「松尾さんが止まりません!」

日曜の18時30分からのシーズン3になってから、初めてのスペシャルウィーク聴取率調査週間)を迎えたTBSラジオ菊地成孔の粋な夜電波」ですが。
今回は特別ゲストとして、音楽プロデューサーの松尾潔氏を迎えて爆笑対談!
もう番組開始早々から、ほろ酔いの松尾氏が喋る喋る…。
正直、EXILEのプロデューサーという肩書きだけで、この番組にそぐわないんじゃないかと偏見を持っていましたが、こんなに面白い方だったとは。NHK-FMでやっているという「松尾潔のメロウな夜」という番組も聴いてみたくなりました。
菊地先生とのトークの相性もかなり良かったですね。
番組冒頭の松尾氏登場から、JUJUの曲紹介に至るまでの部分を文字起こししてみました。

SMOOTH SUMMER

SMOOTH SUMMER

菊地 え〜、前口上などでもご紹介させていただきましたが、改めまして…え〜、何とご紹介されるのが今一番…お好みといいましょうか…「EXILEのプロデューサーの」というのでいいですか。
松尾 …まあまあまあ、もちろんあの〜…人様が決めてくださればそれでいいんですけど、今日はあの…菊地さんの一友人として参りました、松尾潔でございます。
菊地 いやいや(笑)…松尾潔さんです。はい。えーと…なにかあの…ご尊顔が赤いようですけれども…。
松尾 いやいやいや(笑)…せっかくね、赤坂でこう…マイクに向かうということでね。あの〜…緊張し過ぎて2時間前に赤坂に入っちゃって…。
菊地 緊張し過ぎるはずないじゃないですか(笑)。…緊張するわけないじゃないですか、そんな。
松尾 ちょっと今あの…蟹のフレーバーがこのブースの中に漂ってると思うんですけど…(笑)。
菊地 プロカンジャンケジャン」ね。
松尾 「プロカンジャンケジャン」に行って参りまして。
菊地 はい。ソウル本店は不味いですけどね。赤坂店は美味しいです。
松尾 赤坂の方が味は美味しいよね。値段は倍ですけど。…僕はもともと韓国系のお仕事もたくさんやってたし…。あの〜、ワールドカップの仕事とかやってたんで、よく韓国行ってましたけど。
菊地 はい。
松尾 その本店がある新沙洞(シンサドン)ってのがあるんですけど。新沙洞の街って…ま、結局その街から日本にやってきたのは「プロカンジャンケジャン」だけだけど…。
菊地 (笑)。
松尾 ま、ワタリ蟹の醤油漬けね。
菊地 そうですね。
松尾 行かれたことある方はご存知でしょうけど、新沙洞って蟹の街なんですよね。
菊地 そうですね。
松尾 蟹料理ばっかじゃないですか。これほんっと…今酔っぱらった勢いで言いますけど、あそこが火事になったら…あの街、とてつもなく…
菊地 蟹臭い。
松尾 素敵な香りがするでしょうね。
菊地 (笑)。
松尾 (笑)。僕、そういう事を夢想しながら、いつもチャミスル飲んでますけどね。
菊地 なるほど。今日はちなみにどのくらい、あの…召し上がったんですか。
松尾 今日はね、えーっと…蟹を2杯半ぐらいいただいて…(笑)
菊地 はい。蟹2杯半の…
松尾 チャミスル1本半…
菊地 わかりました(笑)。ありがとうございます。
松尾 隣のテーブルに由紀さおりさんがいらっしゃったってのを酔いの勢いで言いますけどね。今日お昼番組やってらっしゃいましたけどね。
菊地 なるほど。赤坂の風景ですねえ。
松尾 ほんと。赤坂の風景ですよ。
菊地 赤坂の蟹料理屋さんに由紀さおりさんと松尾さんがいたってのは…
松尾 「プロカンジャンケジャン」の前を…
菊地 はい。
松尾 「プロカンジャンケジャン」でお腹いっぱいになって、TBSにテクテク歩いて来たんですが、その間に坂本冬美さんの事務所の前を通って来ました。
菊地 なるほど。
松尾 うーん、赤坂っぽい。
菊地 赤坂っぽいですね。…なんて言うか…セレブ尽くしですよね。
