「Moeさんのポリシー。」

「粋な夜電波」第163回放送は、好評につき「日本語ラップ特集」のパート2。
前回同様ゲストで登場したOMSBとMoeさんと、リラックスした雰囲気の中で影響を受けたラッパーや現在のヒップホップシーンについて放談した60分。
やわらかい口調ながら、ラッパーとしての矜持を感じさせるMoeさんが、自身のポリシーについて語った部分を文字起こししてみました。

幽霊たち

幽霊たち

菊地 はい、お聞きいただいている1stトラックは、JAZZDOMMUNISTERSで「XXL」です。ジャズドミュニスターズのアルバムは、残り在庫がですね…20数枚となりましたので…
OMSB イェーイェーイェー!
菊地 今日番組を聞いて注文していただくと、おそらく高い確率で無くなると思います。Amazonでは買えません。番組の方に直接オファーしてください。というわけで「菊地成孔の粋な夜電波」、ジャズミュージシャンの菊地成孔TBSラジオをキーステーションに全国にお送りしております。今週はSIMI LABのOMSB、Moe and ghostsのMoeさんをゲストに迎えての「日本語ラップ特集」のPART2です。

菊地 えーとですね、今の1stトラック「XXL」ですけど、まあ…聞いて誰でも分かるように作ったんですけど(笑)、レズビアンレズビアニズムを歌っているのですが。
OMSB そうですね。
菊地 あんまりこう…日本と言わずアメリカと言わず何処と言わず、同性愛を歌うラップソングっていうのは、あんま珍しい…
OMSB なかなかないですね。
菊地 なかなか無い…よね。
Moe はい。
菊地 で、まあ…これは製作秘話じゃないんですけど、最初まずオレが…N/Kがですね、何て言うんですかね…お芝居が始まる前の司会者っていうか道化みたいな感じで出て来て…
Moe はい。
菊地 で、MARIAさんが登場して、MARIAさんがレズビアンで…。MARIAさんは実際に「バイ」…ぐらいまではカムアウトして…いるよね?
OMSB そうですね。
Moe ふうん。
菊地 …なんなんですよ。そいで、MARIAさんと最初キャッキャキャッキャ言って、「レズのラップソング作ろうと思うんですけど。」っつったら、ものすごい盛り上がって。ケータイで。
OMSB (笑)。
菊地 メールで盛り上がって、そいで当初、この3人目のラッパー、実はMoeさんにお願いする予定で(笑)。
Moe そうでしたね〜。
OMSB (笑)。
菊地 そう。それでMoeさんにオファーしたんですよね。それは僕もちょっとドキドキしたんですけど、ダメ元でお願いしてみて。
Moe はい。
菊地 そしたら、ものすごい早さで、そのメールが届くや否やっていう感じでですね、電話がMoeさんから掛かってきて(笑)。
Moe なんかストーカーまがいの電話(笑)。
菊地 いやいやいや、そんなことないですけど(笑)。
OMSB (笑)。
菊地 すごい早さで電話が掛かってきて、「わわわ…ヤバいヤバい…」と思ったら、ま…結局断られたんですけど。
OMSB (笑)。
Moe はい(笑)。
菊地 その断るに際し、非常に丁重な…結構話し込みましたよね。
Moe そうです…あれ、いや…確か電話して、何回か着信残したんですけど、菊地さんが出てくれなくて…
菊地 そうそうそう。
Moe それで多分…私、たまんなくなって長文のメールを…(笑)。
菊地 そうそう(笑)。
Moe 怨霊のように送りつけて(笑)。
OMSB 怨霊…(笑)。
Moe すごく長いメールを書いて、菊地さんがなんかね、スパーンとひと言、「あ、つまりジェンダーセクシュアリティには触れないポリシーなんですね。」って言ってくれて。
菊地 はいはい、そうです。
Moe あ、そういうふうに言えば良かったんだ〜って思って。
菊地 はい、ワタシが何て言うか…意外とこう見えてオトボケな男で、メールをいっぱい頂いている時間は何してたかというと、台湾マッサージに行ってたんですよ(笑)。
Moe (笑)。
菊地 マッサージから帰って来て、血の巡りが良くなって…
OMSB バッチリ、リラックスして(笑)。
菊地 お、お、お、ヤバい…と思ったら、Moeさんからケータイにいろんなのが入ってて、「あ、そうかやらないんだ。」って思った、そんなMoe an d ghostsのMoeさんのQ&A。TBSの人工知能と交わしていただいたんで、ちょっと聞いてみましょう。
Moe はい。

(中略)

