「ILLな場所に居ること。」

「粋な夜電波」第327回放送は、ジャズアティテュードが続いた夏を経て、久しぶりのフリースタイル。
以前話題に上った「今一番ヤバいファミレス」の話から広がって、無名時代の思い出話に繋がったトークの一部を文字起こししてみました。

Living For The Future

えーとね、「糞味噌…」…ラジオであんまり「クソ」とか言っちゃいけないんだけど。まあ、例え話っていうか、昔からの慣用句として…「糞味噌一緒」っていうのがね、一番ヤバい場所なんですよ。
あのね、「ヤバい場所」…うーん、歓楽街育ちじゃないと分かりづらいニュアンスだと思うんですけど。「ヤバい場所」っていうのは、違法と合法、さらにはその中間領域…その三者がひしめき合っている場所ってのが、ヤバい場所なのよ。
これがね、街に住んでる…歓楽街で育った人間の考え方ですね。ま…ワタシの事ですけどね。
違法だけ、あるいは合法だけ、あるいはグレーゾーンの人だけがひしめき合ってるのは、そこは別にヤバい場所じゃないの。そこは鉄火場なのよ。
例えば賭場。賭場はね、ギリギリなの。欧州では賭場が長い間合法でしたよね。日本もカジノ構想とかね、石原さん言ってましたけど。えー…無理でしょ、あれね（笑）。いろんな意味で無理だと思いますけども。
賭場もギリギリで、賭場自体が違法か合法か、違法と合法の中間地点なのかっていう、アイデンティティがグラグラなところではありますよね。どれもあるから。
と同時に、その中でイカサマやってる人と、すごい無邪気にちゃんと普通にルーレットやって、普通に「スった〜。」とか「当たった〜！」って楽しんでる無邪気な人と、ギリギリの人と真ん中の人とひしめき合ってるんですよね（笑）。だから賭場はヤバい場所です。
だからその…悪い場所…「ILLな場所に居る」ってね。「いつもILLな場所に居る」「このまま千年ぐらいは余裕でミニマル」っていうね。あのアルバム、もっと売れませんかね。まだ300枚ぐらいしか売れてないんで（笑）。もっと売れるべく、リプレゼンテーションの…リパブリシティの打ち合わせをこないだしたばっかりですけど。
ジャズドミュニスターズのね、２枚目のアルバムですよね。「Cupid & Bataille, Dirty Microphone」という、あのアルバムのPVっていうかMVっていうの？…あれを一挙に４本撮ることにしたんで（笑）。これまた…何て言うか…「いきなり来たね！」って感じですけどね。
はい。ま、それはともかく…ネズミ講は違法だから、でもネズミ講もいると思いますよ…だけどFTもいるし、下手したら宗教もいるしね。それがデニーズの壁の脇にビターッと…こうなってるわけよ。だから、あれはヤバいゾーンですよね。
はい。ま、ま、ま…そんな感じですよね。
最近、とにかく…ファミレス的にヤバいのは、ひとつはその新宿中央公園…俗名：西口公園の脇にある24時間のデニーズの壁際ですけどね。
ま、あまり…こんな事言ったからっつって、なんかよくラジオのリスナーの方って「聖地」とか言って見に行ったりするけど、行かないで下さいよ。ほんとに…危ないですからね。ええ。
子どもが泣いてるヤンママに対してね、「警察呼ぼうか？」って言った人いましたからね（笑）。
「虐待だよ、あれ。死んじゃうよ。」っつって。「あんな子どもが泣いてんのに、親、放っといてんだから、子ども死ぬだろ。」っつって。「俺、警察電話してやるから。」って言う、おっかない人がいましたからね（笑）。

Cupid & Bataille, Dirty Microphone

（「売れないお笑い芸人時代にデニーズでよく漫才のネタ合わせをしていた」というメールを読んで）

（中略）

ま、ま、ま…いろんなね。ワタシだっていつ…空き缶集めるかわかんない身の上ですからね（笑）。何の保証も無いですから。
えーと、御同輩というかね、まあ…頑張って。なるべく楽しく生きて…
ま、このメール読む限りね、なんかこう…切なくもありますけど、楽しそうですからね。
楽しいですよ、こういう時代は。
ワタシも…貸しスタジオなんか借りる金なんかもありゃしないところに、原宿の…何だあれ、原宿っちゅうか代々木っちゅうか、明治神宮の裏の公園、何公園っていいましたっけ？…代々木公園だ。名前忘れるような公園じゃないですよね（笑）。
デング熱！（笑）…「デング熱、封鎖！」の代々木公園の橋の下でね、サックスの練習してね。
「♪ドレミファソ〜」と吹くとね、向こうのほうで「♪ソファミレド〜」って返ってきたりなんかしてね（笑）。もう一回こっちが「♪ドレミファソファミレド〜」って返すと、向こうがとんでもないフレーズで返してくるっていう…まあ、何ていうかSNSにも似た（笑）…交流っていうんですかね。友達っていうか（笑）。
で、こっちの…もう、すぐわかるんですよ、どの程度か。プロレスラーは組んだ瞬間に実力がわかるって言いますけどね。まあ、音階聞いただけで、どのぐらいの奴かわかりますから。「これはとてもかなわねえな。」っていう日は、恥ずかしいですから尻尾巻いて帰ってね、相手が自分とトントンもしくは「俺より下だな。」って思った日は、堂々と音階練習ができる…なーんて日もありましたよね。
それがもう今やね、ちょっとした練習に、スタジオNOAHの深夜パック６時間…使い放題（笑）。
「菊地さんですね？」とか言われたりなんかして。「マイク要ります？」「いや、今日は結構です。」なんつってね。
ま、ま、ま…単にね、賽の目が一個ずれただけ。あれ、一個賽の目外れてたら、今頃ワタシも…なんでしょうね、空き缶拾ってたと思いますからね。運だけですよね、ほんとねえ。

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