松尾 これセレブっていうんですか?(笑)。
菊地 蟹はやはり食材のセレブだと思いますからね。
松尾 (笑)。…JTBがね、確かJTBだと思うんだけど、「普段食べないのに旅先で食べて好きになった物ベスト10」ってアンケートやったら、ぶっちぎりで1位蟹だったらしいですよ。
菊地 蟹しゃぶとかでしょ。
松尾 でも逆に言えば、旅先で食べて美味しいなと思っても、地元に帰って食べるわけでもないってことですよね(笑)。
菊地 まあまあまあ。そこが蟹ですよね(笑)。
松尾 まあ、あの…サンプラザ中野風に言えば、「リゾ・ラバ」ですよね。
菊地 (爆笑)。…すごいですね、そこの「サンプラザ中野」が(笑)。
松尾 (笑)…すいません、お粗末でございますが。
菊地 とんでもございません。…えーと、そうですね。今しばたはつみさんかけたのは…、まあまあこれはあの〜、この後JUJUさんに引っ張るってことですよね。
松尾 あっ…なるほど。JUJUさん…だよね…大層お世話になりました、ほんとに。
菊地 とんでもないです、こちらこそ。
松尾 あんなヨゴレ仕事、ありがとうございました、ほんとに。
菊地 …い、いいんですか?…ヨゴレ仕事とか言って(笑)。
松尾 いやいや…もうね。まともに取り上げてくれた雑誌、「JAZZ JAPAN」だけなんですからね、あれね。
菊地 あ〜、そうですか。
松尾 「JJ」と「MM」ってえらい違いですよ!
菊地 (爆笑)。
松尾 菊地さんが表紙になった「MM」…
菊地 はいはい。
松尾 菊地さんの最も新しい仕事のひとつだと思うんだけど…
菊地 そうですね。
松尾 JUJU、まったくひと言も触れられてなかったですね…。
菊地 そうですね。そんな雑誌とは絶縁ですよ!
松尾・菊地 (爆笑)
菊地 エグいなあ、もう…。
松尾 いやいや…もともと僕、あそこのレギュラーライターですけどね。
菊地 はいはい。存じ上げてますよ、はい。
松尾 (笑)
菊地 いやいや、編集部と絶縁ですよ。ライターの方に罪はありませんけどね。
松尾 なるほど。…いや、松尾違いで僕もいろんな誤解を受けて、結構大変なんですよ。
菊地 そう。あれを松尾さんだと思って…
松尾 結構何人かに、「松尾さん、あれ…菊地さんと今度全面対決だって?」って、全然意味がわかんなくて…。
菊地 (笑)…はい。
松尾 あ、松尾違い?…だと。
菊地 ま、潔と貴史のね…。
松尾 あ、そっちの方もありますけどね(笑)。
菊地 …いやあ、そうですか…。あの…僕がUAさんとやった時に、やれなかった感じっていうか…夜の…。
松尾 はいはい。
菊地 ま、UAさんの…まあ、出した年にも…あれ、2005年ですけど。
松尾 あ、もうそんなになりますか。
菊地 なります、なります。
松尾 けど僕はあれ、非常に…大きなインスピレーションにさしてもらいましたね。
菊地 あ、そうですか。
松尾 つまりポップシンガーの人が、ジャズのアルバムを作る…、もちろん海の向こうでリンダ・ロンシュタットとか…
菊地 はいはいはい。
松尾 ナタリー・コール…ま、ナタリー・コールはちょっと出自があれだけど…。
菊地 うん。リンダ・ロンシュタットが一番極端…。
松尾 ま、ネルソン・リドル役はシマケンさんにお願いしようと。
菊地 はいはいはい。
松尾 だけどやっぱソロイスト…が肝だなと思って…。
菊地 ああ、はいはいはい。
松尾 で、菊地さんには「Ev'ry Times We Say Goodbye」演っていただきたくて…。
菊地 はい。
松尾 で…菊地さんの前で言うのは釈迦に説法だけど、やっぱり「Ev'ry Times We Say Goodbye」っていったらコルトレーンですよ。
菊地 そうですね。
松尾 ま、シーツ・オブ・サウンドって言うんですかね…。
