「3月最後の夜明けに聞きたい曲。」

「粋な夜電波」第357回放送は、「3月最後の夜明けに聞きたい曲」特集。
早朝のファミレスで悲しい充実感と共に味わう物について語られた部分を文字起こししてみました。
改編時期に番組継続について騒がれることもなく、当たり前のように次週からシーズン15に突入(祝!)
この番組がいつまでも続いてくれることを願ってやみません。

2016

2016


はい、Promで「My Licorne & Me」…「私の一角獣と私」というタイトルですね。まあ、沁みますよね。
ワタシ、この調子であの…何ていうの…関東弁の躁病質…軽躁状態ですからね、いつもね。だから、なかなか分かられないんですけど、悲しい事が大好きでね。悲しい事、大好物。あと、醜い状態も大好物で(笑)。
ひどい痴話喧嘩とかね。大好物ですよね。
で、まあ…そういう事が終わりますよね。すると、すごい充実感。痛みの充実感、苦しみの充実感…を抱えてですね、朝方のデニーズに行くんですよ。水道道路の。
そうすっとねぇ(笑)…エビフライね。あとはあの…普通どこにでもある、ほうれん草とベーコンを炒めたやつあるでしょ?…あれ、唯々諾々と食ってたらダメですよ。
皆さん、必ずほうれん草とベーコン炒めの方は、コーヒーフレッシュ3つ!…3つやって、「えっ、3つ?」って思うかもしんないですけど、ほうれん草って、ものすげえ吸うんで。乳製品を。だから3つでもね、全然ビシャビシャになんないです。
で、卓上になんか「なんとかミネラル塩」とか置いてあるじゃないですか。あれで、ほうれん草と…あ、これ…だからあれですよ、デニーズだけじゃないですけど。ファミリーレストラン全般のね。ホットスターターディッシュのさ、ほうれん草とプロシュートの炒めたやつには必ずかけてくださいね。コーヒーフレッシュクレームド・スピナッチになりますんで。ええ。…で、塩サッサッサッって振ってね。
とまあ…あとそうですね、エビフライなんかいいですね。デニーズだとね(笑)。海老フライなんかいいですよ。
ほいで、まあ…軽ーくね、そんなにやっちゃいけないんだけど、寝る前にも仕事ありますから。物書いたりね…あるんですけど、まあそこは…昼間から蕎麦屋で熱燗ちょっと飲んじゃうのと…まあ、ビール一杯とかね、何でもいいんですけど。
それと同じ感覚で、ハウスグラスワイン赤かなんか頼んでね。で、こう…「辛かったなぁ、今日は。」って思いながら(笑)、そこをチビリチビリやりながら、ほうれん草食ってると、夜がだんだん明けてきて。
完全に明るくなるとね、テニスコートを最初に予約した人が、トットトットッと走って来て、遠くにあるテニスコートで…まずラケットで…から…何て言うの?練習みたいな…素振りだ、素振り。空打ちだって。
素振りしちゃって。それから柔軟やって。それからとうとう二人でね、ラリー始めて。パコン…パコン…って。
何の音もしないですよ。ガラス分厚いから。でも、それを斜め上からね。「ああ、世の中って、なんでこんなにめんどくせえんだろう。」って思いながら、赤ワイン飲んでですね(笑)。
で、「美味えなあ、ほうれん草にコーヒーフレッシュかけたやつ。」って思いながら、食ってですね。
遠くでね、結構エレガントな人たちですよ。中壮年の方が多いですけどね。ちゃんとこう…FILAのスポーツウェアみたいなの着た…ね、方がパコン…パコン…ってやっててね。
とてもいい気分ですけど。それを思い出させる曲ですよね(笑)。今のPoomの曲とかね。流れてたら泣いちゃうって感じですけど。

A Curious Tale of Trials & Per

A Curious Tale of Trials & Per


私事ですが、菊地先生の私塾「ペンギン音楽大学」を受講させていただいている中で、今回の映画「素敵なダイナマイトスキャンダル」のオリジナルサウンドトラック盤へのリミックスでの参加のお話をいただきました。今回の放送でオンエアまでしていただいて感無量です。
自分はもともと音楽家になろうとして菊地先生に師事したわけではなく、いちラジオリスナー、いちファンとしてこの番組を聞き、そのあまりのトークの面白さに勝手に文字起こしをアップしていた者です。
特に少女時代の楽曲を解説された回が興味深かったので、「もっと音楽についての話を聞きたい!」と思って映画美学校の音楽理論講座に申し込みました(当時。現・美学校)。
ピアノも弾いたことがないという状態から、まさにドレミ…いちから教わり、いまやペン大の最終課程です。まさかリミックスとはいえ、同じ盤に収録していただいて、クレジットに名前も載せていただける日がくるとは…。
「コンテンツとしてボリュームが足りないな。生徒に作らせてみっか。」という菊地先生の気まぐれ&遊び心のおかげで、またとない機会に恵まれ、個人的に一生の記念となる音楽作品との関わりが持てたことに深く感謝いたします。
菊地成孔先生、並びにTBSラジオ菊地成孔の粋な夜電波」番組スタッフの皆様に、この場を借りて御礼申し上げます。ありがとうございました。
番組の第1回放送をPodcastで聞き終えた瞬間の「あ、この人を追いかけていったら、一生退屈することはなさそうだ。」という確信が、この「人類史の開始以来絶えることなくずっと続いている混迷の現代社会」を生きていく上での自分の心の支えになっていることは間違いありません。

「素敵なダイナマイトスキャンダル」オリジナル・サウンドトラック

「素敵なダイナマイトスキャンダル」オリジナル・サウンドトラック