「フロイディアンの覚悟。」

「粋な夜電波」第229回は久しぶりの生放送。
「日本一『ワールド』をオンエアしているAM番組」を自負するのもうなずける、世界各国からチョイスしたグッド・ミュージックを紹介。生放送なのでめずらしくリクエストを募り、上位の曲からスピンされました。
番組最後に、恋愛や結婚というものについて、フロイディアンの立場から意見を表明された部分を文字起こししてみました。

Dornik

Dornik

あとは、そうですね…
ジェーン・スーさんの番組に出た…のね、こないだ。「出たのね」っつっちゃいけないですね、あの…「御招きいただいた」んですよ。
え〜…「相談は踊る」でしたっけ?…ごめんなさいね、ほんとに。ジェーン・スーさんだけを疎んじているとか、そういうことじゃないくて、ワタシ…AM一切聞かないんで。この局も…局であろうと他の局であろうと。ビートたけしタモリオールナイトニッポン外聞いたことないんで、全部があやふやなんですけど(笑)。
「相談は踊る」って番組に出させていただいて。で、普通に相談に乗ってただけで、特に何したつもりもないんですけどね、ものすごい評判が良くてですね。お口の悪い方などは「『夜電波』より面白い!」っていう(笑)…評価もいただきまして。痛し痒しってね。
そんな面白かったですか?…ただ単に…でも、相談に乗ったって…しょうがないのに(笑)。あ、違う違う、ジェーン・スーさんはしょうがなくないのかもしんないけど、ワタシがね…乗ったって、たいしてできないですよね。
まあね…何って言ったらいいんだろうな…とにかくホントに評判よろしくて、たいした話してないと思うんですけどね。
「惚れさせてナンボだ。」って言ったらしいんですよ、あんま覚えてないんですけど。
そんなん別に、ショービズは全部そうですからね。別に変わった事言ってるつもりはないんですけど。
ワタシは、思想的にはフロイド…なのね。フロイドっちゅうのは…まあ、言っちゃあ…チャーリー・パーカーだって言ってるのと同じですよ。パーカー以降も音楽は発達したんだけど、モダン・ジャズは。「でもやっぱりチャーリー・パーカーだ。」っつってるのと同じで。
フロイド以降、優れた精神分析学・心理学…いっぱいある…発達したんですけど、ま…ワタシは結局フロイドなんで。
恋愛って問題は、フロイドだと「陽性転移」って言いますけどね。「陰」じゃなくて「太陽」の「陽」ね。「陰性転移」と「陽性転移」があるんですけど。
「陽性転移」って言うんですけど、まあ…大きく「恋」ですよね。とか「誘惑」とか、そういう問題は、ものすごく個人的な…一番個人的な問題だと思うのが、この学派の立場なのね。それはワタシの心情…もちろんワタシの心情も含んだ、フロイディアンであることの金科玉条なわけですよね。
…ですので、最近流行りの…これ、あれですよ…ジェーンさんって人とはもちろん全然違うし、ジェーンさん…とても陽気でいい方だったんで、キャシー中島さんを思い出させる…ね、ワタシの年代だと(笑)…ワタシ、キャシー中島さん大好きなのでね。ハワイアンですよね、今…キャシー中島さんね。…すごいいい方だったんで、楽しく番組させていただきましたけども。
ま、意見の相違はね…しょうがない、人によってあるわけだから。
ワタシは、恋愛っていうのは、ほんとに極端に個人的なものだとしてるんですよ。ロイディアンだから
なんだけど、最近流行りの事なんですかね、あれは。要するに、恋愛と結婚を結び付けて…っていうか一直線上に並んでいるものと仮定して、仮定っていうか…設定しちゃってるわけね、もう。…設定して、それをこう…代理店みたいにマーケティングの理論で、面白おかしい…面白おかしいだけじゃないんだろうけど、切実なんだろうけど、切実さ・面白おかしい目線で切り取った…つまり恋愛・結婚の諸般の事情…現代恋愛事情って言うんですかね、それをこう…マーケティング理論で切り取るっていうのが、ワタシの主義とは反するんですよね。
