M-1グランプリ2009。

(注:ネタバレ含む)
ここ数年の傾向として、ひとつのネタに細かいボケをなるべくたくさん入れて、テンポアップして勢いを増して後半に盛り上がりを作れるコンビが高い評価を得るようにある。
個人的にはひとつひとつのボケに発想の飛躍が感じられず、ただ言い間違いを訂正したりするだけの漫才はあまり好きではない。
やっぱり「なんかすごい面白いヤツ出てこないかな〜」と期待してM-1を観るわけで、ただ「漫才が上手い」だけでは物足りないんだなこれが。
2005年のブラマヨ、2006年のチュートリアルを輩出したことで、「実力はあるのに世に出れていなかった面白いヤツをスターにする」という番組の役割はひとつ終わったような気がしている。2007〜2009までは「特選・該当者なし」で「佳作」を決める大会になってしまったなあ、というのが正直なところだ。
しかしあくまでも賞レースなんだからその時の一番を決めることには意味があるわけで、そういう点では今年の結果も納得できるものだった。
パンクブーブー」は総合力は高かった。やはり「2本とも面白い」というのはそうとうにハードルが高いのだということを痛感した。
でも…彼等の受賞に水を差すようで申し訳ないけれども、やっぱりあれは「笑い飯自滅(苦笑)」の賜物だよなあ…。
「なんで2本目そのネタやねん!」と誰もが思ったにちがいない。
1本目の「鳥人」で「ブラック・ファンタジー漫才」ともいうべき新たな展開を見せつけ、「やっぱり笑い飯はすごい」と客も味方について、勢いある中での最終決戦だったのに…。あれではわざと負けたとか敗者の美学を追求してるとか言われても仕方ないかもしれん。(散々使い古されたネタを継ぎ接ぎでやる苦肉の策…。個人的には「ガムの妖精」をやった方がまだ良かったのでは?と思っている)
しかしあの尻切れ方も含めて「笑い飯らしいなあ…」とも思う。
逆に「鳥人」で彼等はになったからね、あれで良かったのかも。記録より記憶に残る方がずっといいわけだから。(それにしてももったいない!…あと東京ダイナマイトの2本目が観てみたかった…)