菊地 はい。
松尾 急に音楽番組になっちゃって(笑)。
菊地 (笑)…最初が蟹番組過ぎたんですね。
松尾 (笑)。
菊地 出だしが蟹で始まったんで。
松尾 蟹番組からジャズ番組…。
菊地 蟹からジャズですよ。
松尾 すいません。…この番組、脱線が肝ですよね?
菊地 そうですよ!
松尾 僕ね、ほんと今日お酒入っちゃってるんで…。
菊地 それ、さっき言いました(笑)。
松尾 忘れないようにメモってきたんですけど…。
菊地 はい。ワタシもう…酔客に会うと子供の頃を思い出すんでね。懐かしい気分になってますけど…。
松尾 わたしが子どもだったころ」…神南の方の番組のタイトルですね。
菊地 (笑)。
松尾 …最近、HONDAのCMに、高田純次さんがピッとスリーピースお召しになってんのご存知ですか?
菊地 知ってますよ、はい。
松尾 「FREED」って車のCMなんですけど。
菊地 はい。
松尾 あれ「FREED」のハイブリッドのCMなんです。で、高田純次さんのあの…もうジャズメン的なアピアランスと相まって、僕はあれを「フレディ・ハバード」って読んでしまったっていう…。
菊地 (笑)。
松尾 …話がどこでも出来ないんで、ここで今やりましたけど。
菊地 ここでしかできないですね(笑)。「フリード」を「フレディ・ハバード」と間違えたんでしょ?
松尾 「FREED HYBRID」が…
菊地 「FREED HYBRID(フリード、ハイブリッド)」が「Freddie Hubbard(フレディ・ハバード)」ね。…高田さんがハードバップな感じがして…。
松尾 そうそうそう。
菊地 …したんでね、そう。…通じません、それは!(笑)。
松尾 高田さん、ハードバップだけど、顔よくよく見るとボズ・スキャッグスに似てますけどね。
菊地 似てる!(笑)…これ止まんねえな。今日、曲かけるのやめましょうか。
松尾 かけなくていいって聞いて来たんですけど…。
菊地 今からかけるんですけど、いちおうね。あの…ま、いちおうご一緒した仕事ということで…。
松尾 そうですね、はい。
菊地 すいません、ワタシこの日あの…それこそね、2011年ってのは日本人に緊張を強いた年ですけど、…なので風邪なんかひかない年でしたけど。あの…この日ばかりは…2011年でこの日唯一、この日のレコーディングの前日にワタシ39℃超えしまして。
松尾 あの日ほんとご体調悪かったですよね。
菊地 あの〜、熱冷ましの注射打って現場行ったんですね。…で、JUJUさんが握手されようとしたんで、「今、ワタシに握手しないで下さい」って言ったの。
松尾 (笑)。
菊地 それをあの…違った意味でね…、そうじゃなくて、もしシンガーの方にね…。
松尾 ああ…ありましたね、去年の夏の話ですね。
菊地 はい。JUJUさんで、これアルバム…じゃ、ご紹介して下さい。
松尾 はい。えっと…「DELICIOS」っていうアルバムの中に収められております、まあ…コール・ポーター作といいますか…、いろんな方がね、歌ってますけれども。菊地さんにソロを披露していただきました。
菊地 はい。「Ev'ry Times We Say Goodbye」、JUJUです。
(曲)

菊地 …はい、ではインフルエンザの患者が演奏すると、こういうソロだという演奏が繰り広げられているところですけども…。
松尾 いやいやいや。
菊地 まあまあ…深く聴きたい方はいろんな形でゲットしてください。
松尾 だけど、シンガーの世界では「ポリープも芸のうち」ってのがありますからね。…インフルエンザも芸のうちって…。
菊地 (笑)。はい、松尾さんが止まりません!(笑)。…「菊地成孔の粋な夜電波」です。

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