。」


在日ファンクの公演が急遽延期になったので、「どうせライブ観るつもりだったんだし…。」と思って、この日在日ファンクと重なっていて諦めていた、新宿PIT INNの「坪口昌恭 2DAYS」を観に行くことにした。
渋谷AXでCDにサインをしてもらって19時半、そこから大急ぎで新宿三丁目へ。当日で入れるか分からなかったが、なんとか開演前に着いて、たまたま空いていた端の席に座ることができた。
前日、「2DAYS」の初日が「東京ザヴィヌルバッハ・人力スペシャル」で、こちらも観たかったのだが、この日は菊地先生もサックスとCDJで参加し、ドラムの本田珠也さんとのトリオ編成…いわゆる「昌成珠」。
あれは…モジュラーシンセ?…パッチを繋いで複雑なパターンを鳴らしながら、…坪口さんはピアノの他にも様々な鍵盤や機材を並べて、自由自在に弾きこなしていた。
自分はジャズには詳しくなく、演奏の良し悪しを聞き分ける耳もないのだけど、坪口さんの弾くフレーズはすごく好きです。なんかいちいち心地良い。
そして当然のことながら、菊地先生はサックスを吹いている時が一番カッコいい。ソプラノとアルトを曲によって吹き分け、延々ソロを吹き続けてもフレーズが途切れることがない。こちらもいちいち痺れるなあ。
トリオ編成だというから、ピアノトリオでもっとジャズジャズした感じなのかと思っていたから、本田さんのドラムがパワフル過ぎて「あれ?」っと最初は思っていたのだが、坪口さんは電子音をピコピコやるし、菊地先生は例によって激しくCDJを擦りまくるしで、グルーヴィーで激しいナンバーが続く。あ、この3人で演る時はこんな感じなんだ!…ちょっと面食らうも、むしろ大歓迎。客席も大いに盛り上がっていた。
ポリリズムで複雑にフレーズが絡み合う時に、本田さんが4つ打ちを踏んでくれたりしたおかげでノリやすくなったところもあったりして。
最後のMCで菊地先生が、「実はこのバンドの音楽的な意義は「本田珠也が意外とYMO好き」というのを知らしめる、その一点のみ!」というようなことを言って、笑いを誘っていたが、実際に「シムーン」をカバーしたりして、YMOリスペクトに溢れたトリオ演奏だった。
ピットインでこの距離で最高の演奏を聞けて、本当に気分良かった。

VOGUE AFRICA“Naked”

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