「それはコミックバンドから始まった。」

「粋な夜電波」第107回放送で、再来週のスペシャルウィークの特別企画が発表されました。
「二度と語らぬ若気の至りMIX!」と題して、今の菊地先生の活動からすると意外に思える仕事をたくさんされていた時代のエピソードが聞けるということで、楽しみです。
その修行時代の話も飛び出した告知の部分を文字起こししてみました。

はい、というわけで再来週16日がですね、またしてもやってまいりましたスペシャルウィークですね。こないだのスペシャルウィークは、おかげさまでね、数…取ったみたいですけども。ま、今度は落とそうかなっていう…(笑)。
ずーっと取ってくってのはねえ…そんな無理ですよう、やっぱり。いや、こう…ね?…バグシーシの世界ですよ。一回一等を穫ったら、次はこちらに渡してね、こう…やり取りしていくっていう(笑)。…何言ってるのか(笑)、「いいんだよ、穫り続ければ!」っていう、恐い顔が今サブからピッときましたけどね。
え〜…というわけで、まあ、ワタシ的にはこれ、落とすと思いますけどね。とはいえ(笑)…早朝まで「スペシャルウィーク、どうしようか?」って話がですね、これが結構すごいですよ。長谷川さんと戸波さんとワタシと長沼で雁首揃えてですね、こんななって腕組みしちゃったりなんかして、「あれはどうだ、これはどうだ?」なんつってね、で、必ず大体ワタシが言った案に決まるんですけど(笑)。今回もワタシが言い出した案に結局落ち着いたんで。まあ、問題は、3〜4時間…そこに落ち着くまで、どんな案が出てたのかっていう、廃案についてはね、今度一覧したいぐらいなんですよね。まあこのね…戸波廃案も長谷川廃案もね、かなりの味わいがある、ハイアン・グレーシーなんですけども。
え〜…てなわけで(笑)、じゃ結局何になったか?と申しますと、再来週のスペシャルウィーク、6月16日、お知らせです。スペシャルウィークは…
「あの頃オレは若かった!菊地成孔の二度と語らぬ若気の至りMIX!」
(♪あの時君は〜若かった〜)
はい、スパイダースに乗せてね。まあ、うちの兄貴が昔ね、堺正章さんに似てるの似てないの(笑)…そんな話もありましたけど、思い出させるスパイダースですけどもね。
えとね、今年の6月14日…今年って書いてありますけど、ちょっと後ですよね。6月14日に50歳の誕生日を迎えます。もう…ジャズメン用語ですとゲージューですけどね。私、菊地成孔人生の折り返し地点(笑)…折り返し地点って、100歳って決定してますけどね。医学の大変な発達によって400ぐらい生きるかもしれませんけども、まあ、あるいは53ぐらいで逝ってしまうかもしれませんが。あらためて、若い頃の修行時代を振り返るスペシャル企画です。
どういう企画ですか? 例えば、まったく金が無いのに、ま、ぶっちゃけね、年収4万時代の話しますよ。年収4万円でしたけど、毎日大変なお大臣で、バカ騒ぎしていたというね。これがバブルだ!っていう、正統バブルの話ですね(笑)。
あるいはですね、まあ、こんなに珍しい…今となってはあんまり外に出せないんじゃないか、いや、そんなことありませんよっていう音源ね。
ワタシが最初にギャラを貰った仕事は、ま、これは事実なんですけど、一般的には、横浜米軍ベースでフィフス・ディメンションのバックを、米軍ベースの将校クラブで演ったっていうのが…実際それがホントなんですけど、これ1本だけなんですね。
レギュラーでワタシが最初にやった仕事は、アラジンですからね。完全無欠のロックンローラー…まま、氣志團みたいな格好もしましたよ。…しまして、「ちょんわちょんわ!」みたいなこともやりながらですね(笑)。御当地が名古屋だったんで…ま、いいや…これは聞いてのお楽しみって感じですけどね。
まあ、ブルーノート名古屋が初めて名古屋に出来たときにね、「こんな所で演奏できたらいいな〜」と思いながら、営業していた…それが今は…といったような話もしますよ。
後はですね、岩風呂に頭から飛び込んで(笑)、額をパックリ割りました。これもね、散々あっちこっちのメディアで言ってるんですけど、何回言っても飽きがきませんね、これね。…岩風呂に(笑)…酔っぱらって、ホステスの皆さんと一緒に今から露天風呂に入るんだっていって、興奮してバーンって岩風呂に突っ込んだらね、頭をパックリ割ったまま、麻雀までなだれ込みましたっていう、血だるま麻雀事件とかね。
まあ、いろいろ話が膨らんだんで、先にスパイダースさん、終わってしまいましたが。そんな、ワタシが修行時代のWBOエピソード…ま、YWBOでしょうね、これね。ヤングWBOってことですね。YWBO(笑)エピソードを語りながら、今では入手困難な過去にワタシが参加した珍盤奇盤ですね、これをバンバンO.A.していきます。
そしてですね、これにちなみまして、リスナーの皆様にはですね、今回ワタシの修行時代にまつわる情報を募集します。例えばですね、これはですね、ウィキペディアとかああいうのをあたれば、そりゃいくらでも昔の話出てきますから、そんなインターネット情報は要りませんよ。そうじゃなくて、やっぱストリート情報っていうかね、レア情報ですよ。
