「ソウルは渋谷系になっていくのか？」

「粋な夜電波」第80回は、少女時代がシングル切った時恒例の「韓流最高会議」と題したK-POP特集。
日本映画大学准教授の韓東賢さんと、DCPRGのドラムス・田中教順さんをゲストに迎えて、少女時代を中心とした韓国のポップミュージックについて、ざっくばらんに語る楽しい回となりました。
政治的には両国の間に緊張が走ろうとも、音楽をはじめ、文化については自由に語ってよいのだという姿勢には、共感しますし、勇気づけられます。
まあ、話題がたまたまK-POPについてなだけで、話はいつも通り、最高に面白いです！
番組後半の「ソウルは90年代化していくのか？」ということについて語った部分も興味深かったので、その部分を文字起こししてみました。

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菊地　芸事がこう…下手っていうことも許される、あるいは絶対許されないという文化的な基盤に関しては、結構根が深いと思うんで…キリがないんですけど。
韓　うん。
菊地　いずれにせよ、ウマウマ（上手上手）…そして生肉…生肉大安売りセール…高級生肉などを食ってると、だんだんチープな物が食いたくなるのが人の性であって、これはもうしょうがないじゃないすか。これはもう何人も関わりないと思うんですよね。
だから、おそらくジャンクやヘタウマっていうのを、ソウルも好きになる…。ただソウルはどっちかっていうと国内っていうより、外需に頼るっていう属性に因って、その国が喜びそうなものを作るようなことがあるから。
韓　うーん。はいはい。
菊地　ソウル自体が例えば90年化したからといって、ソウルから世界中に発信されるポップスが90年っぽくなるかっつーと、また微妙ですけどね。
韓　そうですね。
菊地　とはいえ街行くとねえ…、いやあもうほんとに、ふかわりょうさんとかスネオヘアーさんみたいな人がいっぱいいるんですよ。
韓　（笑）。
田中　ああ〜。
菊地　ようするに90年代っぽいんですよ。で、カフェが出てて、ちょっとした小さいフードにグラスワインってのが一番かっこいいんですよ。ピッカピカに新しいわけ。
田中　へえ〜。
菊地　だからあの感じが音楽に向かって行くのかな？どうなのかな？…ってのは、ちょっと興味ありつつ…。
韓　うん。
菊地　話ぐるっと少女時代に戻りますと、100点満点でいくと、田中ちゃん、何点ですか？「FLOWER POWER」は。
田中　ええ、マジですか!?…。
韓　（笑）そんなことを言わせてしまう？
菊地　まあまあまあ…「GENIE」が100点だとしてですよ。
田中　ああ…そうすね、「GENIE」120点で、「FLOWER POWER」75点ですね。
菊地　（笑）。
田中　いや、決して悪くないんですよ。
菊地　悪くないよね。
田中　悪くないし、これが例えば、すごく語弊あるかもしれないけど、KARAの新曲っつって出てたら、「KARAいいじゃん、今回も！」みたいな話になったと思うんですけど、やっぱ少女時代 with 「GENIE」を経験してしまうと…。
菊地　そうですね。
田中　どうしてもやっぱ懐古厨（かいこちゅう）発動って感じになっちゃいますよね。
菊地　（笑）。あの…ある一定以上のクオリティと、必ず絶対アイキャッチするフックを入れるんだっていう、ブランド感は絶対外さないですよね。
田中　はい。
韓　うん。
菊地　とはいえ70点台から80点台にクラッチされてしまっているという（笑）。150は出ねえのかな、もう…っていう。
韓　それって何か切ない話ですね。
菊地　あ、かなり切ないですよ。
韓　すごいいいものを作っていても、「GENIE」の面影があって…。
菊地　そうそうそう。オレのセシルは結婚してしまうしね（笑）。
田中・韓　（笑）。
菊地　いや、ほんとですよね。…で、まあ今のところ一番売り上げているのは、多分トンバンダンと思うんですよね。
韓　日本で？
菊地　世界でじゃないですか。東方神起はもう「歩く企業」と呼ばれてますからね。
田中　うん。
菊地　だからそれを頂点に、K-POPがこれから日本も欧米も含めてどういう動きになっていくかっていうのは、まだまだほんとに…ひと段落ついたように見えて、実は激動期とも言えるわけで。ワタシが注目してるのは、「90年代化」をどのくらい形として進めるのか？っていうとこなんですよね。
田中　ああ〜。
菊地　ま、次回韓流最高会議、これソウルからお届けしよう！という…。
田中・韓　（笑）。
菊地　（笑）。ソウル行って各々レコード屋行って…。
韓　買い物ゲームみたいな？
菊地　そうそうそう。あの「イラっとくる韓国語講座」みたいに行って、いろいろ買って、そいで聴いて行くっていうね。チヂミも食べていってね、「ほれ、この通り。油っこくありませんよ」と、いうようなことでやっていくのがいいんじゃないかと思いますけどね（笑）。

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