「大橋トリオの才能がうらやましい。」


大橋トリオのアルバムを何枚かまとめてレンタルしてきた。
カバー曲もオリジナル曲も、初期の曲も最近の曲も、どれも良い意味で均一化、どの曲もクオリティが高く、本人の個性がしっかり反映されているので、シャッフルしてどこから聞いても、全部いい。
曲を聴くまで、「大橋トリオ」という名前は聞いてことがあったけど、こんな感じの音楽だとはまったく思っていなかった。実はスキマスイッチの人ソロ・プロジェクトかなんかかと思い込んでいたのでした。
この人、ひとりなのにトリオを名乗っているのだね。二人なのにピチカート・ファイブみたいなものか? もしくは劇団ひとりみたいなノリか。
普段はあんまり優しい歌声で雰囲気のある静かな曲…みたいなのは聞かないのだが(リズムが強くないと退屈してしまって)、時々こういうのも聞きたくなる時がある。
もう、どんな曲でもこの人が歌えばオールOKという才能の人がまれにいて、ハナレグミとか七尾旅人とか、この人もその系譜にあるんじゃないかな。
もちろん曲作りにおいてはいろんな工夫を凝らし、苦労もあるのだとは思うけど、おそらく元々音感が良くて、センスがいいので、自然体で音楽がやれている…こういう才能は単純にうらやましい。
ロックばっかりずっと聞いてきたので、アジカンのゴッチとか、音楽的才能が元々備わっているわけではない人が、悪戦苦闘してひねり出してきた曲とかに心打たれたりとか、それは今でも変わってないのだけど、音楽をちょっと勉強し出したりすると、「ああ…やっぱり純粋に音楽のレベルだけを求めると、才能とセンスが備わっている人の方が、より高度なことが早くできるな」という実感もあったりして。
「拙いがそれがどうした、オレは3コードに魂込めてんだ!」みたいな音楽は、もう今さらちょっと聞けないよなあ…という気分でもあるので、「ポロンとピアノ弾いて、ボソッと歌ってるけど、全然レベルが違うわ」という、大橋トリオのような才能には素直に敬服するし、実際耳に心地よいのだから仕方がない。

I Got Rhythm?

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