それはあの…反するからいけないっつってるわけじゃないの。主義が違う人も認めてますよ。認めてますよ…とか、そんなん当たり前のことで。主義が違うから認めなくなっちゃったら、最後はもう…イスラム国までいきますからね。
その…いろんな主義の人がいて、いろんな話するから面白いわけなんですけど。
ただワタシは…「負け犬」とかね、「負け美女」とかね…あの…犬山紙子さんって方とも一回お会いしたことがありますけども、あの…「考え方違うな。」と思ってます、基本的に。
ま、ワタシが音楽家だっていうのが大きいと思います。音楽家が、恋愛と結婚をマーケティングっぽく…面白おかしく切り取れる…しかも男性がね、切り取るってことは…ちょっと難しいんじゃないかなと思いますね。
だから…それによってね、まとめた金を得た人は…以後、一生本当の恋愛はできないと思うんですよ(笑)。
「ディスってる、やっぱり!」と思われるかもしれないですけど、違う…そうじゃなくて。
それは「代償」ってのがあんの。ワタシも代償払ってるんです。ロイディアンでいる事の代償を払ってんの
誰もが…ツケは払ってる。ツケを払わないで逃げ切ることはできないですから。ツケは払うの。ワタシも払い続けですよ…ね。別居中の妻に100倍返し中…千倍返し中ですけども(笑)。ヒモだった頃のね、おあしを千倍返し中ですけど、それはともかくですよ…ね。
ま、そんな小んまいツケではなくて、いろんな精神的、哲学的な…ツケが回ってくるわけ。だから、あれやっちゃうと…やっぱり一生ホントの恋愛っていうのはできないと思うし、それは半ば諦めた方が書いたんじゃないかなって気もするのね。これはディスじゃないですよ。そういうことだと思うんです。
で、それは社会生活を平穏無事に歩むって意味では、最も安全でコスパがいい事です、恋愛しないってことは。
ホントの恋愛をしないってこと…したらそれは…生放送だから言葉選びますけど、「気が触れる」ということですから。気が触れる状態になることですから、恋愛は。ホントになったら。
そんなの仕事にも支障は出ますし、大変なことになる…ものすごいリスキーなことなんですよね。
だから、そこをクールに「もうそういうことはしないんだ。でも結婚はちょっと別だから、ある種の契約とか…いろんな物の考え方で割り切ってしていくんだ。」…その先には出産もあるでしょう、家庭もあるのかもしんないんだけど。ワタシはそれも何もかもフロイディアンですからフロイドで片付けますけども。
まあまあ…「じゃあ恋愛しない。」と。それは安全でコスパのいい生活。でも、そんな安全やコスパの良さは、クソのような安全やゲロのようなコスパの良さだと思うんですよね、ワタシは(笑)。
それは楽家の考えとして、表明しておかないといけないことなんですよ。
これはジェーンさんが悪いとか犬山紙子さんが…どなたかが悪いとか、そういうこと言ってんじゃなくて。主義主張の話ですから。
我々はそう思わないと。我々は…前も言いましたけど、演奏中に全員の共演者とセックスしたいと思ってる、男でも女でも、年上でも年下でも。観客全員とセックスしたいと思ってる、ワタシは。だけど…なぜできないかっていうと、楽器を弾いてるからできないだけなんですよ(笑)。弾いてたらできちゃうからね、で…おっぱじまったら事ですからやりません…って話を、前に南部さん来た時にしました。
そうじゃないと音楽はできないと思います。やっちゃいけないと思います。
え〜…今日最後の曲です。キューバに得票が集まりまして。時間が短くてごめんなさい。
アイデー・ミラネスは非常にフェミニンで素朴な歌い方で、ボレーロの新時代の女王と呼ばれています。
もう時間がありませんので、早速曲にいきましょう。「NO HAGAS CASO」という曲を聞いてお別れしたいと思います。

パラブラス - マルタ・バルデースを歌う

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ジェーン・スー 相談は踊る (一般書)

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