「96時間」


「リアム兄さん」って、「何言ってるんだ。リアムは兄さんじゃなくて弟だろう…」と言いたくなる気持ちもわからんでもないが、オエイシスの話じゃなくて、リアム・ニーソンの話…。
リーアム・ニーソン…って、なんでリーアムって伸ばして表記する? ウィリアムの略でしょ?…ギャラガーはリアムで、ニーソンはなぜリーアム?)
ま、とにかくリーアム兄さん主演の「96時間」をDVDで観た。
なぜに今さらこの映画かというと、イラン映画とかキム・ギドク作品とか、わかったようなわからないようなもどかしい気持ちにさせられる映画ばかり観てモヤモヤしてたので、なんかわかりやすくてスカッとする映画が観たくなったから。
…まさにその期待に応えてくれた痛快アクション・ムービーだった。
リュック・ベンソン製作、脚本のフランス映画で、原題は「Taken」。「96時間」なんていう邦題が付けられたばっかりに、自分はすっかり刑事物のバディムービーかと思い込んでいたよ。
内容は、元工作員の父親が誘拐された娘をたったひとりで救出しようとするという、実にシンプルなストーリー。
もう動機が揺るがないので、細かいことは気にしないで一気に観てしまえるのだが、逆に「娘のためなら全世界を敵にまわしてもいい」というこの徹底した揺るがなさがこの作品の肝でもある。
アクションもスピーディでキレがあり、退屈することがない。93分という長さにきっちりまとめられているのもいい。
さまざまな困難やピンチを次々にクリアしていくという展開は、どうしてもご都合主義的に見えがちだが、困り顔のリーアム・ニーソンが全身で体現する「娘への愛」、その必死さが切実で、やはり胸を打つ。
自分の娘さえよければ、他の人はどうでもいいんかい!…と思わないこともないので、メッセージ的には誠実さに欠けるところはあるかもしれない。
しかし、こういう映画はこういう映画の見方というか、マナーがあって、やっぱり「あそこはリアリティがない」とかいうツッコミをするのは野暮というものだろう。

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