「『弱虫ペダル』からの『ヤング・ゼネレーション』」

弱虫ペダル 1 (少年チャンピオン・コミックス)

弱虫ペダル 1 (少年チャンピオン・コミックス)


アニメ化もして、かなり人気のある作品だと知ってはいたが、読んでいなかった「弱虫ペダル」。
最近読み始めたら、やっぱり面白い。
主人公の小野田坂道くんがアニメオタクの眼鏡君で、激坂をママチャリで往復して秋葉原まで通っているうちに、実は自転車競技選手としての資質を備えていたという話なので、「なんか『少年サンデー』向きのマンガだな〜。『少年チャンピオン』なのは意外!」と思っていたが、巻を読み進めていくと、過剰な熱量でどんどんエキサイティングな展開になっていき、しかもルックス的にも性格的にもエグい奴らが敵キャラとして次々に登場し、どんどん「バキ」みたいになってきて、「チャンピオン」寄りの作品になってくるというのも面白くて、かなりハマってしまった。
世の自転車ブームにも一役買っていることは間違いなく、新宿のY'S ROADにも何枚もポスターが貼ってあるし、女性でロードレーサーを購入したいと考えている人も周囲に増えている。
かなりお金のかかる趣味になりそうなので、今のところ自分はやってみようとは思わないが、レンタサイクルとか初心者用コースとかがあれば、一度どんなものか乗ってみたいという興味はわいた。
それを踏まえての、「ヤング・ゼネレーション」鑑賞。DVDで。

ライムスター宇多丸氏が生涯ベスト級に好きな映画として紹介しているのを度々聞いてはいたので、きっといい映画なのだろうとは思っていたが、なかなか79年の青春ものというのに手が伸びず、そのうち観ようと後回しになっていた。
自転車に興味が出て来たこのタイミングで観たら、より楽しめるのではないかと思ったのでレンタル。
確かに、いわゆる「負け犬たちのワンス・アゲイン映画」として、アガるし泣ける、よくできた作品。
キャラも魅力的で感情移入もしやすい。観る人それぞれのいろんな甘酸っぱい思い出を反映できる、青春映画の傑作だと思う。
個人的には、たびたび挿入される主人公の両親の場面が、話が進むにつれてだんだん面白くなっていき、最初は憎たらしいオヤジだったパパさんが、どんどん愛すべきオジさんになっていくところが好きだなあ。
観る前は、エリート学生と競う手段として自転車レースがたまたま選ばれた学園ものなのかと思っていたが、予想以上にレースのシーンは迫力満点で、これどうやって撮影しているんだろうと感嘆した。
確かにこれは「午前十時の映画祭」の時に、スクリーンで観るべき作品だったかもしれない。
これを機に、ツール・ド・フランスとかのドキュメンタリー作品なども観てみたくなった。