1980年代…やめた。95年までにしようかな。1995年まで、ワタシのライブとかを観たり、ま…実際友達だったとかね。なんかいろいろありますよね。95年までのワタシのプライベートな話や、仕事も含めてにしましょうか。直に経験されたっていう方の、これ古ければ古いほどいいですね。
まあ…でもね、今、夜電波でこんなかたちで応募したら、「幼稚園の時に隣に座ってました」みたいなね、方からメールがくる可能性がゼロではなく。幼稚園時代のワタシのYWBOはヤバイですからね。厳選させていただきますけどね。言えねえ、言えねえ…ってのがいっぱいありますよ。所構わずゲロ吐いたりしてましたからね(笑)。自分のゲロ吐く場所に関してはフリーだと思ってた幼稚園時代とかありますからね。そういった完全な…ヤパイなあ、これ(笑)。…時代のこと、もしそういう情報をお持ちの方は、宛先は denpa@tbs.co.jp です。
というわけで再来週6月16日のスペシャルウィークは、「青春プレイバック!菊地成孔の二度と語らぬ若気の至りMIX」ということで、合言葉としてはYWBOですね。で、お願いします。
そしてですね、この企画に欠く事の出来ない盤があるんですよね。通常この番組は、「こういう盤が欲しいな〜」っていう、CDとかね、LPとかソノシートとかね、そういう音源が欲しいなといった場合、それを探してきてくれる「レコード探偵・中村君」っていう人がスタッフに付いてまして。ワタシが「こういう盤があるはずなんだけど、ないかね?」って言うと、世界中を回って必ずゲットしてきてくれるっていう役目を彼が担ってるんですけど、今回ばかりは彼に頼むのはちょっとどうかな?っていう盤なので、リスナーの皆様にですね、積極的に、持ってる方がいたら是非お送りしていただきたいんですが…。
ウガンダ・トラさんっていう芸人さんがいました。ワタシをソウルミュージックに開眼させてくれた恩師であります。ウガンダ・トラさん、もう亡くなりましたけれども。もしウガンダ・トラさんの…ま、バックバンドやってたんですよね。…バックバンドに入らなかったら、ワタシ今頃…この番組で〈ソウルバー〉無いと思いますよね。〈韓流最高会議〉と通常営業と〈ジャズバー〉だけで、この番組が回りますか?(笑)…回りません!
ですので、この番組にとっても大恩ある方だということになりますね。このウガンダ・トラさんが、ビジー・フォーっていうバンドをやってたんですけど、ビジー・フォーを脱退されてから出した唯一のレコードがあります。これはシングルですからEPですけどもね。片面がですね、「憧れの正常位」…これがB面かな?…「憧れの正常位」ってのもヒドいタイトルですけどね(笑)。そしてA面がね、「IDEN」ってタイトルでI・D・E・N…なんですよ。これは、自分はデブなんだけど、父ちゃんもデブ、母ちゃんもデブなんで、遺伝なんだからしょうがないっていう歌詞のですね。まあ〜なんていうか、80年代アチャラカ…今じゃ絶対出せないようなレコードなんですよね。これに参加しています!(笑)。
間奏のサックスを菊地成孔さんが吹いています(笑)。…ので、まあ…オシャレなね、カフェなんかで、クレモンティーヌの「イパネマの娘」なんかかかっちゃうと、その間奏も菊地成孔さんなんですけど、「憧れの正常位」と「IDEN」の間奏も菊地成孔さんなんで、まあ…なんでもやりますよってことなんですが。
この盤を探しています。ウガンダさんの実の弟さんにもあたりました。作曲家であるスターダストレビュー根本要さんにもあたりました。ウガンダさんの大ファンを公言して憚らないケイ・グラントさんにもあたりました。そして、まあいろいろと昔の…過去あるグッチ裕三さんにはあたりませんでした(笑)。…というような形でですね、番組スタッフが四方あたったんですけど、まったくこれが…無かったんですね。
なのでこれはもうリスナーの方の…今こそリスナーパワーを見せろ!(笑)みたいな、なんですか?よくわかりませんけど、そんな上からの語り口でいいのか、自分でも番組の塩梅がよくわかってないんですけどね。今こそ見せていただきたい。「持ってますよ!」って方のね。…この場合どうすればいいんですか?…まずは情報ですか? まずはとりあえずは、どういった状態の物を持ってるか、番組スタッフの方に「『IDEN』持ってます!」って形で送って下さい。番組スタッフの方から、どのぐらいの状態で保管されているのかをお問い合わせした上、場合によっては一時的にお借りするかたちになります、ということですね。
まあ、もう一枚、決定的なね。ワタシの公式録音の最初だと思うんですけど、あんまりネタ言っちゃうとあれですけど(笑)。まあ、ちなみに…こちらもコミックバンドですね。ウガンダさんのバンドもコミックバンドでした。まあ、ワタシのキャリアのスタートは、コミックバンド複数から始まったんだということをね、あらためてリスナーの皆さんに知らしめたいと、ね。
が、ゆえの、クレージーキャッツ原理主義なんだということなので、スカしたままクレージーキャッツが好きっつってるわけじゃねえぞ!っていうね(笑)。自分もコミックバンドのステージやってたんだ!っていう重みがあるんだということをね、わかっていただきたく…行こうと思いますね。


Cafe de Bossa Nova

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