菊地 相手が人工知能とはいえですね…
Moe はい。
菊地 「アタシ達女性同士だし…」ってあたりから、もうちょっと軽くあの…
Moe (笑)。
OMSB レズビアンの感じの…。
菊地 軽く抵抗値が感じる答え方だったのかしら?っていうね。
Moe そうでしたね(笑)。
菊地 そうですね。…まあ、ポリシーって言ったらそれっきりなんですけど…
Moe ええ。
菊地 もし差し支えなかったら、どうしてそういうポリシーになっていったのかっていうのは…。
Moe ああ…。
菊地 Moeさんって、別にこれは番組内セクハラとかだったらいけないんですけど。
Moe ええ。
菊地 そういうつもりじゃないんですけど。普通にかわいくて…
Moe はい。…「はい」とか言っちゃった(笑)。
菊地 クラスにMoeさんがいて、まあ、OMSBも同じだと思うんだけど…
OMSB はい。
菊地 ほんで…まあ、ラップをやってて、で…ライブなんか見て、好きになるよね
OMSB はい。
菊地 (笑)。
Moe (笑)。
菊地 今、いろんな人のいろんなタブーが…(笑)。
Moe 嫌々(笑)。
菊地 ガチガチなんですよ(笑)。今、OMSBが「はい。」って(笑)。
OMSB (笑)。
Moe 無理矢理なんかテンポで言ってた感じじゃないですか。
OMSB ちょっと今テンポだったんですよ。でも、なんか…
菊地 OMSBはね、別にね、ここカットしてもいいんだけど、彼女が恐いんだよね。
Moe (笑)。
OMSB 彼女が…恐いっす。ほんとに恐いっす。
Moe めちゃめちゃ小さい声で(笑)。
菊地 いや、普通にね、全然なんか変なバイアスとかじゃなくて…
Moe はい。
菊地 普通に…「付き合ってくんない?」とか、最初は友達のふりして、だんだん…告白したりとかしますよ、きっと。僕は!
Moe (笑)。
OMSB ほのめかして言ってる。
Moe 「僕が」(笑)。
菊地 僕は(笑)。そんな…だと思うんですけど、なのにもかかわらずですね、そういうポリシーになってく…なんかあったんですか?
Moe えーとね〜…やっぱりあの…女性としてヒップホップをやるうえで
菊地 はい。
Moe そもそも、ハンデだらけだと思うんですよね
菊地 まあ、男の子の遊びって言われてますよね
OMSB うんうん。
Moe そう。男性に対して…もう、全身ハンデキャップみたいな感じだから。
菊地 はい。OMSBの半分…OMSBの中身ぐらいしかないもんね(笑)。
Moe …なので、同じゲームをするためには、そういう女性的なかわいさとか、女性的な感性とか、女性的云々っていう…変な…
菊地 はい。
Moe 嘘くさいっていうか、実体の無いものを…
菊地 (笑)。
Moe 自分の強みだと認識して、表に出した時点で負け!
菊地 ああ〜。
Moe 勝ち負けで言うと。
OMSB それは…オレは男だけど、すっごい…女の人を見て、よくいるんスよ。MARIAはともかく、女のラッパーの人で、「私は男に負けたくない!」ってタイプの女のラッパーの人ってすっごいいるんだけど。
Moe はい。
OMSB やっぱり女の部分ってバンバン出してるし、歌詞でも「アタシは…」って、「アタシは…」って言っちゃうのも、オレはどうかと思うんで。
Moe 言った時点で負け!
菊地 おお〜!…そっちのポリシーだってことですね。
Moe そうですね。
OMSB うーん。
菊地 あのね、こういう…今回は前回と違って、非常に大量のメールが届きまして。前回一通だったんですけどね(笑)。
Moe えっ…だって「番組史上最高の支持率」って書いて…
菊地 大変な支持率でした。
OMSB ほんとですか!
菊地 あの…当然アンチもいるんだけど。要するに賛否両論。
OMSB うーん。
菊地 で、激しく沸騰してね。
Moe ああ〜。
菊地 ま、そん中で一番多かったのが、すでにさっきのスキットで答えられてますけど、「Moeさん、次回作はいつ出るんですか?」っていうのが(笑)…最も多かったんですけどね。
Moe そうですねえ〜。
菊地 それはなんですか、「録音快調!」って感じなんですか。それとも構想中て感じですか?
Moe ああ…「予定は未定」って感じです、はい。
菊地 未定なんだ(笑)。でも、アンチファンに対しては「次の作品でぶっ飛ばしてやる!」って思ってるわけね
OMSB (笑)。
Moe そうですね、まず言っとかないと!(笑)。
菊地 さすがはラッパーですね〜
OMSB カッコいい!ほんとに。
菊地 カッコいいですね〜。

Mr.“All Bad”Jordan

Mr.“All Bad”Jordan


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